伊号式潜水艦。

ゆみすけ

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日本海軍陸戦隊とは?

この隊員は、海軍兵なのか陸軍兵なのか・・・

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 アランがマツモト君へ、「君の国の戦車隊員は、文句がつけようがないな。」と、そして・・・
「我が国の戦車隊が手も足もでなかった、ドイツ軍戦車隊を翻弄したんだから。」
 「そして、数が敵より少ないにも関わらず勝ってしまったくらいだ。」
「普通は、戦車の数で勝敗が決まってしまうんだが・・・」
 と、驚くアランだ。
「うむ、オレも驚いてるんだ。」と、同感のマツモト君だ。
 「あそこまで、動いてくれるとは・・・」と、望外の戦力の水上戦車に驚くのだ。
アランが聞く、「ところで、日本軍は海軍と陸軍の仲の悪さは有名だが・・・以外だな。」
 「彼らは、戦車兵だから・・・陸軍兵だろう?」
「いや、海軍兵だよ。」と、マツモト君が答える。
 「でも、あれだけ戦車を・・・戦車はフネじゃないんだぞ。」と、驚くアランだ。
「彼らは海軍の陸戦隊員だよ。」と、いうマツモト君だ。
 「水上戦車は外洋運用もできるそうだ。」「だから、補給があれば大西洋も渡れるんだよ。」
と、戦車隊員から聞いた話だ。
 「とても信じられない、水上戦車で外洋航行ができるなんて。」と、驚くアランだ。
「聞いた話だが・・・太平洋横断試験もしたらしいぞ。」と、マツモト君が聞いた話だ。
 「もちろん、米国へは上陸してないが・・・」
まあ、軍事機密だ当然だろう。
 「補給の油槽船が追従したらしいが、水兵だから六分儀で位置を計測して外洋航行試験をしたらしい。」
「陸上では燃費が悪いが、洋上では小型船並みの燃費だったそうだ。」
 「1リッターで、10キロは航行できたそうだ。」
「速度は地上は40キロだが、海上では8から10ノットだったそうだ。」
 どうしても水の抵抗が大きい水上では速度が落ちるのは仕方がないようだ。
「なるほど、陸軍兵では外洋航行は無理だろうな。」と、納得のアラン君だ。

 英陸軍の戦車隊運用参謀がマツモト君を訪ねてきた。
参謀だ、階級は大佐だ。
 マツモト中尉は・・・お偉いさんに・・・あわてて敬礼だ。
「マツモト中尉、君に聞きたいことがあるのだ。」
 「ハイ、わかる範囲なら・・・」
「うむ。」「水上戦車は海軍の運用と聞いたのだ。」「はぁ。」
 「そして、ドイツ陸軍の戦車隊と互角以上の戦いだったと聞いたのだ。」
「はぁ。」
 「それで、名前を陸戦隊と呼ぶらしいな。」「え、え、・・・」
「その、陸戦隊の話を聞きたいんだよ。」
 「そして演習でいいから、ぜひ見学してみたいのだ。」と、希望を述べる大佐だ。
「演習には、我が陸軍戦車隊とで頼みたいのだ。」と、希望を述べる大佐だ。
 「ところで、水上戦車の技官は?」と、大佐が聞く。
「たしか、工作船(スパイ船ではない。工作機械の船だ。)に・・・」
 「なら、先に陸軍戦車を見に来て欲しいのだ。」
「わかりました、明日にでも、陸軍の戦車隊へ行くようにと伝えておきます。」
 「うむ、では、よろしく頼んだぞ。」と、陸軍戦車隊参謀本部へ戻る大佐だ。

 日本海軍の工作船は、船内に工場があり軍艦の修理もやってのける技官が乗船している。
工作船には組み立て式の浮きドックまであり、船体に開いた魚雷の穴も修繕できるのだ。
 もちろん、蒸気タービンの交換までも・・・
兵站船が給食から甘味まで供給できる船なら、鋼鉄さえあれば・・・軍艦や爆撃機まで製造可能な洋上工場なのである。
 まさに、日本の工業力を載せた船なのだ。
現在は、先のドーバーでの紛争で傷ついた水上戦車の修理や整備に忙しいのである。
 「えっ、陸軍の参謀本部の大佐からの話なんですか。」と、驚く斎藤技官だ。
「なら、マジな話ということですね。」「うむ。」と、マツモト中尉が答える。
 「そして、技官を派遣してくれということは・・・」
「つまり、マークⅣ型を見てくれということなんですね。」
 「そのようだな。」
「わかりました、改造すべき点は多々感じられましたから・・・」と、斎藤技官が答える。
 「うむ、その、なんだ。」「はぁ。」
「あまり、こけ降ろすとイカンからな。」と、注意喚起のマツモト君だ。
 「え、え、わかりました。」「ほどほどに、しておきますよ。」
と、英陸軍の戦車隊へ・・・向かう斎藤技官だ。
 アランがスタッフ・カーで送ってくれるらしい・・・

 「ここが、陸軍の戦車隊ですか。」と、戦車庫の前だ。
英陸軍のマークⅣ型が50両ばかり並んでいる。
 そして、陸軍参謀のマッカート大佐が待っているようだ。
「歓迎しますぞ、サイトウ技官殿。」と、敬意を示す大佐だ。
 「お招きありがとうございます、大佐殿。」と、互いに敬礼だ。
マッカート大佐は、早速に戦車を示して・・・
 「ぜひ、君の意見を聞きたいのだ。」と、マジな顔だ。
ドイツ軍戦車隊にヤラれたことが、かなりショックだったようだ。
 なんせ、10両の内、6両が破壊されて、1両が主砲が作動しなくなってしまったからだ。
相手のドイツ軍は水上戦車が防いでくれたから・・・だが・・・
 英陸軍は危機感が満載なのだ。

 「わかりました。」と、マークⅣ型へ・・・
そして、斎藤技官は戦車隊員の説明を聞きながら現物を検分するのだ。
 検分は2時間ほどかかった。
「詳細に検分するには、1両を工作船へ・・・」と、斎藤技官が答える。
 「それで、カンタンに判明した欠点と改善すべき点をあげます。」
「うむ君、控えておくように。」と、部下へ指示をだす大佐だ。
 「まず、エンジンです。」「エンジンで戦車は決まります。」
「ガソリン・エンジンは馬力はありますが、トルクがジーゼルに劣ります。」
 「このエンジンはジーゼルへ交換すべきです。」
「そして、履帯はカバーで敵の砲撃を防ぐべきです。」
 「主砲に同軸機銃が欲しいです。」
「同軸機銃は照準としても使えますから。」
 「エンジンと隊員を別の部屋へ分けるべきです。」「これでは、エンジンの排気ガスで隊員がヤラれますよ。」
こっそりと、英陸軍戦車隊員の要望を伝える斎藤技官だ。(エンジンルームで戦闘してるからだ。)
 「そして、これは絶対に必要ですが、無線機を全戦車へ装備すべきです。」と、言い切る技官だ。
「わが、水上戦車には小型高周波無線機を載せています。」「それが、連携攻撃の要ですよ。」
 と、力説する斎藤技官だ。
なお、斎藤技官はカンタンな英語はペラペラだが・・・細かい専門用語はアランがマッカート大佐へ通訳したのだ。


 
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