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マジで、戻れないようだ。
英国へ、骨を埋める覚悟なんだろう・・・
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4頭たての女王様の馬車が通る。
その先には、道を開けるように伝令が走る。
まあ、事故防止である。
女王様の馬車が市民を刎ねることは、絶対に防がねばならんからである。
日本の皇室の御料車が事故ができないと同じである。
万がイチにも間違いがあれば、知事の首チョン、警察本部長の首くらいではすまない。
それは、英国王室も同様である。
だから、好きな男と結婚なぞ、無理である。
それが、王族というものなのだ。
自由なぞ、無いのである。
やがて、宮殿へ・・・
「どうしよう。」と、不安が満載の松本中尉だ。
マーガレット王女の謁見で終わるかと・・・が、ビクトリア大女王様への、恐れ多いことか・・・謁見となってしまったのだ。
アランが、なだめるようにいう。
「まあ、急だから公式ではないだろうから。オレのマネしてればいいさ。」と、ノンキなモノだ。
戦場や戦闘では、緊張なぞ滅多にないんだが・・・どうも、松本君はお上には弱いようである。
まあ、単純に慣れてないだけかもだが・・・
侍従からカンタンに作法を教わる・・・
でかい両開きのドビラが開いた。
その瞬間、教わったことが消えてしまった松本君である。
海軍大臣が、「アラン、マツモト、両人前へ。」と、声がかかる。
アランが松本君の袖をひっぱる。
「女王陛下、両人が参りました。」 と、海軍大臣だ。
「そうかえ、これ頭をあげよ。」
まだ、あげるなよ・・・と、アランがささやく。
「遠慮するでないぞよ。」
「ハ、ハァ~ッ。」と、アランが・・・つついた。
松本君も顔をあげた。
おお、これが、大英帝国の女王様なのか・・・まあ、婆さんだが・・・
「このほどの働き大儀であった。」
「ハ、ハァッ~。」と、おうぎょうなおしぎのアラン中尉だ・・・もちろん、真似する松本中尉である。
「マーガレットのこと、頼むぞエ。」「ハ、ハァッ。」と、両人が頭を下げる。 (45度だ。)
「では、よしなに。」
「ご退出~。」と、お声がかかる。
「おい。」「おい。」「もう、おわったよ。」「えっ。」「ここは、どこだ、オレは誰だ。」
「何、言ってるんだ。」「気を確かに持て、謁見は終わったんだぞ。」
「あ、あ、そうか。」と、まだボーーーーーッとしている、お上には弱い中尉殿でありました。
「さて、君はどうする。」と、アランが聞いてきた。
「そうだな、日本へ潜水艦で帰還しないとな。」と、帰る算段を・・・
「何、言ってるんだ。」「君は、もう英国海軍の中尉だぞ。」「・・・・・」「なんで?」
そして、アラン君から、いままでの行事がマジだったことを聞かされたのだった。
「ところで、君は独身だよな。」「あ、あ。」「なら、よかった。」
「嫁さんを呼ばなくてもいいからな。」
「なんなら、紹介したやるぞ。」と、プレイボーイを自負するアラン中尉である。
なんせ、英海軍の腐っても士官だ。
オナゴには、もてるそうだ。
まあ、収入が安定してるし、家を空けることが多いからだ。(亭主元気で、留守がイイのだ。)
それに、一番強い軍隊だから、戦死なぞ・・・まず、無いのである。
そこへ、伝令が・・・
「おい、呼び出したぞ。」「え、オレもか。」「あたりまえだ。」
「たぶん、君の配属の件かもな。」と、アランの予想だ。
呼びだしに応じて・・・海軍省の人事部へ・・・そこの庶務課だ。
もちろん、松本君がである。
「君が、松本君か。」「そうです。」
「では、そこへ立たまえ。」「・・・」「写真だ、身分証をつくるからだ。」
そして、各部署をたらい廻しの・・・なにが、なんだか・・・
そして、顔と体格は日本人の英海軍士官が・・・できあがったのだ。
そして、やっと庶務課から解放されて、海軍省の大臣室へ・・・
さきほどの海軍大臣が・・・
「君の部署は、潜水艦隊だ、階級は中尉だ。」「マーガレット3号艦の指揮を任かせる予定だ。」
「わかったな。」「ハイ。」と、答礼する松本キャプテンだ。
アラン艦長が2番艦だから、オレが3番艦か・・・
「しかし、君はえらく王女に気に入られたんだな。」と、大臣がこぼした。
「たぶん、潜航艇ちくま号で救出したからですか・・」と、返答する。
「あ、あ、なるほど、君があの作戦の艇長だったのだな。」と、納得した大臣だった。
「王女様がナイトを任命するなぞ、久しぶりのことだから・・・」「まあ、がんばってくれ。」と・・・・
まあ、新たな貴族(位は低いが)を任命するのだ。 めったにあることではない。
なんや、かんやでポーツマス軍港の潜水艦桟橋へ・・・
「おや、元艦長ではないですか。」と、先任士官が声をかける。
「あ、あ、どうなってるのか、オレにも。」「そうでしょうね。」
「呉の軍令部からは・・・まあ、終わったことですから・・・」
「いや、オレは、なんも聞いてないぞ。」「そうなんですか。」
「オレは英国へ骨を埋めると、宣誓したと聞きましたが。」
「えっ・・・・」 もう、あとの祭りのようだ。
マーガレット王女に、やられたかも・・・である。
6歳の幼女の策略で、日本海軍を首になった松本元日本海軍の中尉殿が・・・
「まあ、同盟国だからな。」と、英国のポーツマス軍港の風も悪くないと、思うことにした松本英海軍士官殿であった。
その先には、道を開けるように伝令が走る。
まあ、事故防止である。
女王様の馬車が市民を刎ねることは、絶対に防がねばならんからである。
日本の皇室の御料車が事故ができないと同じである。
万がイチにも間違いがあれば、知事の首チョン、警察本部長の首くらいではすまない。
それは、英国王室も同様である。
だから、好きな男と結婚なぞ、無理である。
それが、王族というものなのだ。
自由なぞ、無いのである。
やがて、宮殿へ・・・
「どうしよう。」と、不安が満載の松本中尉だ。
マーガレット王女の謁見で終わるかと・・・が、ビクトリア大女王様への、恐れ多いことか・・・謁見となってしまったのだ。
アランが、なだめるようにいう。
「まあ、急だから公式ではないだろうから。オレのマネしてればいいさ。」と、ノンキなモノだ。
戦場や戦闘では、緊張なぞ滅多にないんだが・・・どうも、松本君はお上には弱いようである。
まあ、単純に慣れてないだけかもだが・・・
侍従からカンタンに作法を教わる・・・
でかい両開きのドビラが開いた。
その瞬間、教わったことが消えてしまった松本君である。
海軍大臣が、「アラン、マツモト、両人前へ。」と、声がかかる。
アランが松本君の袖をひっぱる。
「女王陛下、両人が参りました。」 と、海軍大臣だ。
「そうかえ、これ頭をあげよ。」
まだ、あげるなよ・・・と、アランがささやく。
「遠慮するでないぞよ。」
「ハ、ハァ~ッ。」と、アランが・・・つついた。
松本君も顔をあげた。
おお、これが、大英帝国の女王様なのか・・・まあ、婆さんだが・・・
「このほどの働き大儀であった。」
「ハ、ハァッ~。」と、おうぎょうなおしぎのアラン中尉だ・・・もちろん、真似する松本中尉である。
「マーガレットのこと、頼むぞエ。」「ハ、ハァッ。」と、両人が頭を下げる。 (45度だ。)
「では、よしなに。」
「ご退出~。」と、お声がかかる。
「おい。」「おい。」「もう、おわったよ。」「えっ。」「ここは、どこだ、オレは誰だ。」
「何、言ってるんだ。」「気を確かに持て、謁見は終わったんだぞ。」
「あ、あ、そうか。」と、まだボーーーーーッとしている、お上には弱い中尉殿でありました。
「さて、君はどうする。」と、アランが聞いてきた。
「そうだな、日本へ潜水艦で帰還しないとな。」と、帰る算段を・・・
「何、言ってるんだ。」「君は、もう英国海軍の中尉だぞ。」「・・・・・」「なんで?」
そして、アラン君から、いままでの行事がマジだったことを聞かされたのだった。
「ところで、君は独身だよな。」「あ、あ。」「なら、よかった。」
「嫁さんを呼ばなくてもいいからな。」
「なんなら、紹介したやるぞ。」と、プレイボーイを自負するアラン中尉である。
なんせ、英海軍の腐っても士官だ。
オナゴには、もてるそうだ。
まあ、収入が安定してるし、家を空けることが多いからだ。(亭主元気で、留守がイイのだ。)
それに、一番強い軍隊だから、戦死なぞ・・・まず、無いのである。
そこへ、伝令が・・・
「おい、呼び出したぞ。」「え、オレもか。」「あたりまえだ。」
「たぶん、君の配属の件かもな。」と、アランの予想だ。
呼びだしに応じて・・・海軍省の人事部へ・・・そこの庶務課だ。
もちろん、松本君がである。
「君が、松本君か。」「そうです。」
「では、そこへ立たまえ。」「・・・」「写真だ、身分証をつくるからだ。」
そして、各部署をたらい廻しの・・・なにが、なんだか・・・
そして、顔と体格は日本人の英海軍士官が・・・できあがったのだ。
そして、やっと庶務課から解放されて、海軍省の大臣室へ・・・
さきほどの海軍大臣が・・・
「君の部署は、潜水艦隊だ、階級は中尉だ。」「マーガレット3号艦の指揮を任かせる予定だ。」
「わかったな。」「ハイ。」と、答礼する松本キャプテンだ。
アラン艦長が2番艦だから、オレが3番艦か・・・
「しかし、君はえらく王女に気に入られたんだな。」と、大臣がこぼした。
「たぶん、潜航艇ちくま号で救出したからですか・・」と、返答する。
「あ、あ、なるほど、君があの作戦の艇長だったのだな。」と、納得した大臣だった。
「王女様がナイトを任命するなぞ、久しぶりのことだから・・・」「まあ、がんばってくれ。」と・・・・
まあ、新たな貴族(位は低いが)を任命するのだ。 めったにあることではない。
なんや、かんやでポーツマス軍港の潜水艦桟橋へ・・・
「おや、元艦長ではないですか。」と、先任士官が声をかける。
「あ、あ、どうなってるのか、オレにも。」「そうでしょうね。」
「呉の軍令部からは・・・まあ、終わったことですから・・・」
「いや、オレは、なんも聞いてないぞ。」「そうなんですか。」
「オレは英国へ骨を埋めると、宣誓したと聞きましたが。」
「えっ・・・・」 もう、あとの祭りのようだ。
マーガレット王女に、やられたかも・・・である。
6歳の幼女の策略で、日本海軍を首になった松本元日本海軍の中尉殿が・・・
「まあ、同盟国だからな。」と、英国のポーツマス軍港の風も悪くないと、思うことにした松本英海軍士官殿であった。
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