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駆逐艦隊の派遣が決まる。
対ドイツ潜水艦の駆逐艦隊。
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スツキ機長が、「ふう、なんとか到着できましたよ。」と、ヘッドセットを外す。
「36時間が新記録だね。」と、マツモト中尉が激励する。
「そうですか。」と、照れる。
飛行艇で英国から日本へ・・・36時間なら、大記録だ。
戦闘機なら、いざ知らず・・・大きな旅客飛行艇で、だからだ。
まあ、マーガレツト王女様の専用機だ。
単なる、飛行艇では無いからね・・・
高度8000まで、15分だ。
戦闘機でも無理な速度なのだ。
これには、日本のエンジンと英国ロールス社の過給機(ターボ)が融合している、新型18気筒の反転プロペラエンジンだからである。
ダブル過給機エンジンは世界で、このマーガレツト王女様の専用機だけだ。
それは、スツキ機長のコネがあるからである。
試験的にスツキ機長が、試しただけなのだ。
もちろん、個人的趣味である。
飛行艇へランチ(ポンポン船)がやってきた。
「どうやら、お迎えが到着したぞ。」と、マツモト中尉だ。
「国書は。」「あ、あ、持っている。」
ビクトリア大女王様からの援軍要請の国書だ。
アランが直接、海軍大臣へ渡すことになっている。
「なるべく、早くしないと。」「そうだな。」
「駆逐艦の最大戦速なら、7日かな。」
「燃料がもたないぞ。」
「いや、セイロンとエジプトで給油すれば。」
「あ、あ、英国の植民地があるからな。」
大英帝国は世界各所に植民地があり、そこへ軍がいる。 そこで、駆逐艦が給油できるのだ。
「まあ、かなり機関へ無理をするが・・・」
「そこは、時間制限があるから、7日は無理かと・・・」
「まあ、努力してもらうさ。」と、スツキ機長だ。
「久しぶりだな。」と、呉軍港へランチが・・・
潜水艦桟橋へ・・・
懐かしさが一杯のマツモト中尉だ。
おもえば、潜水艇の艇長を・・・佐久間艇長らの碑の前へ・・・ますは、いままでの感謝とこれからの武運を祈願する。
佐久間艇長は、呉鎮守府の軍神のひとりなのである。
彼らの尊い犠牲があったからの、今日なのだ。
当時の潜水艇は現在のジーゼルと蓄電池モーターの切り替え式ではなかったのだ。
空気をボンベに溜めて・・・それを燃焼させてエンジンを廻して・・・まあ、とんでもない装置だったのだ。
もちろん、ソナーも無い。
眼も耳も無いフネだったのだ。
それが、現在はアクテブソナーという耳だけでない、反射音で周囲の様子が把握できるようになってきてるのだ。
そして、日本海軍では、潜水艦探知に磁気探知という方法を考案したらしい・・・
これは、マツモト中尉のコネで手に入れた情報だった。
上空から飛行機から探知でいるという、世界初の装置である。
なんでも、地磁気の乱れから探知するという、とんでも兵器らしい。
深さが50mから100mまでしか使えないらしいが・・・
それでも、潜水艦は余程の事が無いかぎり100以上は潜らないのだ。
なぜなら、潜水艦にとり、絶対安全な深度は深さが100までだからだ。
それ以上は潜れるが・・・深度が深くなるほど、制限時間が短くなるからだ。
日本の最新型潜水艦のイ号は、深度350なら、制限時間は30分程度だ。
それ以上は、耐圧保証が無いのだ。
20なら、1時間くらいだそうだ。
まあ、敵の駆逐艦から退避できる程度なのである。
例外は救助潜水艇くらいだ。
これは、チタン超合金製で、深度1000mで、数時間も耐えられるのだ。
日本の技術の最高を集約した、救助艇だからだ。
建造費に糸目はつけていないのだ。
この救助艇は、現在は日本本土と英国に1隻づつしかないのだ。
日本の救助潜水艇は千代田(ちよだ)というらしい。
英国のヤツは、もちろんマーガレツト4号艇だ。
潜水艦隊はマーガレツト王女様の軍隊だからだ。
王立英軍の統括は大女王様のビクトリア様であるが・・・潜水艦隊だけはマーガレツト王女様の私物なのだ。
だから、マツモト中尉やスツキ機長が騎士として雇用できるのである。
マーガレツト王女様は日本人贔屓で有名なのである。
「久しぶり、元気だったか?」と、先輩の伊東少佐が歓迎だ。
「え、え、先輩も元気そうで。」「うむ。」
「ここでは、なんだ。」「いい店があるから・・・」と、案内される中尉だ。
そこは、鎮守府内にある酒保ではなくて、喫茶部だ。
酒やビールは無い。
コーヒー専門店である。
退役した調理担当官や栄養管理官などの再雇用先である。
軍事兵器会社が退役軍人を雇うのと同じだ。
喫茶呉というらしい。
お品書きは・・・コーヒーしかない。
ちなみに冬でも、アイスコーヒーはある。
アイスコーヒーは日本生まれと聞いたが・・・
「いらっしゃいませ。」と、退役したメイド士官が迎える。
もう、バアさんだが・・・余計な一言だった。
「ウインナ、2つ。」と、マツモト中尉の分も注文だ。
「ここの、ウインナは最高だぞ。」と、なかなかなのだ。
ちなみに、ウインナ・コーヒーは生クリームを浮かべたコーヒーである。
ウインナ専用のカップである。
メイド士官の案内でテーブルへ・・・
「しかし、中に喫茶部が出来たんですね。」と、マツモト中尉だ。
「あ、あ、最近だ。」「なかなか、雰囲気もいいだろう。」
「そうですね、我が英海軍にも欲しいですね。」
「それで、援軍要請は・・・」
「36時間が新記録だね。」と、マツモト中尉が激励する。
「そうですか。」と、照れる。
飛行艇で英国から日本へ・・・36時間なら、大記録だ。
戦闘機なら、いざ知らず・・・大きな旅客飛行艇で、だからだ。
まあ、マーガレツト王女様の専用機だ。
単なる、飛行艇では無いからね・・・
高度8000まで、15分だ。
戦闘機でも無理な速度なのだ。
これには、日本のエンジンと英国ロールス社の過給機(ターボ)が融合している、新型18気筒の反転プロペラエンジンだからである。
ダブル過給機エンジンは世界で、このマーガレツト王女様の専用機だけだ。
それは、スツキ機長のコネがあるからである。
試験的にスツキ機長が、試しただけなのだ。
もちろん、個人的趣味である。
飛行艇へランチ(ポンポン船)がやってきた。
「どうやら、お迎えが到着したぞ。」と、マツモト中尉だ。
「国書は。」「あ、あ、持っている。」
ビクトリア大女王様からの援軍要請の国書だ。
アランが直接、海軍大臣へ渡すことになっている。
「なるべく、早くしないと。」「そうだな。」
「駆逐艦の最大戦速なら、7日かな。」
「燃料がもたないぞ。」
「いや、セイロンとエジプトで給油すれば。」
「あ、あ、英国の植民地があるからな。」
大英帝国は世界各所に植民地があり、そこへ軍がいる。 そこで、駆逐艦が給油できるのだ。
「まあ、かなり機関へ無理をするが・・・」
「そこは、時間制限があるから、7日は無理かと・・・」
「まあ、努力してもらうさ。」と、スツキ機長だ。
「久しぶりだな。」と、呉軍港へランチが・・・
潜水艦桟橋へ・・・
懐かしさが一杯のマツモト中尉だ。
おもえば、潜水艇の艇長を・・・佐久間艇長らの碑の前へ・・・ますは、いままでの感謝とこれからの武運を祈願する。
佐久間艇長は、呉鎮守府の軍神のひとりなのである。
彼らの尊い犠牲があったからの、今日なのだ。
当時の潜水艇は現在のジーゼルと蓄電池モーターの切り替え式ではなかったのだ。
空気をボンベに溜めて・・・それを燃焼させてエンジンを廻して・・・まあ、とんでもない装置だったのだ。
もちろん、ソナーも無い。
眼も耳も無いフネだったのだ。
それが、現在はアクテブソナーという耳だけでない、反射音で周囲の様子が把握できるようになってきてるのだ。
そして、日本海軍では、潜水艦探知に磁気探知という方法を考案したらしい・・・
これは、マツモト中尉のコネで手に入れた情報だった。
上空から飛行機から探知でいるという、世界初の装置である。
なんでも、地磁気の乱れから探知するという、とんでも兵器らしい。
深さが50mから100mまでしか使えないらしいが・・・
それでも、潜水艦は余程の事が無いかぎり100以上は潜らないのだ。
なぜなら、潜水艦にとり、絶対安全な深度は深さが100までだからだ。
それ以上は潜れるが・・・深度が深くなるほど、制限時間が短くなるからだ。
日本の最新型潜水艦のイ号は、深度350なら、制限時間は30分程度だ。
それ以上は、耐圧保証が無いのだ。
20なら、1時間くらいだそうだ。
まあ、敵の駆逐艦から退避できる程度なのである。
例外は救助潜水艇くらいだ。
これは、チタン超合金製で、深度1000mで、数時間も耐えられるのだ。
日本の技術の最高を集約した、救助艇だからだ。
建造費に糸目はつけていないのだ。
この救助艇は、現在は日本本土と英国に1隻づつしかないのだ。
日本の救助潜水艇は千代田(ちよだ)というらしい。
英国のヤツは、もちろんマーガレツト4号艇だ。
潜水艦隊はマーガレツト王女様の軍隊だからだ。
王立英軍の統括は大女王様のビクトリア様であるが・・・潜水艦隊だけはマーガレツト王女様の私物なのだ。
だから、マツモト中尉やスツキ機長が騎士として雇用できるのである。
マーガレツト王女様は日本人贔屓で有名なのである。
「久しぶり、元気だったか?」と、先輩の伊東少佐が歓迎だ。
「え、え、先輩も元気そうで。」「うむ。」
「ここでは、なんだ。」「いい店があるから・・・」と、案内される中尉だ。
そこは、鎮守府内にある酒保ではなくて、喫茶部だ。
酒やビールは無い。
コーヒー専門店である。
退役した調理担当官や栄養管理官などの再雇用先である。
軍事兵器会社が退役軍人を雇うのと同じだ。
喫茶呉というらしい。
お品書きは・・・コーヒーしかない。
ちなみに冬でも、アイスコーヒーはある。
アイスコーヒーは日本生まれと聞いたが・・・
「いらっしゃいませ。」と、退役したメイド士官が迎える。
もう、バアさんだが・・・余計な一言だった。
「ウインナ、2つ。」と、マツモト中尉の分も注文だ。
「ここの、ウインナは最高だぞ。」と、なかなかなのだ。
ちなみに、ウインナ・コーヒーは生クリームを浮かべたコーヒーである。
ウインナ専用のカップである。
メイド士官の案内でテーブルへ・・・
「しかし、中に喫茶部が出来たんですね。」と、マツモト中尉だ。
「あ、あ、最近だ。」「なかなか、雰囲気もいいだろう。」
「そうですね、我が英海軍にも欲しいですね。」
「それで、援軍要請は・・・」
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