伊号式潜水艦。

ゆみすけ

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音響通信装置。

トン・ツーの音での通信機だ。

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 「水中で音は伝わる速度は空気中より速いのだ。」「しかし、海水の密度で進むのが変化するんだ。」と、研究員がいう。
「ふむ。」と、アランとマツモト君がロンドン大学の研究室で・・・
  「クジラの音声は数カイリも伝わるんだが・・・」と、研究員がいう。
「実は、潜水艦同士で通信ができないかなと・・・」と、アランが。
 「ううむ、大変難しいですね。」「つまり、パッシブ・ソナーではなく、アクテブ・ソナーですね。」
「それは、軍の要請で大学でも研究してますが・・・」
 「まだ、軍事用には信頼性がありません。」と、結論ありきだ。
「なんせ、海底で反射したり、ゴーストもでますからね。」と、繰り返す。
 「まあ、信号音波を出して、聞くくらいなら可能ですかね。」と、参考意見だ。
「モールスで、いいですから。」と、アランが繰り返す。
 「まあ、試作はしますが、責任はもてませんよ。」
「あ、あ、そこを無理にでも頼むよ。」と、帰隊する二人だった。

 アランやマツモト君が帰ったあとで・・・研究員が、「音は海水中では、空気中の4倍の速さで伝わるが、水圧の変化で方向が変わるし・・・音を聴いても、方向が判明しにくいんだ。」
 「まあ、言うはカンタンだが・・・」と、どうしたのもかと・・・苦慮するのだった。
ちなみに、魚群探知機はソナーの応用だが・・・最初に実用化したのは、日本の会社だ。
 軍事用のシナーを安価に改造して、民間の漁船で使えるようにしたのだ。(魚群探知用で、軍事用のソナーでは無い。)
まさに、日本人のお家芸なのである。
 そして、大学の研究員は、水中で音を出していて・・・音波の周波数で水中で伝わる距離が変ることを知ったのだ。
 そして、低い周波数は深く届くが、方向性がわからなくなる。
そして、高い周波数は近いところだが、きめ細かい探査ができるようなのだ。
 つまり、ソナーに周波数変換機能を付ければ・・・潜水艦が居るか、いないか判断ができるのである。
そして、空気の泡があると、そこで音波は遮断されることが判明するのだ。
 そして、マイクに平たい大きな振動膜を貼り、水中マイクの工夫もかんがえることができたのだった。
実験では、14000サイクルの音は約4.5キロまで届いた。
 そして、4000サイクルの音は約18キロまで届いたのだ。
そして、水中での音は空気中へは漏れない、つまり水面を音がでるとき減衰してしまうからだ。
 (これは、ラノベだ、ウソもあるのだ。 でも、風呂の湯の中で拍手しても音は聞こえないからね。)

 諸々の実験結果から周波数を変換(音の高さだ、強さではない。)して発振して、その反射波を水中マイクで聞くアクテブ・ソナーの初期型を・・・
 しかし、操作が難しいくて・・・ドイツの魚雷のように専門員の教育が・・・
現在のような、画面で表示されない方式なのである。
 つまり、イヤホンで聞いて、方向つまみを廻して・・・耳が頼りの聴音器なのだ。
「そうだ、潜水艦に搭載して使えるか試行してみよう。」と、なるのである。
 ちなみに、音はヒトが聞こえる音(20サイクルから20000サイクルの振動音だ。)の範囲である。
現在は、ヒトでは聞き取れない超音波だが・・・
 そして、振動が高いほど、指向性があり、敵の位置が判明しやすい実験も・・・
科学の発展と軍事兵器の両立なのである。
 平和を保つための兵器開発なのだ。
日本は世界で唯一の性善説の国だ。(ヒトは生まれながらに善である。)
 しかし、性悪説が世界では当然なのである。
ヒトのイイやつを国に例えるなら、世界イチのお人好しな日本なのだ。(朝鮮半島や在日の鮮人に騙されてばかりだ。)
 言い方を替えれば、平和ボケしたバカな国民なのだ。

 試作アクテブ・ソナーは警備艇と潜水艦マーガレット2号へ仮搭載されたのだ。(クリステーナ号は、まだ艤装が終わっていない。)
つまり、実際の兵器での実験だ。
 そして、ソナー員は・・・いないから・・・仕方がないから、ロンドン大学の研究員である。
軍事機密の潜水艦へ・・・まるで、ドイツの魚雷取り扱い員のような・・・
 まあ、軍人へ強要されないと信じたいが。
そして、実験は事前に潜る深度や距離を打ち合わせしておくのである。
 そして、もう一つの秘密兵器が・・・
ブイにアンテナがついたヤツを潜水艦と通信ケーブルで結んだのだ。
 これで、潜水艦と警備艇との無線通信ができるのだ。
もちろん、旗がブイには付いていて・・・警備艇で撥ねないように用心である。
 「こちら、警備艇のシモンズだ。」「あ、あ、アランだ、聞こえるぞ。」
「では、想定実験を始めるぞ。」「了解した。」
 警備艇のソナー員が耳を・・・「ん、なんか発振音が聞こえるぞ。」「どれ。」と、警備艇の艇長のシモンズがイヤホンを・・・
 「なんだ、ピキーーーン。」と、繰り返し音だな。
「そうか、アクテブ・ソナーで探査されると、こう聞こえるのだな。」と、理解する。
 そして、マーガレット2号から無線が入る。
「海上すれすれは、位置の特定が難しいらしい。」と、つまり警備艇が喫水が浅いからのようだ。
 海面での反射音と警備艇の船底の反射音が区別がつかないようだ。
「では、警備艇から音波を発射する。」「マーガレット2号、了解だ。」
 警備艇の音波発生器から水中スピーカーで音波が発振された。
 「ピキーーーーン。」と、そして、マーガレット2号の船体で反射した音波が水中マイクから・・・
「おお、聞こえるぞ。」「間隔と方向をメモしたか。」「うむ、もう1度だ。」
 こうして、試行錯誤は繰り返されるのであった。
 

 

 

 

 
 
 

 
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