伊号式潜水艦。

ゆみすけ

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ドイツの潜水艦。

ドイツ軍の潜航艇とは・・・

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 日本海軍へ英海軍からの情報だ。
ドイツが潜航艇の開発に成功したらしい・・・との、情報である。
 海軍作戦軍令部としては、時間の問題とは思っていたが・・・以外に早かったようだ。
潜水艦艦長の松本中尉へ当然、呼びだしが・・・
 「入ります。」「うむ。」
敬礼して、「ちくま2号艦長松本中尉、参りました。」
 「うむ、まあ、休んでくれ。」と、部屋の椅子を示す参謀殿だ。
「失礼します。」と、末席に座る中尉だ。
 「そこじゃ、遠いぞ。」「では、失礼して。」と、すこし寄る艦長だ。
「これを、見てくれ。」と、英海軍からの電報を見せる。(もちろん、訳してある。)
 「えっ、もうですか。」「うむ、そうらしい。」
「そこでだ。」「ハァ・」
たぶん、ロクな指令じゃないな・・・まさか、ドイツ海軍の様子見じゃないだろう・・・
 「君に、英国へ潜水艦で洋行してもらいたいのだ。」と、無理な指示が・・・
日本から英国まで、地球をほぼ1周である。
 そこまでの、足は潜水艦ちくま2号には無い。
「もちろん、燃料の心配はあるだろう。」(潜水艦は軍事機密兵器だ、他国の港には入らない。)
 「しかし、予備タンクを甲板に装備すれば地球1周も無理ではない。」と、ぶちかます参謀である。
「でも、1隻しかない潜水艦ですが。」
 「あ、あ、心配ないぞ、潜航艇が乗員の訓練が終わって、運用開始したからな。」と、参謀がいう。
「日本の守りは、潜航艇ちくま1号と潜水母艦に任せてくれていいそうだ。」と、大風呂敷の参謀である。
 「もちろん、スエズ運河を通過する航路だ。」
スエズ運河は英国の管理だ。(エジプトは英国の支配下なのだ。)
 「浮上しての通過になるが、英海軍の付随がある。」
運河は水深が浅いのだ。
 
 「表向きは、英国王室の招待だが、裏はドイツの潜航艇を探ることだ。」
「その結果によっては、英国へ日本の潜水艦を与えねばならんからな。」と、参謀が・・・
 「まあ、この前の返礼だと思ってくれていいそうだ。」と、参謀がいう。
「以前の救出時には返礼もできなかったと英国側からなのだ。」
 確かに、軍港へ入る前に幼女の姫は潜航艇から英海軍軍艦へであったが
「まあ、本音は潜水艦の実力を計りたいんだろうな。」
 日本から問題なく英国まで潜水艦単独で航行できれば・・・戦略兵器として潜水艦の可能性は爆上がりだろう。
なんせ、敵に悟られずに敵の軍港へも潜んでいられるからだ。
 「それに、英国では魚雷の研究が進んでるとか、君に見てきてもらいたいんだ。」と、参謀が希望を述べる。
「それで、予備タンクは?」と、艦長だ。
 「なんでも半日でOKらしいぞ。」「地球1周を見越して建造したと、技師は息巻いていたが。」と、参謀が締めくくった。

 予定としては、片道1月、つまり30日で英国入りの予定だ。
新たに航海士を増員した。
 外洋に詳しい、天測の達人とか・・・
六分儀で星を観測して位置を特定するのだ。
 現、自衛隊でも訓練があるのだそうだ。
GPS衛星がシナのキラー衛星でヤラれたらのためだ。
 米海軍はGPSに頼りすぎらしい。
海図が読めない士官が・・・我が、海上自衛隊は海図で航海が全員ができるそうだ。
 中2日置いて、潜水艦ちくま2号の航続距離を伸ばす予備タンクが後部甲板に増設された。
まるで、戦略原潜のミサイル格納庫のようだ。
 水の抵抗を考えての形だそうだ。
24時間の水中聴音器の交代要員も増員して、英国王室のご招待に答えるべく、呉を出港する潜水艦ちくま2号である。
 外洋へでれば、潜水訓練を適宜行うこととなっていた。
なるべく、潜水艦のことが諸外国へバレないように、船が見えたら発見される前に潜航して、やりすごすこととしたのである。
 そして、新鮮な食料が不足するので、不足な栄養素はビタミン剤で補うしかなかったのである。
もちろん、軍医が乗艦しているが・・・栄養士も・・・今後の課題は多いようだ。(ビタミン剤はラノベなので。)
 机上では、とても予想できないことが、実践では起こるのである。
試験的に厨房に備えられた冷凍庫が、十分役だったのである。
 冷凍に適した野菜や果物が隊員らの食生活に大いに役立ったのだ。
長期の潜水艦運用は寄港ができない欠点がある。
 それが、食品の冷凍という保存方法を発展させたのだ。
潜水艦の厨房は火炎が使えないからである。
 まだ、電子レンジは発明されていない。
極超短波の電波探信儀の電子発振子からの応用だからである。
 それで、ニクロム電熱器か電気圧力釜が調理機器となるのである。
いつ、緊急潜航が指令されるか、わからないからでもあるのだ。
 
 フィリピン沖を通過して・・・インド洋を経由、スエズ運河は英海軍に誘導してもらい・・・地中海へ・・・
地中海は仮想敵国であるドイツ船籍が多いので、緊急潜航訓練が・・・多々、必要になったのだ。
 日本を出るときは、30秒ほどかかっていたが・・・地中海を航海するころには、20秒まで短縮されたのである。
 艦橋で見張り員が船影を発見だ。
即、警報を鳴らす。
 見張り員がハッチを閉める。
それを確認した艦長が、「ベント開け、潜行開始。」「ジーゼル停止、蓄電池へ切り替え。」「モーター始動、下げ舵30。」「深度20、最大戦速。」と、艦長が。
 潜水艦は潜航する。 やがて、「深度20,いま。」と、深度計を読む隊員だ。
そして、ストップウオッチを・・・「20秒。」と、艦長が読んだ。
 艦長が、しばらくして、「潜望鏡、深度。」と、指示する。
操舵員が上げ舵を・・・「深度10。」と、潜望鏡深度を読み上げる。
 潜望鏡のハンドルを水平に倒す。
艦長が、360度の海上を視認する。
 どうやら、船に感づかれないようなら・・・「深度30まで、巡行5。」と、5ノット巡行を指示して・・・
船が視界から遠ざかれば・・・浮上となるのだ。

 
 
 

 
 
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