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袋のネズミの海底戦車だ。
おう、ドーバーの浜だぞ。
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「このまま進むぞ。」「ヤゴール。」
海底戦車は、案内の音通が切れたが・・・蓄電池が残り少ないからか・・・陸上を目指して進撃するのだ。
「とにかく、海上へ出なければ・・・ジーゼル・エンジンが動かせないからな。」と、バインケル少尉だ。
そこは、指揮官だ・・・その、判断は正解でもあった。
やがて、海底が明るくなり・・・海底戦車の砲塔が海面から出る。
「おお、ドーバーだぞ。」と、感涙の涙のバインケル少尉だ。
とうとう、ドイツ帝国の戦車隊がカレー市からドーバーへ・・・思えば長い道程だったのだ。
そして、次々と海面から顔を出す海底戦車だ。
そのころ・・・「なんだ、海岸を見ろっ!」と、マツモト隊長が叫んだ。
見ると、変な砲塔が海面から出ている。
数は40個ほどだ。(正確には39個)
「漁船なんか、追ってる場合じゃないぞ。」と、危機感満載だ。
無線で、「全、水上戦車隊に指示する、ドーバーの浜へ戻るんだ。」「アイサー。」
「アラン、聞こえるか。」「なんだ。」
「変なヤツが浜へ上がろうとしてるぞ。」「わかった、戻るぞ。」
水上戦車は逃走する漁船(ドイツのスパイ船だ。)の追跡をやめて・・・ドーバーの海岸へ・・・
水面から、ニョキニョキと砲塔らしきものが現れたからだ。
その数は、40個ほどだ。
「うわっ、マツモトっ、数が多いぞ。」「とても、20両の戦車では、無理なんじゃないかっ!」と、アランが警告する。
「他に誰もいないんだ。」「オレ達で・・・たとえ、全滅しょうと対処せねばならんぞ。」
アランはマツモト中尉が日本人であることを、思い出したのだ。
武士は、敵の数が多かろうと・・・単騎でも、突撃するんだ。
おそらく、マツモトは1両だろうと・・・40両もの敵へ向かっていくだろう・・・
それが、日本の武士というものなのだ。
「わかった、よしっ全滅するかもしれんが、他に防ぐ手立てが無いからな。」
「わかったか、全車に命令する。」「突撃だ!」と、アランが吠えた。
水上戦車の隊員はアランやマツモト両君を除いて・・・日本海軍の派遣軍だ。
しかし、同盟国の国防のためなのである。
「了解です。」と、日本海軍の隊員は躊躇なく水上戦車を海岸へ向ける。
しかし、高速艇ではないし、四角な戦車だ。
速度は8ノツトほどしか・・・
「最大戦速。」と、操縦手が叫ぶ。
最大戦速はジーゼル・エンジンをオーバーブーストを駆けて無理をさせて高速回転をさせる技だ。
使用時間が3分ほどしか・・・まるで、ウルトラマンのカラータイマーのパクリなのかっ!
それで、水上戦車は8ノツトから10ノットへ速度を上げたのだ。
種明かしだが・・・マフラーを切り替えて・・・無しにしただけなんだが・・・
轟音を蹴立てて爆走する水上戦車だ。
もうもうと、黒い煙を吐き・・・20両の水上戦車が海岸へ・・・
39両のドイツ帝国海底戦車隊は、やっと上陸を果たしたのだった。
バインケル少尉は、ドイツ帝国の長年の雪辱を果たすことができたのだ。
「とうとう、ドーバーを越えたぞ。」「オレは、英雄だぞ。」
水面から上がったので、やっと無線が使えるバインケル少尉だ。
「諸君、隊員の諸君。」「我がドイツ帝国の偉大な一歩を刻もうぞ。」と、感涙にむせぶのだ。
しかし、「隊長。」と、偵察員が急報だ。
「英国の戦車らしきモノが海から、やってきます。」
「なんだと、どれだけだ。」
「20両、ほどです。」
あわてて振り返り、双眼鏡を海へ・・・
「なんだ、あれは海面を走る戦車かっ。」
「数は20両ほどか。」「我が、ドイツ軍は39両だぞ。」
「全車に告ぐ、海からやってくる不審戦車を砲撃だ。」
「ヤゴール。」
どちらが、不審なのか・・・おまえらだろう・・・
「2両で、敵の1両へ対抗しろ。」と、バインケル少尉が指示をだす。
「作戦を告げるぞ。」と、冷静な声でマツモト中尉が指示をだす。
「アラン隊は左からだ。」「オレ達は右から、廻り込むぞ。」
アランが、「鶴翼の陣か。」と、マツモト君へ・・・
「なんだ、知ってるのか。」「あ、あ。」
「敵が自軍より多い時の攻撃方法だな。」と、アランが日本の戦国時代を講釈する。
「そうだ、敵は海岸に横並びだ。」
「正面からだと、全滅だ。」「それで、廻り込んで各個撃破するしか無いぞ。」
「正論だな。」と、アランも賛同する。
鶴が翼を開いた格好だから、鶴翼の陣である。
左右から、廻り込んでの攻撃だから、敵を分散することができるのだ。
戦車は、どうしても動きが遅いのだ。
それで、この戦い方は効果がでるのである。
「敵は左右に別れたぞ。」「各車、各個撃破しろ。」と、バインケル少尉が指示を無線で送る。
海底戦車は潜水艇を戦車へ改造したモノだ。
それで、長さは12メートルもあり、地上では動きが緩慢なのである。
無限軌道が2組だ。 それを台車で動かしてるのだ。
なかなか、左右へ動くのが緩慢なのである。
そして、海底戦車が砲撃を始めた。
しかし、水上戦車は海を走行してるからか、波にゆらゆらなのである。
そう、砲撃が当たらないのだ。
そして、水上戦車も砲撃を始めたのだ。
しかし、波にゆられて・・・これも、なかなか命中しない。
当時は砲手の腕に、すべてが掛かっていたのである。
「くそっ、揺れるから・・・なかなか当たらんぞい。」と、砲手が・・・
「いや、威嚇になればいいんだ。」と、マツモト君が励ます。
20両の水上戦車は陸へ上がった海底戦車の39両へ突撃を敢行するのだった・・・
海底戦車は、案内の音通が切れたが・・・蓄電池が残り少ないからか・・・陸上を目指して進撃するのだ。
「とにかく、海上へ出なければ・・・ジーゼル・エンジンが動かせないからな。」と、バインケル少尉だ。
そこは、指揮官だ・・・その、判断は正解でもあった。
やがて、海底が明るくなり・・・海底戦車の砲塔が海面から出る。
「おお、ドーバーだぞ。」と、感涙の涙のバインケル少尉だ。
とうとう、ドイツ帝国の戦車隊がカレー市からドーバーへ・・・思えば長い道程だったのだ。
そして、次々と海面から顔を出す海底戦車だ。
そのころ・・・「なんだ、海岸を見ろっ!」と、マツモト隊長が叫んだ。
見ると、変な砲塔が海面から出ている。
数は40個ほどだ。(正確には39個)
「漁船なんか、追ってる場合じゃないぞ。」と、危機感満載だ。
無線で、「全、水上戦車隊に指示する、ドーバーの浜へ戻るんだ。」「アイサー。」
「アラン、聞こえるか。」「なんだ。」
「変なヤツが浜へ上がろうとしてるぞ。」「わかった、戻るぞ。」
水上戦車は逃走する漁船(ドイツのスパイ船だ。)の追跡をやめて・・・ドーバーの海岸へ・・・
水面から、ニョキニョキと砲塔らしきものが現れたからだ。
その数は、40個ほどだ。
「うわっ、マツモトっ、数が多いぞ。」「とても、20両の戦車では、無理なんじゃないかっ!」と、アランが警告する。
「他に誰もいないんだ。」「オレ達で・・・たとえ、全滅しょうと対処せねばならんぞ。」
アランはマツモト中尉が日本人であることを、思い出したのだ。
武士は、敵の数が多かろうと・・・単騎でも、突撃するんだ。
おそらく、マツモトは1両だろうと・・・40両もの敵へ向かっていくだろう・・・
それが、日本の武士というものなのだ。
「わかった、よしっ全滅するかもしれんが、他に防ぐ手立てが無いからな。」
「わかったか、全車に命令する。」「突撃だ!」と、アランが吠えた。
水上戦車の隊員はアランやマツモト両君を除いて・・・日本海軍の派遣軍だ。
しかし、同盟国の国防のためなのである。
「了解です。」と、日本海軍の隊員は躊躇なく水上戦車を海岸へ向ける。
しかし、高速艇ではないし、四角な戦車だ。
速度は8ノツトほどしか・・・
「最大戦速。」と、操縦手が叫ぶ。
最大戦速はジーゼル・エンジンをオーバーブーストを駆けて無理をさせて高速回転をさせる技だ。
使用時間が3分ほどしか・・・まるで、ウルトラマンのカラータイマーのパクリなのかっ!
それで、水上戦車は8ノツトから10ノットへ速度を上げたのだ。
種明かしだが・・・マフラーを切り替えて・・・無しにしただけなんだが・・・
轟音を蹴立てて爆走する水上戦車だ。
もうもうと、黒い煙を吐き・・・20両の水上戦車が海岸へ・・・
39両のドイツ帝国海底戦車隊は、やっと上陸を果たしたのだった。
バインケル少尉は、ドイツ帝国の長年の雪辱を果たすことができたのだ。
「とうとう、ドーバーを越えたぞ。」「オレは、英雄だぞ。」
水面から上がったので、やっと無線が使えるバインケル少尉だ。
「諸君、隊員の諸君。」「我がドイツ帝国の偉大な一歩を刻もうぞ。」と、感涙にむせぶのだ。
しかし、「隊長。」と、偵察員が急報だ。
「英国の戦車らしきモノが海から、やってきます。」
「なんだと、どれだけだ。」
「20両、ほどです。」
あわてて振り返り、双眼鏡を海へ・・・
「なんだ、あれは海面を走る戦車かっ。」
「数は20両ほどか。」「我が、ドイツ軍は39両だぞ。」
「全車に告ぐ、海からやってくる不審戦車を砲撃だ。」
「ヤゴール。」
どちらが、不審なのか・・・おまえらだろう・・・
「2両で、敵の1両へ対抗しろ。」と、バインケル少尉が指示をだす。
「作戦を告げるぞ。」と、冷静な声でマツモト中尉が指示をだす。
「アラン隊は左からだ。」「オレ達は右から、廻り込むぞ。」
アランが、「鶴翼の陣か。」と、マツモト君へ・・・
「なんだ、知ってるのか。」「あ、あ。」
「敵が自軍より多い時の攻撃方法だな。」と、アランが日本の戦国時代を講釈する。
「そうだ、敵は海岸に横並びだ。」
「正面からだと、全滅だ。」「それで、廻り込んで各個撃破するしか無いぞ。」
「正論だな。」と、アランも賛同する。
鶴が翼を開いた格好だから、鶴翼の陣である。
左右から、廻り込んでの攻撃だから、敵を分散することができるのだ。
戦車は、どうしても動きが遅いのだ。
それで、この戦い方は効果がでるのである。
「敵は左右に別れたぞ。」「各車、各個撃破しろ。」と、バインケル少尉が指示を無線で送る。
海底戦車は潜水艇を戦車へ改造したモノだ。
それで、長さは12メートルもあり、地上では動きが緩慢なのである。
無限軌道が2組だ。 それを台車で動かしてるのだ。
なかなか、左右へ動くのが緩慢なのである。
そして、海底戦車が砲撃を始めた。
しかし、水上戦車は海を走行してるからか、波にゆらゆらなのである。
そう、砲撃が当たらないのだ。
そして、水上戦車も砲撃を始めたのだ。
しかし、波にゆられて・・・これも、なかなか命中しない。
当時は砲手の腕に、すべてが掛かっていたのである。
「くそっ、揺れるから・・・なかなか当たらんぞい。」と、砲手が・・・
「いや、威嚇になればいいんだ。」と、マツモト君が励ます。
20両の水上戦車は陸へ上がった海底戦車の39両へ突撃を敢行するのだった・・・
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