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これは、演習というカーニバルだな。
天覧大演習となったようだ・・・
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鹵獲した海底戦車が39両ほど、ずらりと並ぶ。
「ほう、なかなか壮観な眺めですな。」と、マッカート少佐が感嘆の声だ。
海底戦車は潜水艇が無限軌道を付けているゲテモノである。
それで、英陸軍に敗退したのだが・・・(水上戦車に欠点を尽かれて・・・)
兵器は、得て不得手があるようである。
あれも、これもでは・・・勝てないようだ。
「まあ、今回は演習だからな。」
「そうですね、模擬砲弾ですからケガ人もでないかと・・・」と、陸軍参謀が賛同する。
もちろん、事前に試し砲撃をやってるのだ。
戦車学校の若者にケガがあってはならないからね。
「あれが、改造したマークⅣ型ですか。」と、政府の役人が参謀へ聞く。
「そうです、マークⅣ型改といいます。」
「ほう、まるで別物ですな。」
「まあ、それは演習がはじまってから観てください。」と、自慢げな参謀だ。
正直のところ、参謀も見てないから・・・わからんのだが・・・
大女王様が天覧するということで、大々的な演習となってしまった。
売店で、お茶するレディや紳士諸君が・・・いっぱいなのである。
「まるで、カーニバルだな。」と、マッカート少佐が苦言だ。
「これは、軍の正式な演習だ。」「祭りではないのだ。」
「まあ、そう言いなさるな。」と、なだめる陸軍参謀だ。
なぜなら、これで大女王様から大儀を賜れば・・・晴れて、王立の名前がつけられるやも・・・
海軍は、なにかと王立をひけらかすからである。
「しかし、天下の大英帝国ですな。」と、来賓のサイトウ技官が感心する。
諸外国からの見物人も・・・多々いるのだ。
ドイツのスパイも、かなり紛れ込んでるだろうが・・・
やがて、場内放送が流れる・・・
「大演習は10時から開始となります。」「ご見学の皆さまは、見学席から決して出ないように・・・」
と、注意事項を述べる放送だ。
まあ、模擬砲弾を砲撃するのだ。
万が一ということもあるからである。
救急車や消防車が並んでるのだ。
売店では、得体のしれないグッズまで・・・販売許可なんて・・・この時代は・・・無いも同然なのである。
大女王様のプロマイドからマーガレット王女様まで・・・許可なんて取ってるわけないのだ。
一番の売れ筋は、スカーレット王女様のようだ。
なんせ、18歳の美少女だからだ。
マーガレット王女様は7歳だ。
一部のロリファンからは絶大な支持を・・・美幼女だな・・・
軍の天幕では・・・最終の打合せが・・・
戦車学校の筆頭学生と陸軍のスミス大尉、そして新垣少尉である。
数は学生側が39両だから、数を合わせて陸軍が20両で水上戦車が19両となった。
「ところで、海底戦車は海面下は潜れるのだろうな。」と、スミス大尉が再確認だ。
打合せでは、ドーバー越えの海底戦車を陸軍と水上戦車隊が・・・
そう、あのドーバー越を防いだ・・・再現演習なのである。
「え、え、浅いところなら問題ありません。」と、学生が答える。
「ふむ、では、そういうことで。」と、打ち合わせが・・・
やがて、合図の花火が上がる・・・
ドーバーの丘の会場の演習場へ・・・続々と英陸軍のマークⅣ型改が・・・水上戦車は会場の端へ・・・移動するようだ。
「ドーバー沖の海底から敵の海底戦車が上陸してきます。」
「みなさん、海岸をごらんください。」と、場内放送だ。
観客は一斉に海岸へ・・・
「あっ、あそこだ。」と、誰かが叫んだ。
海面から・・・ニョキ、ニョキと砲塔が・・・現れる・・・
やがて、海底戦車が轟音を蹴立てて・・・海面から現れる・・・
まさに、ゴジラの上陸そのものだ。
観客は・・・ドイツ軍のドーバー侵攻を恐怖を持って思い出すのである。
「会場の皆さま、左右をごらんください。」と、放送が入る。
「我が、英陸軍が左右から敵の戦車へ対抗するために入場してきました。」
轟音を蹴立てて・・・マークⅣ型改戦車隊が・・・かなりの速度で左右から入場してきたのだ。
「お、おっ、我が英陸軍もたいしたものだ。」と、観客が歓声をあげる。
「そして、皆さま。」「左右の海をごらんください。」
「わが、英国への派遣軍である、日本海軍の陸戦隊の水上戦車隊が左右から敵の戦車隊を・・・・」
あとは、なにを言ってるか・・・歓声で聞こえない・・・
会場は、英軍がんばれの応援の嵐である。
「大女王陛下へ乾杯。」と、グラスを掲げるヤカラまで・・・
「ドウン。」「ドウン。」と、敵の海底戦車より砲撃だ。
地面に派手に噴煙があがる。
爆発の威力は少ないんだが・・・噴煙は派手にあがる模擬砲弾だ。
もう、会場は手に汗にぎる興奮である。
数人の観客が泡を吹いて・・・気絶まで・・・してるようだ。
そこは、用意がいいのである。
救急車で搬送なのである。
「皆さま、英陸軍の砲撃をごらんください。」と、放送が入る。
無線でマークⅣ型改へ、砲撃の合図を送る。
「ドウン。」「ドウン。」
もう、双方の戦車が入り乱れての乱戦へ・・・
これは、プロレス興行の終わり方と同じだ。
場外乱闘で・・・何が何だか・・・わからない内に終了のゴングが鳴り響くのだ。
こうして、興奮の内に演習は無事に終了したのである。
会場にはドイツのスパイも紛れ込んでるから・・・戦車の性能のすべてを見せるわけには、いかないからだ。
マークⅣ型改は最高速度が70キロ近く出るんだが・・・そこは、明かさないのである。
もちろん、派遣日本海軍陸戦隊は影のサポートに徹したのだ。
でないと、英陸軍の見せ場がなくなるからである。
こうして、英陸軍の活躍を大女王様もご覧になり、大女王様から、「大儀であった。」のお言葉が・・・
マッカート少佐は、これで晴れて王立のカンバンを揚げられる・・・と、感涙にむせんだのである。
(これは、ウソ八百のラノベだ、現実は王立陸軍ではないからね・・・)
「ほう、なかなか壮観な眺めですな。」と、マッカート少佐が感嘆の声だ。
海底戦車は潜水艇が無限軌道を付けているゲテモノである。
それで、英陸軍に敗退したのだが・・・(水上戦車に欠点を尽かれて・・・)
兵器は、得て不得手があるようである。
あれも、これもでは・・・勝てないようだ。
「まあ、今回は演習だからな。」
「そうですね、模擬砲弾ですからケガ人もでないかと・・・」と、陸軍参謀が賛同する。
もちろん、事前に試し砲撃をやってるのだ。
戦車学校の若者にケガがあってはならないからね。
「あれが、改造したマークⅣ型ですか。」と、政府の役人が参謀へ聞く。
「そうです、マークⅣ型改といいます。」
「ほう、まるで別物ですな。」
「まあ、それは演習がはじまってから観てください。」と、自慢げな参謀だ。
正直のところ、参謀も見てないから・・・わからんのだが・・・
大女王様が天覧するということで、大々的な演習となってしまった。
売店で、お茶するレディや紳士諸君が・・・いっぱいなのである。
「まるで、カーニバルだな。」と、マッカート少佐が苦言だ。
「これは、軍の正式な演習だ。」「祭りではないのだ。」
「まあ、そう言いなさるな。」と、なだめる陸軍参謀だ。
なぜなら、これで大女王様から大儀を賜れば・・・晴れて、王立の名前がつけられるやも・・・
海軍は、なにかと王立をひけらかすからである。
「しかし、天下の大英帝国ですな。」と、来賓のサイトウ技官が感心する。
諸外国からの見物人も・・・多々いるのだ。
ドイツのスパイも、かなり紛れ込んでるだろうが・・・
やがて、場内放送が流れる・・・
「大演習は10時から開始となります。」「ご見学の皆さまは、見学席から決して出ないように・・・」
と、注意事項を述べる放送だ。
まあ、模擬砲弾を砲撃するのだ。
万が一ということもあるからである。
救急車や消防車が並んでるのだ。
売店では、得体のしれないグッズまで・・・販売許可なんて・・・この時代は・・・無いも同然なのである。
大女王様のプロマイドからマーガレット王女様まで・・・許可なんて取ってるわけないのだ。
一番の売れ筋は、スカーレット王女様のようだ。
なんせ、18歳の美少女だからだ。
マーガレット王女様は7歳だ。
一部のロリファンからは絶大な支持を・・・美幼女だな・・・
軍の天幕では・・・最終の打合せが・・・
戦車学校の筆頭学生と陸軍のスミス大尉、そして新垣少尉である。
数は学生側が39両だから、数を合わせて陸軍が20両で水上戦車が19両となった。
「ところで、海底戦車は海面下は潜れるのだろうな。」と、スミス大尉が再確認だ。
打合せでは、ドーバー越えの海底戦車を陸軍と水上戦車隊が・・・
そう、あのドーバー越を防いだ・・・再現演習なのである。
「え、え、浅いところなら問題ありません。」と、学生が答える。
「ふむ、では、そういうことで。」と、打ち合わせが・・・
やがて、合図の花火が上がる・・・
ドーバーの丘の会場の演習場へ・・・続々と英陸軍のマークⅣ型改が・・・水上戦車は会場の端へ・・・移動するようだ。
「ドーバー沖の海底から敵の海底戦車が上陸してきます。」
「みなさん、海岸をごらんください。」と、場内放送だ。
観客は一斉に海岸へ・・・
「あっ、あそこだ。」と、誰かが叫んだ。
海面から・・・ニョキ、ニョキと砲塔が・・・現れる・・・
やがて、海底戦車が轟音を蹴立てて・・・海面から現れる・・・
まさに、ゴジラの上陸そのものだ。
観客は・・・ドイツ軍のドーバー侵攻を恐怖を持って思い出すのである。
「会場の皆さま、左右をごらんください。」と、放送が入る。
「我が、英陸軍が左右から敵の戦車へ対抗するために入場してきました。」
轟音を蹴立てて・・・マークⅣ型改戦車隊が・・・かなりの速度で左右から入場してきたのだ。
「お、おっ、我が英陸軍もたいしたものだ。」と、観客が歓声をあげる。
「そして、皆さま。」「左右の海をごらんください。」
「わが、英国への派遣軍である、日本海軍の陸戦隊の水上戦車隊が左右から敵の戦車隊を・・・・」
あとは、なにを言ってるか・・・歓声で聞こえない・・・
会場は、英軍がんばれの応援の嵐である。
「大女王陛下へ乾杯。」と、グラスを掲げるヤカラまで・・・
「ドウン。」「ドウン。」と、敵の海底戦車より砲撃だ。
地面に派手に噴煙があがる。
爆発の威力は少ないんだが・・・噴煙は派手にあがる模擬砲弾だ。
もう、会場は手に汗にぎる興奮である。
数人の観客が泡を吹いて・・・気絶まで・・・してるようだ。
そこは、用意がいいのである。
救急車で搬送なのである。
「皆さま、英陸軍の砲撃をごらんください。」と、放送が入る。
無線でマークⅣ型改へ、砲撃の合図を送る。
「ドウン。」「ドウン。」
もう、双方の戦車が入り乱れての乱戦へ・・・
これは、プロレス興行の終わり方と同じだ。
場外乱闘で・・・何が何だか・・・わからない内に終了のゴングが鳴り響くのだ。
こうして、興奮の内に演習は無事に終了したのである。
会場にはドイツのスパイも紛れ込んでるから・・・戦車の性能のすべてを見せるわけには、いかないからだ。
マークⅣ型改は最高速度が70キロ近く出るんだが・・・そこは、明かさないのである。
もちろん、派遣日本海軍陸戦隊は影のサポートに徹したのだ。
でないと、英陸軍の見せ場がなくなるからである。
こうして、英陸軍の活躍を大女王様もご覧になり、大女王様から、「大儀であった。」のお言葉が・・・
マッカート少佐は、これで晴れて王立のカンバンを揚げられる・・・と、感涙にむせんだのである。
(これは、ウソ八百のラノベだ、現実は王立陸軍ではないからね・・・)
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