伊号式潜水艦。

ゆみすけ

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英国王立海軍の作戦は?

時間は、少ない・・・どう防ぐのか?

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 日本製の水上戦車を検分するアランとマツモト君だ。
すでに、車長として乗っていたが・・・詳しく見るのは初なのだ。
 日本海軍の陸戦隊員が説明する。
「前部と側面にフロート、つまり浮きがあります。」と、水上戦車の舳先を示す。
 「内部には、コルクの浮きが詰まっていて、浮力は十分です。」
「なお、アルミ製です。」
 「じゃあ、カンタンに穴が開くね。」と、アランが聞く。
「え、え、軽くないと浮きにはなりません。」「なるほど。」
 「戦車の車台は日本軍の普通の戦車を防水にしてあるのです。」
「それで、装甲は前部が4センチ、側面が3センチの軽戦車に浮きが付いてるわけです。」
 「ふむ、それで後部にスクリューなのか。」と、後ろを観るマツモト君だ。
「スクリューは左右にあり、左右を個別に動かして左右へ方向を変えます。」
 「でも、舵もあるぞ。」「舵だけでは、なかなか方向が変らないのです。」
「なるほど、試験は十分ということか・・・」と、アランが感心する。
 「つまり、これは日本軍の軽戦車に浮きとスクリューと舵を付けたんだな。」
「そうですね。」
 「一応、外洋航行も試験してあります。」
「余程の波でも浸水しませんよ。」
 「日本は台風が来ますからね。」「ハリケーンのことか。」と、アランが聞く。
「え、え、かなりの嵐でも航行ができます。」「しかし、揺れが激しいと・・・主砲が当たりませんよ。」
 「そうだろうな。」
現在のような、射撃統制の高速計算機が無い時代だ。
 「おや、これは水中機雷じゃないか。」と、アランが戦車の後部を見る。
「え、え、。敵潜水艦を攻撃するための武器です。」と、陸戦隊員だ。
 「まてよ、これがあるんだ。」「この水中機雷で敵の海底戦車を攻撃できるぞ。」
まあ、水中機雷というと爆雷のことなのだ。
 水上戦車には、1両に2個の水中機雷が装備されていたのだ。
「まあ、潜水艦を撃沈するには非力ですが、側で爆発すれば・・・それなりの成果はあるんですよ。」
 と、小型の水中機雷を示す陸戦隊員だ。
「無限軌道とスクリューは、どうやって切り替えるんだ。」と、アランが隊員へ聞く。
 「それは、操縦席の切り替えレバーで・・・」と、隊員がやってみせる。
「なるほど、オレでもできそうだな。」と、操縦はアランでも・・・できそうだ。
 「ジーゼル・エンジンは戦車用なんだな。」と、マツモト君が後部を検分する。
「え、え、軽戦車と同じですよ。」
 「陸上なら、最大速度は40キロです。」
「海上は10ノット(18キロ毎時)ほどですが。」
 「うむ、波の抵抗はあるからな。」と、アランがいう。
「ドイツ軍は潜水艇を戦車へ改造して、日本軍は戦車をフネに改造したのが・・・何とも言えないな。」と、マツモト君が感想だ。
 「それで、残りの10両は?」「え、え、整備が完了して全車が出撃できますよ。」と、鈴木技官が統括する。
「ところで、最大戦速は?」と、マツモト君が鈴木技官へ聞く。
 「うむ、燃費が悪くなるが、20ノットがギリだな。」と、説明する。
「なかなか、すごいじゃないか。」と、マツモト君が駄弁る。
 「もちろん、凪(なぎ)の海面だぞ。」と、風が無いならと言い訳する技官だ。
「さすが、V型8気筒ジーゼルは、すごいな。」と、感心するマツモト君だ。
 
 「それで、ドイツ軍へ対処の作戦だが。」と、本題へ入る鈴木技官だ。
いままでの話は・・・前振れだったのだ。
 これからが本題なのである。
「それで情報部はドイツ軍の司令から、なんか聞き出したのか。」と、鈴木技官だ。
 アランが、「いや、なかなか手強くて・・・階級と名前しか・・・」
「そうか、他のドイツ兵は。」「同じだな。」
 「我が、英国軍は調べに体罰は使わないから、なかなか聞き出せないんだよ。」と、アランが言い訳だ。
「正当な捕虜には、体罰は国際法違反だからな。」と、マツモト君だ。
 英国や日本は国際法のハーグ陸戦条約を順守するのだ。
ソ連やシナ、朝鮮とは違うのだ。(日本は朝鮮半島は併合していない、それが著者のラノベである。)
 ソ連もシナも半島も、ウソや騙しの国だからだ。
基本理念を共有できない国ばかりだ。
 英国とは、基本理念を共有できるから、日英同盟があるのだ。
「それで、作戦なんだが・・・」と、軍司令の参謀が立案した作戦を説明し始めた。

 「まずは、水上戦車で敵の海底戦車を捜索するんだ。」
「そして、水中機雷攻撃だ。」
 「なるほど。」と、皆が賛同する。
「そして、撃ち漏らした海底戦車はドーバー上陸を狙って殲滅するんだ。」
 「なるほど。」
「しかし、参謀。」「なんだ。」
 「それは、敵の数が当方の20両と同等だというのが条件ですが。」「そうだな。」
「情報部が戦車の数は探ってはいるんだが・・・」
 「海底戦車はドイツ帝国でも生産に苦労してるとの情報もある。」
「現に、1両しかドーバーまでたどり着けなかったじゃないか。」と、参謀がいうのだ。
 「それは、わかりますが・・・」
「敵が20両以上だと・・・」
 「その時は、英国陸軍の戦車隊が陸上で迎え撃つのだ。」と、三段構えの作戦を説く参謀だ。
「陸軍は、何両の戦車を・・・」と、マツモト君だ。
 「うむ、20両は待機するらしい。」
「なるほど、それだけあれば撃ち漏らしも、退治できますな。」と、鈴木技官が賛同する。
 「海軍の20両の水上戦車に陸軍の20両の戦車だ。」
「計40両もの戦車だ。」
 「ドイツ軍を跳ね返すに十分と思うが。」と、参謀が締める。(数は無限ではない。)
「英国の戦車は?」と、鈴木技官が聞く。
 「あ、あ、マークⅣ型だ。」
英国は戦車を発明した国だ。
 菱形戦車というヤツだ。
フランス軍がルノー16T型の新型の砲塔がある戦車を考案して、戦車は新たな形式へ進化していたのだが・・・
 英国は菱形戦車が伝統だそうだ。
日本軍はフランス軍のルノー16T型を輸入して、さらに日本人技師らが考案した新型の軽戦車を造り出した。
 その新型を水上航行できるように改造したのが・・・水上戦車である。
「陸軍は旧式なんですね。」と、鈴木技官が残念な・・・
 「菱型は英国の伝統だそうだ。」と、アランが陸軍を揶揄する。
王立海軍と単なる陸軍との軋轢は、すくなからずだようだ。


 


 
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