伊号式潜水艦。

ゆみすけ

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潜水艦を特定できるのかっ!

敵の艦艇の特定ができるなんて・・・

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 「つまり、敵艦の音紋(指紋のようなモノだ。)が特定できるんですね。
「あ、あ、あらかじめ敵艦の音があればね。」
 「じゃあ、レコードの録音機をもっていけば。」と、マツモト君が聞く。
「そうなるね。」「しかし、機械は結構重いから・・・」
 録音装置は机くらいはありそうだ。
「いま、小型にならないか技師連中が苦心してるよ。」と、磯崎艦長だ。
 日本人技師が関われば・・・数ヶ月で完成だろう。
なんせ、小型化は日本の十八番だからね・・・
 そして、次の部屋へ案内する磯崎艦長だ。
「ここが、レイの電池室だよ。」と、本棚が並んでいるような部屋の扉を開ける。
 「さすがに、500回ほど充電を繰り返すと、性能が落ちるから・・・」
「そうなると、交換するんだ。」と、棚から取り出す様子を見せる。
 棚に金具で留めてあるだけのようだ。
「1個は、2ボルトだ。」「この部屋に500個ほど使ってるよ。」
 見ると、交換した月日が書いてある。
「おや、換気装置が多いですね。」と、マツモト君が気が付いた。
 「まあ、充電するときは熱が出るんだ。」
「それで、過充電だと火を噴いて事故にもつながる恐れがあるんだ。」
 「潜航中は充電はしないけどね。」と、磯崎艦長だ。
確かに、海上航行で充電だろう、そこは現行の潜水艦と同じなようだ。
 「でも、水素ガスがでないことは、管理が楽ですね。」
「そうだな、管理はカンタンだよ。」「たまに、点検するだけだ。」と、軽くいう磯崎艦長である。

 「ここが、魚雷発射管室だよ。」と、見ればわかる部屋を開ける。
「発射菅は4門ですか。」と、マツモト君がいう。
 「そうだ、あと2門が艦尾にあるよ。」
「意外とすくないですね。」
 「そうだが、外したことは無いぞ。」と、磯崎艦長が自慢する。
「まず、1発しか撃たないからね。」
 「まさか、誘導魚雷ですか。」と、驚くマツモト艦長だ。
「うむ、敵の音を聴いて進むヤツと有線で操作するヤツがあるぞ。」
 「有線なら、距離は?」と、マツモト艦長が聞く。
「これは、内密なんだが・・・約2キロだ。」
 「細いコードを曳いて魚雷を操作するんだ。」と、ワイヤーの束をみせる。
「魚雷は電動モーターで進むんだ。」「航跡は見えないから、なかなかの性能だぞ。」
 「ドイツの魚雷と同じですね。」「ただ、ドイツの魚雷は有線誘導ではない通常の魚雷ですが。」と、マツモト君がいう。
 「ふむ、ドイツ軍も電気推進魚雷を完成させていたのか。」と、磯崎艦長がいう。
「そうらしいです、詳しいことは海軍工廠へ文書で伝えてあります。」「それは、ありがたい。」
 日英同盟でドイツ帝国は日本の仮想敵となってるからである。
まあ、日本からはドイツ帝国は遠方であるのだが・・・
 満州国との紛争でドイツ帝国から武器を買ってるシナの軍閥だ。
日本にとり、全く関係ないことは無いのである。
 「陸軍は、かなりドイツ帝国の武器には悩まされてるらしいですからね。」
と、聞いた話をする磯崎艦長だ。
 そこは、陸軍は強いドイツ帝国だ。
「それは、どんな武器なんですか。」と、マツモト君が聞いた。
 内心、まさか列車砲がシナに・・・さすがに、それは無いようだ。
「それは、モーゼル機関銃だそうですよ。」と、磯崎艦長がいうのだ。
 「重さが4キロと軽いんですよ。」
「えっ、機関銃がですか。」と、驚くマツモト艦長だ。
 「え、え、鹵獲した機関銃を見せてもらったんですが。」
「弾倉は40発と、なかなか多いです。」「そして、3連射が、できるんですよ。」
 「まさか、それは英国が開発したマシン・ピストルと同じじゃないですか。」
列車砲を破壊した王立陸戦隊の武器が・・・
 「まさか、我が英国の陸戦隊の武器を・・・」
「はやり、ドイツ帝国陸軍は油断できないな。」と、歯ぎしりするマツモト中尉だ。
 マツモト中尉は磯崎少佐へ・・・王立陸戦隊のドイツ帝国内部への強襲の話を・・・
「それは、本当ですか。」「列車砲ですか。」
 「まさか、ドイツからシナの軍閥が列車砲までは買えないと思いますが・・・」
「その話は陸軍へ伝えてもよろしいですか。」と、磯崎艦長が聞く。
 「え、え、本職が知ってるのですから。」と、マツモト中尉が言う。
「ドイツ帝国とソ連は仲が悪いですから、まさかとは思いますが。」と、磯崎艦長が加えるのだ。
 「シベリア鉄道からシナへ運ぶことはできますからな。」と、注意喚起だ。
「しかし、ドイツ帝国が王立陸戦隊の突撃機関銃を・・・」と、マツモト中尉は驚くのだ。
 「そのシナの軍閥が輸入したマシン・ピストルは鹵獲したのですか。」
「え、え、陸軍の連中に見せてもらいましたから。」と、磯崎艦長がいう。
 「本職も、ぜひ拝見できますか?」
「わかりました、大阪の陸軍工廠へ紹介状を書きましょう。」
 「それは、ありがたいです。」
こうして、ドイツ帝国が英国王立陸戦隊の試作機関銃を早くも模した武器を完成させてることが・・・
 遠く極東の日本から・・・英国へ漏れたのである。
英国はルイスガンという7ミリ機関銃を日本へ譲渡したのだが・・・
 マシン・ピストルは開発中ということで、日本陸軍へは譲渡していなかったのだ。
欧米が日本に勝てるのは・・・銃器くらいである。
 日本人技師は戦車や潜水艦などの技術には長けてるのだが・・・
銃器に関しては、まだまだというか・・・あまり得意ではないようなのだ。
 火縄銃なぞ、日本製が優秀なのだが・・・
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