伊号式潜水艦。

ゆみすけ

文字の大きさ
上 下
80 / 253
深く静かに潜航するしかない。

水圧に耐えられるのか、3号潜水艦。

しおりを挟む
 「このままでは、袋のネズミだ。」と、覚悟を決めるハインリッヒ艦長だ。
「ベント開け、潜行だ。」「下げ舵30度だ。」「ヤー。」
 ドイツ帝国潜水艦3号は英海軍潜水艦のビンガーを潜行してやりすごす作戦に出たのだ。
「深度50です。」「深度55です。」「深度60。」
 「深度100です。」「まだ、行きますか。」「あ、あ。」
「艦長、そろそろ。」「ダメだ。」
 「深度120。」「深度・・・・」と、言ってるが・・・
ドイツ帝国潜水艦はアクテブ・ソナーは搭載したいない。
 ここら辺は英仏海峡だ。
そう、あまり海は深くはないのだ。
 「艦長、そろそろ海底かも・・」と、航海士が苦言だ。
「ガガガガガガガーーーーウウウン。」と、潜水艦の舳先が海底へ・・・
 「うわーーーーーっ。」と、隊員らがひっくり返る。
椅子から転げ落ちる・・・艦長のハインリッヒは潜望鏡で頭を強打する。

 「大丈夫か?」と、ハインリッヒ艦長が起き上がる。
「艦長、魚雷発射菅から浸水です。」と、魚雷員から通報だ。
 「いかん、魚雷室は閉鎖しろ。」「急げ、上がれなくなるぞ。」「いぞぐんだ。」
「魚雷室閉鎖しました。」「ふう・・・」
 なんとか間に合ったようだ。
ドイツ潜水艦3号は45度に近い角度で海底のドロに舳先が埋まっていたのだ。
 「タンクブロー。」「浮上だ。」「浮上しろ。」
「ヤー。」
 「カン、カン、カン。」と、圧搾空気をモーターポンプが造る。
そして、「プシューーーーッ。」と、メインタンクに入っている海水を排出する。
 「ゴボゴボ、ゴボ。」と、海水が排出される。
しかし、しかしだ。
 45度の傾いた潜水艦は微動だにしなかったのだ。
「なんだだ。」「メインタンクを・・・」と、叫ぶハインリッヒ艦長だ。
 バルブ操作員が、「艦長、いっぱいですが・・・」
つまり、メインタンクは空気で満たされているのだ。
 それでも、艦は突き刺さったままなのだ。

 「くそっ、最悪だ。」「どうしよう。」と、緊急事態のマニュアルを思い出す、ハインリッヒ艦長だ。
「最悪、舳先の魚雷を爆発させれば、あるいは・・・」「いかん、危険すぎる。」
 「そこまで、艦がもたないだろう。」
そのとき、英海軍のフネが居たことを思い出す・・・
 「しかし、ヤツらに対処できる方法があるとは思えないんだが・・・」
「これは、事故だ、そうだ事故の救援依頼なら・・・」と、助かる方法を模索するハインリッヒ艦長だ。
 そのころ・・・クリステーナ号のアクデブ・ソナー員が、「艦長、不審潜水艦が位置が特定されましたが・・・」
「どこだ。」「海底です。」
 「そうか、隠れたつもりなんだな。」
すると、パッシブ・ソナー員が、「艦長、打撃音が聞こえます。」と、イヤホンを渡すフリだ。
 マツモト君は片耳にイヤホンをあてる。
「カン、カン、カン、ゴツン、ゴツンゴツン、カン、カンカン。」と、打撃音が聞こえるのだ。
 つまり、・・・ーーー・・・と、打音なのだ。
「これは、SOSじゃないか。」
 そうなのだ、ドイツ潜水艦3号は艦尾で艦内の金属を叩いて信号を送ろうと・・・
それが、ハインリッヒ艦長が指示したSOSなのである。
 英海軍へSOSはドイツとしては・・・しかし、命がかかってるのだ。
国際間の軋轢なぞ、問題外なのだ。
 でないと、ドイツ潜水艦3号は隊員全員が・・・助からないからだ。

 「いいか、叩き続けるんだ。」「ヤー。」
「いまは、英潜水艦に助けてもらうしかない・・・」と、決断したハインリッヒ艦長である。
 これが、シナや朝鮮などの特亜三国だと、こうはならない。
仮想敵へ助けを求めるなぞ、感情的にできない民族なのだから・・・
 そして、国際法も守らない、約束は破る、味方を裏切る・・・それが、特亜三国なのだ。
アクデブ・ソナー員へ、「不審潜水艦の位置を詳しく特定できるか。」と、マツモト君だ・・・
 「いま、やってますが・・・方向は左舷30度で、下方45度、誤差はあるとおもいますが。」
「どのくらいの誤差だ。」「そうですね、10メートル程度かと・・・」「うむ。」
 「ピンガーを2回撃てっ。」「アイアイサー。」
「ピキーーーン、ピキーーーン。」
 「浮上だ。」「タンクブロー。」「潜舵上30度。」
ビンガー2回はマーガレット2号への浮上の合図だ。
 やがて、マーガレット2号とクリステーナ号は海上で合流する。
こんどは、マツモト君がマーガレット2号へ組み立てランチで・・・
 「どうしたんだ?」と、アラン艦長だ。

 「じつは、コレコレ・シカジカ・・・」と、不審潜水艦からのSOSを伝える。
「えっ、海底に突き刺さってるのか。」と、唖然とするアラン艦長だ。
 「そのようだ。」と、マツモト君が繰り返す。
「どうする、救助依頼だぞ。」
 「助けないわけには・・・」
「しかし、どうやるんだよ。」と、アランが・・・
 「そこなんだよ。」と、悩むマツモト君である。
「潜水艦は、たぶんヤツらのだ。」「あ、あ、ドイツ帝国だろ。」
 「なんせ、オレ達以外は日本とドイツしか造れないからな。」
「で、どうするんだ。」
 「潜水艦救命艇はハッチが合うかだが。」
「そうだな、いまから設計図なんて、ドイツ帝国へ言っても間に合わないだろう。」
 「下手な行動は紛争を招くかもしれないからな。」と、アランがいう。
「でも、ここで助けない訳にはいかんだろう。」「そうだな。」
 「で、どうするんだ?」と、アランがマツモト君へ・・・
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

おちんちんネード カテゴリー・ゴリラ

BL / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:8

高飛車フィルリーネ王女、職人を目指す。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:92pt お気に入り:163

インスタントフィクション 400文字の物語 Ⅰ

現代文学 / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:0

推しの幸せをお願いしたら異世界に飛ばされた件について

恋愛 / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:961

【完結】あの可愛い人妻を、誰か俺に譲ってください。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:68

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:16,575pt お気に入り:252

例えばこんな来世でも貴方は私を再び三度

BL / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:5

処理中です...