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ここは、公海ではないか・・・
開き直った、ドイツ海軍だ。
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ドイツ国旗を持って、両手をあげて・・・潜水艇のハッチから出るハインリッヒ艇長である。
周りをみると、3隻の英海軍の警備艇が・・・潜水艇を囲んでいる。
「こちらは、英海軍だ。」「領海侵犯で拿捕、及び臨検する。」と、拡声器がガ鳴った。
周りを見る・・・ハインリッヒ艇長は、「あれっ、ここは公海じやないか。」と、遥か彼方に見えるポーツマス軍港を・・・
「本職はドイツ海軍の3号潜水艇の艇長。」「ハインリッヒ艇長である。」
「ここは、公海上だが、英海軍の臨検の根拠を示されたい。」と、叫ぶ。
どうやら、追いかけっこで双方のフネは英国領海をすぎて・・・おおやけの海へ・・・
確かに、公海上での臨検なぞ、戦時ではないから、当然に認められないことである。
領海侵犯なら、領海内のはずである。
潜水艇は潜航して・・・領海をすぎてから浮上したのだ。
屁理屈なのだが・・・言うのは、ロハだからである。
この屁理屈には・・・困った英海軍である。
確かに、公海上だが・・・追跡してきたのだ。
「こちらは、英海軍だ。」「追跡してきたから、文句は言わせないぞ。」と、拡声器が吠える。
ハインリッヒ艇長も、黙ってはいない。 ドイツ人は屁理屈を言わせると、世界イチなのだ。
下手な法学部の学生以上に屁理屈を言い張るのである。
こうして、ポーツマス軍港沖でのドイツ海軍と英海軍との臨検をする・しないの論争が起こったのだ。
英海軍は日本政府みたいな、遺憾砲で済ますほど、お人よしではない。
まして、転んでもタダでは起きないドイツ軍が相手である。
しかし、しかしである。
英海軍もドイツ海軍も、紛争が戦争に発展することは望んではいないのである。
だから、差しさわりのないことの、言い合いになるのだ。
状況証拠は、ドイツ海軍のポーツマス軍港強行偵察なのだが・・・いかんせん、確たる証拠がないのだ。
追跡を続行してれば・・・しかし、警備艇は水中機雷の調達で追跡を逃してるからだ。
そのあとに、軍港沖で浮上してる潜水艇を発見したのである。
連続性が無いから、ドイツ海軍に言い訳を与えてしまったのである。
だが、このままお帰り願っては・・・英海軍の恥である。
そう、メンツ丸つぶれなのだ。
ドイツ海軍が、後々に腹を抱えて大笑いするのが・・・目に見えるからだ。
だが、時間が経過すれば、するほど・・・落としどころがなくなっていくのだ。
紛争が起こっても・・・それは、避けたいのだが・・・
無線でイザコザを知ったアランとマツモト艦長は警備部の予備艇で、やっと現場へ駆けつけた。
遅れたのは、アランが女王陛下の回答を聞いていたからである。
こいつ何者だ・・・と、マツモト君は思ったが・・・事がおわってからだな・・・
そして、アランが英海軍としてのドイツ海軍への回答をハインリッヒ艇長へ伝えたのである。
それは、再度の軍港内への潜航しての侵入は撃沈処理が適法とするとの、伝達だったのだ。
ハーグ陸戦条約は潜水艇の潜航しての侵入には対処してなかったからだ。
当時は、まだ潜水艇は実用化には、まだなってなかったからである。
その取り決めは、おって大使館を通じて締結することとなったのである。
つまり、ドイツ軍潜水艇は偵察したが、発見されるという汚名を・・・きせることができたのだ。
潜水艇での偵察が敵に発見されたら・・・潜水艇の意味が無いのだ。
英海軍はドイツ軍潜水艇を開放することで、太っ腹を国際社会へ見せつけたのだ。
まあ、痛み分けという答案を女王陛下は下したのである。
なかなか、賢明な判断だったと、マツモト艦長は感心したのである。
「アラン。」「なんだ?」「君は、女王様の何なのさ・・・」と、アランへ詰め寄るマツモト艦長だ。
「あ、あ、まあ身内みたいなモノさ。」と、軽くいうアランだ。
「まさか、君は王位継承者なのか。」と、アランへ質問だ。
「あ、あ、でも位は14位なので、大したことないぞ。」と、平然というアラン君である。
つまり、上に14人が居るということらしい。
なら、それほど態度を替えなくてもいいかな・・・「いままでと、変わらない風に頼みたい。」と、アランがいう。
14位なら、そんなものかな・・・ある意味、安心したマツモト艦長であった。
しかし、アランが王室関係者であったとは・・・まあ、英国王室の皇太子は軍の経験が必要なのだからだが・・・
英国女王のお情けで紛争を回避して、キール軍港へ帰還できた、ドイツ海軍潜水艇3号だが・・・
紆余曲折はあっても、軍港偵察から帰還できたことはまちがいないのである。
キール軍港のゴタゴタといい、踏んだり蹴ったりのドイツ海軍にとり、悪い話では無いのだ。
「ハインリッヒ艇長、君にゲルマン3等勲章を・・・」「身に余りある光栄であります。」「うむ、引き続き海軍を頼んだぞ。」「ハ、ハァ~ッ。」と、答礼する艇長だ。
ちなみに・・・ドイツ軍潜航艇3号が撮影した写真は?
そうだったのだ。 あの、軍港内を撮影したヤツは・・・
ドイツ軍情報部が、喜んで現像したのだが・・・
「なんだ、これは・・・」「どこを、どう撮影したのだ。」と・・・
ハインリッヒ艇長がシャッターを押したと同時に、潜望鏡の前を警備艇が通りすぎて・・・
潜望鏡のレンズは口径が小さいのだ。
つまり、シャッター速度が速く切れないのである。(レンズが暗いヤツなのだ。)
それで、英海軍潜水艦を狙ったんだが・・・警備艇(ランチという小型艇だ。)の胴体が・・・
つまり、偵察は帰還できたんだが・・・写真は失敗した艇長だったのであった・・・
教訓・数枚撮影するべきだった・・・
周りをみると、3隻の英海軍の警備艇が・・・潜水艇を囲んでいる。
「こちらは、英海軍だ。」「領海侵犯で拿捕、及び臨検する。」と、拡声器がガ鳴った。
周りを見る・・・ハインリッヒ艇長は、「あれっ、ここは公海じやないか。」と、遥か彼方に見えるポーツマス軍港を・・・
「本職はドイツ海軍の3号潜水艇の艇長。」「ハインリッヒ艇長である。」
「ここは、公海上だが、英海軍の臨検の根拠を示されたい。」と、叫ぶ。
どうやら、追いかけっこで双方のフネは英国領海をすぎて・・・おおやけの海へ・・・
確かに、公海上での臨検なぞ、戦時ではないから、当然に認められないことである。
領海侵犯なら、領海内のはずである。
潜水艇は潜航して・・・領海をすぎてから浮上したのだ。
屁理屈なのだが・・・言うのは、ロハだからである。
この屁理屈には・・・困った英海軍である。
確かに、公海上だが・・・追跡してきたのだ。
「こちらは、英海軍だ。」「追跡してきたから、文句は言わせないぞ。」と、拡声器が吠える。
ハインリッヒ艇長も、黙ってはいない。 ドイツ人は屁理屈を言わせると、世界イチなのだ。
下手な法学部の学生以上に屁理屈を言い張るのである。
こうして、ポーツマス軍港沖でのドイツ海軍と英海軍との臨検をする・しないの論争が起こったのだ。
英海軍は日本政府みたいな、遺憾砲で済ますほど、お人よしではない。
まして、転んでもタダでは起きないドイツ軍が相手である。
しかし、しかしである。
英海軍もドイツ海軍も、紛争が戦争に発展することは望んではいないのである。
だから、差しさわりのないことの、言い合いになるのだ。
状況証拠は、ドイツ海軍のポーツマス軍港強行偵察なのだが・・・いかんせん、確たる証拠がないのだ。
追跡を続行してれば・・・しかし、警備艇は水中機雷の調達で追跡を逃してるからだ。
そのあとに、軍港沖で浮上してる潜水艇を発見したのである。
連続性が無いから、ドイツ海軍に言い訳を与えてしまったのである。
だが、このままお帰り願っては・・・英海軍の恥である。
そう、メンツ丸つぶれなのだ。
ドイツ海軍が、後々に腹を抱えて大笑いするのが・・・目に見えるからだ。
だが、時間が経過すれば、するほど・・・落としどころがなくなっていくのだ。
紛争が起こっても・・・それは、避けたいのだが・・・
無線でイザコザを知ったアランとマツモト艦長は警備部の予備艇で、やっと現場へ駆けつけた。
遅れたのは、アランが女王陛下の回答を聞いていたからである。
こいつ何者だ・・・と、マツモト君は思ったが・・・事がおわってからだな・・・
そして、アランが英海軍としてのドイツ海軍への回答をハインリッヒ艇長へ伝えたのである。
それは、再度の軍港内への潜航しての侵入は撃沈処理が適法とするとの、伝達だったのだ。
ハーグ陸戦条約は潜水艇の潜航しての侵入には対処してなかったからだ。
当時は、まだ潜水艇は実用化には、まだなってなかったからである。
その取り決めは、おって大使館を通じて締結することとなったのである。
つまり、ドイツ軍潜水艇は偵察したが、発見されるという汚名を・・・きせることができたのだ。
潜水艇での偵察が敵に発見されたら・・・潜水艇の意味が無いのだ。
英海軍はドイツ軍潜水艇を開放することで、太っ腹を国際社会へ見せつけたのだ。
まあ、痛み分けという答案を女王陛下は下したのである。
なかなか、賢明な判断だったと、マツモト艦長は感心したのである。
「アラン。」「なんだ?」「君は、女王様の何なのさ・・・」と、アランへ詰め寄るマツモト艦長だ。
「あ、あ、まあ身内みたいなモノさ。」と、軽くいうアランだ。
「まさか、君は王位継承者なのか。」と、アランへ質問だ。
「あ、あ、でも位は14位なので、大したことないぞ。」と、平然というアラン君である。
つまり、上に14人が居るということらしい。
なら、それほど態度を替えなくてもいいかな・・・「いままでと、変わらない風に頼みたい。」と、アランがいう。
14位なら、そんなものかな・・・ある意味、安心したマツモト艦長であった。
しかし、アランが王室関係者であったとは・・・まあ、英国王室の皇太子は軍の経験が必要なのだからだが・・・
英国女王のお情けで紛争を回避して、キール軍港へ帰還できた、ドイツ海軍潜水艇3号だが・・・
紆余曲折はあっても、軍港偵察から帰還できたことはまちがいないのである。
キール軍港のゴタゴタといい、踏んだり蹴ったりのドイツ海軍にとり、悪い話では無いのだ。
「ハインリッヒ艇長、君にゲルマン3等勲章を・・・」「身に余りある光栄であります。」「うむ、引き続き海軍を頼んだぞ。」「ハ、ハァ~ッ。」と、答礼する艇長だ。
ちなみに・・・ドイツ軍潜航艇3号が撮影した写真は?
そうだったのだ。 あの、軍港内を撮影したヤツは・・・
ドイツ軍情報部が、喜んで現像したのだが・・・
「なんだ、これは・・・」「どこを、どう撮影したのだ。」と・・・
ハインリッヒ艇長がシャッターを押したと同時に、潜望鏡の前を警備艇が通りすぎて・・・
潜望鏡のレンズは口径が小さいのだ。
つまり、シャッター速度が速く切れないのである。(レンズが暗いヤツなのだ。)
それで、英海軍潜水艦を狙ったんだが・・・警備艇(ランチという小型艇だ。)の胴体が・・・
つまり、偵察は帰還できたんだが・・・写真は失敗した艇長だったのであった・・・
教訓・数枚撮影するべきだった・・・
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