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戦場での伝達方法は、いくつもあるが・・・
無線機が無いということの重要性。
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「どうしたらいいんだ。」と、アランは考える。
我が陸軍のマークⅣ型には、無線機が隊長車にしか無いようだ。
戦場から離脱していく隊長戦には・・・アンテナが見えるが、他のマークⅣ型には無いからだ。
しかし、戦場では敵は待ってはくれない。
スポーツ大会では、無いからだ。
指揮官は、戦場での思いがけない場面での即応性が求められるのだ。
基本に忠実なんて・・・通用しない。
戦場では、とんでもないことが・・・想像できないことが起こることが多々あるのだ。
アランは戦車を潜水艇に見立てて即断する。
潜水艇は無線機が潜航中は使えないからだ。
陸軍のマークⅣ型5両は(4両は破壊されて、1両は離脱した。)横1列に並んでいる。
これでは、敵からの距離が均等で敵が狙いやすいではないか。
それは、つまりオトリとして申し分ないと・・・味方の陸軍には、言えないが・・・
そして、敵の海底戦車は散開してマークⅣ型へ迫っているのだ。
アランは背後から敵を突くという作戦だ。
まあ、セオリーどうりの作戦だが・・・それも、マークⅣ型の横一列隊形のおかげである。
英陸軍は前時代の戦い方から、抜け出ていないようである。
「よし、オレに続け!」「敵の履帯との接合部を砲撃しろ。」
「胴体への砲撃はハジかれてしまうからな。」と、細かい指示をだすアランだ。
海底戦車の10両は英陸軍を壊滅する1歩手前まで・・・
「グワワワン。」と、海底戦車の接合部で爆発だ。
履帯と胴体が・・・分断される。
潜水艇だった胴体がゴロンと転がり・・・砲塔で引っかかる。
つまり、真横になってしまったのだ。
これでは、砲撃も移動もできない!
「バインケル隊長。」「なんだ。」
「4号機ですが、ヤラれました。」「隊員は無事ですが、戦闘不能です。」
「うむ、では戦車を捨てて・・・海岸へ逃げろ。」と、言うしかないバインケル少尉だ。
指揮官として、敵へ投降しろなんて、言えるわけが無いのだ。
砲塔から脱出するドイツ陸軍戦車隊員だ。
マジノ戦の猛者も戦車が無くては・・・とても、戦えないのだ。
護身用のモーゼル銃はあるが・・・戦車砲には手も足の出ないからだ。
ドーバーの海岸では・・・ドイツ帝国のスパイ船(艤装漁船)が様子見だ。
それへ、脱出した隊員らは救助してもらい・・・しかし、艤装漁船だ・・・
定員は知れている・・・40名ほど乗せてスパイ船はキール軍港へ・・・なんとか、逃げ出すことができたのだった。
マークⅣ型が敵のオトリとなってる内に・・・海底戦車の10両は次々に胴体と無限軌道の接合部が破壊されて・・・胴体がドーバーの浜にゴロンと転がることに・・・
特に、海底戦車は背後から見ると・・・胴体と無限軌道の接合部が丸出しだったのだ。
まるで、ここを狙ってくれと言わんばかりに・・・戦車は現代でも背後からの攻撃には弱いのだ。
チョコマカと動き回る水上戦車には・・・海底戦車の砲撃の照準が定まらないようだ。
海底戦車に砲撃は水上戦車の側で爆発はするんだが・・・命中弾には、ならない・・・
敵の砲手は焦るだろうが・・・マジノ要塞攻略の英雄戦車のⅣ号でも・・・40キロ巡行で走り回る戦車にはお手上げのようである。
マジノ要塞は動かないからね・・・水上戦車はV型8気筒のジーゼル・エンジンに大和撫子製の燃料噴射ポンプだ。
ドイツのジーゼル・エンジンも侮れないが・・・(ジーゼル・エンジンはドイツ人の発明だ。)
ミクロン単位の加工ができる大和撫子だ。
水上戦車の敏腕性は、すべてが燃料噴射ポンプの性能に負っているのである。
ジーゼル・エンジンは燃料噴射ポンプで決まると言っても過言ではないのだ。
当時は、まだ精密旋盤の性能が・・・イマイチだったのだ。
それで、ドイツ製ジーゼル・エンジンの性能が決まっていたのだ。
ところが、我が日本には繊細な指を持つ大和撫子という人種が居たのだ。
高校の授業が終わり、放課後に工廠で部活として始まった作業だが・・・
日本軍を支える原動力なのである。
「いけっ、あと少しだぞ。」と、砲塔から指示を出す、アランだ。
しかし、マークⅣ型は3両を残すのみだ。
あとの、7両は破壊されて・・・鉄クズだ。
海底戦車は、水上戦車に砲撃が当たらないからか・・・陸軍のマークⅣ型に狙いを定めて攻撃しているようだ。
アランが5両の水上戦車を率いて10両の海底戦車へ対処してる内に・・・2両のマークⅣ型がヤラれてしまったのだ。
29両の海底戦車へ海上から攻撃をかけた・・・マツモト隊は・・・どうなったのか不安なアランだ。
10両の海底戦車には、なんとか勝利できるようなのだ。
そのころ、敵が接合部を攻撃してくると、見抜いた海底戦車隊は・・・
まるで、米国の西部開拓当時の幌馬車隊の戦いとなっていたのだ。
インデァンの群れが攻撃してくる。
それで、幌馬車隊は円陣を組んで、幌馬車隊を守るのだ。
インデァンは幌馬車隊の円陣を奇声を上げながら攻撃する場面だ。
それで、海底戦車隊は円陣を組んで・・・鉄壁の守りなのである。
海底戦車も接合部の攻撃は側面や背後なら、容易いのだが・・・前部からの攻撃は・・・
そして、水上戦車はグルグルと敵から攻撃されないように・・・走り続けるしか・・・
「くそっ、これなら攻撃は防げるが・・・なんとも、できないぞ。」と、バインケル少尉は次の指示に困ってるようだ。
いまのところ、生き残ってる海底戦車は12両ほどだ。
その12両で円陣を組んでいるのである。
敵は時間稼ぎをするようだ。
当然、応援要請するだろう。
そうなれば・・・兵糧攻めで・・・海底戦車を捨てて投降するしか・・・
いや、ドイツ帝国軍として、それはできない計算だ。
そうなれば、ドーバー越えの敗残の回数が増えるだけなのだ。
もう、あと1歩だったのだが・・・反省しかりのバインケル少尉だ。
見た所・・・退避した兵たちは、艤装漁船が回収してくれたようだ。
「このままでは、なんともしがたい・・・」
「いっそのこと、12両で突撃するか。」とも思うのだが・・・
それでは、おそらく12両が敵の戦車と刺し違えることができるか・・・その程度で終わってしまうだろう。
敵の増援が到着するまで・・・何時間かかるか、わからんが・・・
どうする、マツモト中尉!
どうする、バインケル少尉!
我が陸軍のマークⅣ型には、無線機が隊長車にしか無いようだ。
戦場から離脱していく隊長戦には・・・アンテナが見えるが、他のマークⅣ型には無いからだ。
しかし、戦場では敵は待ってはくれない。
スポーツ大会では、無いからだ。
指揮官は、戦場での思いがけない場面での即応性が求められるのだ。
基本に忠実なんて・・・通用しない。
戦場では、とんでもないことが・・・想像できないことが起こることが多々あるのだ。
アランは戦車を潜水艇に見立てて即断する。
潜水艇は無線機が潜航中は使えないからだ。
陸軍のマークⅣ型5両は(4両は破壊されて、1両は離脱した。)横1列に並んでいる。
これでは、敵からの距離が均等で敵が狙いやすいではないか。
それは、つまりオトリとして申し分ないと・・・味方の陸軍には、言えないが・・・
そして、敵の海底戦車は散開してマークⅣ型へ迫っているのだ。
アランは背後から敵を突くという作戦だ。
まあ、セオリーどうりの作戦だが・・・それも、マークⅣ型の横一列隊形のおかげである。
英陸軍は前時代の戦い方から、抜け出ていないようである。
「よし、オレに続け!」「敵の履帯との接合部を砲撃しろ。」
「胴体への砲撃はハジかれてしまうからな。」と、細かい指示をだすアランだ。
海底戦車の10両は英陸軍を壊滅する1歩手前まで・・・
「グワワワン。」と、海底戦車の接合部で爆発だ。
履帯と胴体が・・・分断される。
潜水艇だった胴体がゴロンと転がり・・・砲塔で引っかかる。
つまり、真横になってしまったのだ。
これでは、砲撃も移動もできない!
「バインケル隊長。」「なんだ。」
「4号機ですが、ヤラれました。」「隊員は無事ですが、戦闘不能です。」
「うむ、では戦車を捨てて・・・海岸へ逃げろ。」と、言うしかないバインケル少尉だ。
指揮官として、敵へ投降しろなんて、言えるわけが無いのだ。
砲塔から脱出するドイツ陸軍戦車隊員だ。
マジノ戦の猛者も戦車が無くては・・・とても、戦えないのだ。
護身用のモーゼル銃はあるが・・・戦車砲には手も足の出ないからだ。
ドーバーの海岸では・・・ドイツ帝国のスパイ船(艤装漁船)が様子見だ。
それへ、脱出した隊員らは救助してもらい・・・しかし、艤装漁船だ・・・
定員は知れている・・・40名ほど乗せてスパイ船はキール軍港へ・・・なんとか、逃げ出すことができたのだった。
マークⅣ型が敵のオトリとなってる内に・・・海底戦車の10両は次々に胴体と無限軌道の接合部が破壊されて・・・胴体がドーバーの浜にゴロンと転がることに・・・
特に、海底戦車は背後から見ると・・・胴体と無限軌道の接合部が丸出しだったのだ。
まるで、ここを狙ってくれと言わんばかりに・・・戦車は現代でも背後からの攻撃には弱いのだ。
チョコマカと動き回る水上戦車には・・・海底戦車の砲撃の照準が定まらないようだ。
海底戦車に砲撃は水上戦車の側で爆発はするんだが・・・命中弾には、ならない・・・
敵の砲手は焦るだろうが・・・マジノ要塞攻略の英雄戦車のⅣ号でも・・・40キロ巡行で走り回る戦車にはお手上げのようである。
マジノ要塞は動かないからね・・・水上戦車はV型8気筒のジーゼル・エンジンに大和撫子製の燃料噴射ポンプだ。
ドイツのジーゼル・エンジンも侮れないが・・・(ジーゼル・エンジンはドイツ人の発明だ。)
ミクロン単位の加工ができる大和撫子だ。
水上戦車の敏腕性は、すべてが燃料噴射ポンプの性能に負っているのである。
ジーゼル・エンジンは燃料噴射ポンプで決まると言っても過言ではないのだ。
当時は、まだ精密旋盤の性能が・・・イマイチだったのだ。
それで、ドイツ製ジーゼル・エンジンの性能が決まっていたのだ。
ところが、我が日本には繊細な指を持つ大和撫子という人種が居たのだ。
高校の授業が終わり、放課後に工廠で部活として始まった作業だが・・・
日本軍を支える原動力なのである。
「いけっ、あと少しだぞ。」と、砲塔から指示を出す、アランだ。
しかし、マークⅣ型は3両を残すのみだ。
あとの、7両は破壊されて・・・鉄クズだ。
海底戦車は、水上戦車に砲撃が当たらないからか・・・陸軍のマークⅣ型に狙いを定めて攻撃しているようだ。
アランが5両の水上戦車を率いて10両の海底戦車へ対処してる内に・・・2両のマークⅣ型がヤラれてしまったのだ。
29両の海底戦車へ海上から攻撃をかけた・・・マツモト隊は・・・どうなったのか不安なアランだ。
10両の海底戦車には、なんとか勝利できるようなのだ。
そのころ、敵が接合部を攻撃してくると、見抜いた海底戦車隊は・・・
まるで、米国の西部開拓当時の幌馬車隊の戦いとなっていたのだ。
インデァンの群れが攻撃してくる。
それで、幌馬車隊は円陣を組んで、幌馬車隊を守るのだ。
インデァンは幌馬車隊の円陣を奇声を上げながら攻撃する場面だ。
それで、海底戦車隊は円陣を組んで・・・鉄壁の守りなのである。
海底戦車も接合部の攻撃は側面や背後なら、容易いのだが・・・前部からの攻撃は・・・
そして、水上戦車はグルグルと敵から攻撃されないように・・・走り続けるしか・・・
「くそっ、これなら攻撃は防げるが・・・なんとも、できないぞ。」と、バインケル少尉は次の指示に困ってるようだ。
いまのところ、生き残ってる海底戦車は12両ほどだ。
その12両で円陣を組んでいるのである。
敵は時間稼ぎをするようだ。
当然、応援要請するだろう。
そうなれば・・・兵糧攻めで・・・海底戦車を捨てて投降するしか・・・
いや、ドイツ帝国軍として、それはできない計算だ。
そうなれば、ドーバー越えの敗残の回数が増えるだけなのだ。
もう、あと1歩だったのだが・・・反省しかりのバインケル少尉だ。
見た所・・・退避した兵たちは、艤装漁船が回収してくれたようだ。
「このままでは、なんともしがたい・・・」
「いっそのこと、12両で突撃するか。」とも思うのだが・・・
それでは、おそらく12両が敵の戦車と刺し違えることができるか・・・その程度で終わってしまうだろう。
敵の増援が到着するまで・・・何時間かかるか、わからんが・・・
どうする、マツモト中尉!
どうする、バインケル少尉!
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