伊号式潜水艦。

ゆみすけ

文字の大きさ
上 下
203 / 253
陸軍の菱形戦車とは?

最初の戦車なんだぞ、ありがたく思いなさい、だって・・・

しおりを挟む
 鈴木技官が聞く。
「あのう・・・マークⅣ型って聞きましたが。」
 「うむ、英国陸軍は新型のⅣ型だそうだ。」と、統括参謀が答える。
「まさか、エンジン真ん中に載ってるヤツですか?」と、鈴木技官が聞く。
 「どうだったかな。」「だれか、知らないか?」と、参謀が面々を見るが・・・誰も発言しないようだ。
なぜなら、英国王立海軍のドイツ帝国のドーバー越えの対策会議だからである。
 海軍の会議に陸軍が参加する訳が無いのだ。
ここで、読者諸君に、英国の発明したころの初期戦車をカンタンに紹介しよう。
 第1次世界大戦は塹壕を互いに堀り、そこからの撃ちあいの戦闘が多かった。
塹壕は、何百キロと伸びたそうだ。
 そして、戦線は膠着してしまったのだ。
互いに、塹壕から撃ちあいをしても、敵は殲滅できはしないのだ。
 そこで、英国陸軍が考えたのが戦車である。
鉄の箱に入り、それを移動させて塹壕を攻めるのである。
 昔の攻城兵器と同じ、考えだ。
エンジンはガソリンエンジンの100馬力だ。
 重さは28トンもあり・・・そう、走行速度はヒトが歩く速度程度である。
ダンプに砂利を満載して・・・軽自動車のエンジンで動かすのより劣るのだ。
 それで、エンジンには整備する隊員が必要だったそうだ。(戦車内で整備ができたのだ。)
常に、エンストの危険が伴うのだ。
 故障しても、当然の兵器だったのである。
鈴木技官は、内心で陸軍は当てにならないな・・・と、思ったのだ。
 海軍国の英国は、どうしても陸軍はショボイのだ。
海軍がショボイ、ドイツ帝国の真逆なのである。
 エンストが稀なドイツ戦車とは、争いにはならないだろう・・・
実際、史実でもドイツ軍のA7V型の戦車は兵器として使えたそうだ。
 大戦末期に20両しか造られなかったのだが・・・18名も乗り組んだ、歩く城塞だ。
エンジンは100馬力が2基装備されてるから、それでも速度は8キロだったそうだ。
 マークⅣより乗り心地は、バネのサスペンション付きで良かったらしい。

 「それで、陸軍へとの打ち合わせは・・・」と、話が進む。
「あ、あ、オレが伝えておくよ。」と、参謀がいう。
 「そうか、では次の議題だが・・・」と、統括司令官だ。
日本軍も海軍と陸軍は仲が悪いが・・・英国も、同じようである。(日本ほどではないが・・・)
 ドイツとフランスは表立っては表さないが・・・隣国同士で仲が悪いのだ。
大抵の国は隣国とは、仲が悪いものだ。
 パヨクは、ことさらに隣国(特亜三国、シナ・南北朝鮮)と仲良くというが・・・それは、我が国を貶めるためなのだ。
 日本を貶めるのがパヨクの願望なのである。
憲法九条教のパヨク(朝日新聞など・・・)に騙されてはいけないのだ。
 そうだ、英国での会議の話だった。

 ここは、欧州のドイツ帝国、グルップ重工だ。
39両目の海底戦車の改修が終わり・・・貨車へ積まれて・・・カレ―市への鉄道線路へ運ばれていくところだ。
 サイモン博士がヴァルター男爵陸軍大将閣下へ・・・
「閣下、やっと整いましてございます。」「うむ。」
 「ごくろうじゃった。」「ハ、ハァ~ッ。」
「これで、ドーバーへ橋頭堡を構築できれば皇帝陛下もお喜びになられるであろう。」
 「ハ、ハァ~ッ。」と、慇懃にお辞儀をするサイモン博士だ。
サイモン博士は、シュタイン博士より応接が上手いようである。
 「39両の海底戦車だ。」「こんどこそ、蓄電池不良なぞ無いはずじゃ。」と、自信満々の博士である。
まさか、行方不明の1両の海底戦車が英国へ鹵獲されてるなんて・・・夢にも、思ってないドイツ帝国の面々なのだ。
 英国側が海底戦車の情報を、完璧に隠匿したからだが・・・
海底戦車は夜間に、こっそりポーツマス軍港の海軍工廠へ運ばれたのだ。
 海岸で海軍陸戦隊が水上戦車で戦ったので、陸軍へはバレていない。
そして、一部の人間しか、海底戦車を検分していないのだ。
 大英帝国の大女王様やマーガレツト王女様も知らないことなのだ。
情報は、知る人間が少ないほど漏れにくいのだ。
 日本から工作艦が運んだ水上戦車も・・・ごく一部の軍人や技師しか知らない話なのである。
ドイツ帝国へ水上戦車の情報が洩れれば・・・39両の海底戦車でドーバー越など・・・ドイツ帝国は計画しないだろう。
 海底戦車を最低でも100両は揃えるだろう。
攻撃は、敵の3倍の軍事力が最低条件なのだ。
 英国が20両の水上戦車とマークⅣ20両なのだ。
100両は揃えないと・・・攻撃はおぼつかないのだ。
 「それで、今回は前回の失敗を反省して、案内船を浮かべて、案内させることとした。」
と、ヴァルター男爵が説明する。
 「その案内船が海底戦車へ信号を送りながら、ドーバーへ・・・」
「そうですな、それなら迷うことはないでしょう。」と、賛同する参謀である。
 ドイツ陸軍では、1両の海底戦車が行方不明で捜索したが・・・発見できなかったらしい。
まあ、英国に鹵獲されていたのだが・・・それは、英国の秘匿情報なのだ。

 「諸君、諸君はドイツ帝国の先兵となり、長年の夢であった英国への鉄槌を下すのだ。」と、演説するヴァルター男爵だ。
 195名の陸軍の精鋭部隊である。
全員がⅣ号戦の経験者だ。(マジノ要塞攻略の精鋭だ。)
 「敬礼。」と、バインケル少尉の指揮でドイツ帝国式の右手を上がる敬礼だ。
ヴァルター男爵が退場する。
 「よし、案内船の信号をわすれるな。」「全員、出撃だ!」
「ヤゴール。」と、全員が高嗚する。
 カレー市の海岸に並んだ、海底戦車へ次々と乗り込む隊員達だ。
沖合いには案内する漁船が待機している。
 ちなみに、海底戦車は欠点を改修して、実用的な海底戦車になっていたのである。
ディート・フリート軍曹の遭難も役に立ったようだ。
 戦車が完全に水没するまでは、ジーゼル・エンジンで進む海底戦車だ。
34キロ先のドーバーの海岸を目指して・・・ドイツ帝国の長年の夢は実現しそうだったのだ。
 
 
 
 
 

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

本能のままに

揚羽
歴史・時代
1582年本能寺にて織田信長は明智光秀の謀反により亡くなる…はずだった もし信長が生きていたらどうなっていたのだろうか…というifストーリーです!もしよかったら見ていってください! ※更新は不定期になると思います。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

大日本帝国、アラスカを購入して無双する

雨宮 徹
歴史・時代
1853年、ロシア帝国はクリミア戦争で敗戦し、財政難に悩んでいた。友好国アメリカにアラスカ購入を打診するも、失敗に終わる。1867年、すでに大日本帝国へと生まれ変わっていた日本がアラスカを購入すると金鉱や油田が発見されて……。 大日本帝国VS全世界、ここに開幕! ※架空の日本史・世界史です。 ※分かりやすくするように、領土や登場人物など世界情勢を大きく変えています。 ※ツッコミどころ満載ですが、ご勘弁を。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦艦タナガーin太平洋

みにみ
歴史・時代
コンベース港でメビウス1率いる ISAF部隊に撃破され沈んだタナガー だがクルーたちが目を覚ますと そこは1942年の柱島泊地!?!?

満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ
歴史・時代
 満州国は、日本が作った対ソ連の干渉となる国であった。 未開の不毛の地であった。 無法の馬賊どもが闊歩する草原が広がる地だ。 そこに、農業開発開墾団が入植してくる。 とうぜん、馬賊と激しい勢力争いとなる。 馬賊は機動性を武器に、なかなか殲滅できなかった。 それで、入植者保護のため満州政府が宗主国である日本国へ馬賊討伐を要請したのである。 それに答えたのが馬賊専門の討伐飛行隊である。 

【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部

山本 双六
歴史・時代
たくさんの人が亡くなった太平洋戦争。では、もし日本が勝てば原爆が落とされず、何万人の人が助かったかもしれないそう思い執筆しました。(一部史実と異なることがあるためご了承ください)初投稿ということで俊也さんの『re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ』を参考にさせて頂きました。 これからどうかよろしくお願い致します! ちなみに、作品の表紙は、AIで生成しております。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...