ラジオコントロール飛行機物語。

ゆみすけ

文字の大きさ
上 下
56 / 60
飛行機ではないが、飛行機だ。

まったく、別の飛行原理だ。

しおりを挟む
 飛行機は翼に空気の流れを造り、その翼の上と下で空気の流れの速度を変えて・・・気圧を変化させて揚力を得る。
 それが、飛行機の原理であり、その揚力を得るためにプロペラで風を造るのだ。
つまり、停止はできないのである。
 空中で停止するには、飛行船(ツェッペルン)でないと無理だったのだ。
ところが、揚力で飛行しない物体があるのだ。
 ヘリコプターでは無い。
ヘリコプターは、ローターという長細い翼を廻して揚力を得ている。
 つまり、ヘリコプターも飛行機の仲間だ。
では、揚力を使わないモノは・・・そう、ドロ~ンという亜種なのだ。
 プロペラが4ヶ所にあり。
その、プロペラは下へ風を強烈に送るだけなのだ。
 ヘリコプターのようなローターの角度を変化させる複雑な機構は無い。
単にプロペラが廻るだけだ。
 そして、プロペラの回転速度の変化で移動する方向を変えるのである。
欠点は、高度が低空に限られることだ。
 あまり、高高度は無理なのだ。
しかし、プロペラは廻るだけで、複雑な機構はいらない。
 4ヶ所のプロペラの強弱を微妙に変化させることができればいいのである。
飛行機やヘリコプターより操縦はカンタンで素人でも、少し練習すればできるのだ。
 なぜ、いままでなかったのか・・・
それは、リボバッテリーと電動モーターの進歩があったからである。

 そして、無線操縦飛行機にも進化が現れていたのだ。
それは、電動制御モーターの操作をリレーで切り替えるのだが・・・
 その切り替えに速度制御を取り入れたのだ。
つまり、操縦桿をヒトが操る感覚と同じような操舵ができるようになったのだ。
 いままでは、スイッチで切り替えるだけで、いきなり舵が左右にきれたり、エンジンコントロールが急すぎて・・・エンズトする危険が多かったのだ。
 それで、ヒトが操作する感覚に近い操作ができるような電気モーターと歯車と緩衝装置を取り付けることを考案したのである。
 欠点は、いままではゴム動力で軽かったんだが・・・モーターと装置と電池で、それなりの重さとなったいたのだ。
 それでも、ヒトの操縦に近い操作となり操縦しやすくなったのだ。
「それで、その装置は、どう名前をつけたのだ。」と、犬塚君が聞く。
 「そうだな、奴隷モーターでは、聞こえが悪いよな。」
「うむ、日本は米国ではないからな。」「奴隷制度は神武建国以来、無いのだぞ。」と、犬塚君だ。
 それは、事実だ。 私的に奴隷に似た境遇はあったかもだが・・・公的には認めたことは無い日本だ。
「そうだ、奴隷のことを英語でスレイブというらしい。
 「言う通り動かすから、スレイブモーターでは、どうだ。」
「そうだな、でも外人が聞いたら、心証が悪いぞ。」と、犬塚君だ。
 「なら、制御を英語でサーボというから、サーボー装置はどうだ。」と、サイトウ技師だ。
「ふむ、サーボ装置なら心証は悪くないな。」
 こうして、奴隷モーターはサーボーモーターと、言い換えがなされたのだ。

 「では、早速にテスト飛行だな。」と、サイトウ技師だ。
サイトウ技師は飛行機屋である。
 幼少のころからの飛行機屋だ。
それで、飛ばしたがるのだ・・・
 そこへ、犬塚君だ。
「風洞実験は、やったのか。」と、聞いてきたのだ。
 最近になり、模型飛行機開発会社にも、巨大な風洞が完成したのである。
そこでは、飛行機を細いワイヤーで吊り下げて・・・
 最高速度が音速の2倍までの風速がだせるのだ。
風洞の直径は12メートルもあるのだ。
 そう、ゼロ戦がギリ入るのだ。
ヒトが乗る戦闘機の主翼が12メートルほどだからだ。
 つまり、操作する舵の具合を確かめるのだ。
風洞だから、エンジンはあるが、プロペラはつけないのだ。
 重量バランスが狂わないように錘をつけてある。
「よし、では速度200キロから始まるぞ。」
 「グワーン。」と、巨大なプロペラが廻りだした音が聞こえる。
巨大なプロペラで造りだした風速は風洞内を循環して・・・さらに風速をあげるのだ。
 さおして、30分くらいで音速の2倍ほどに達するのである。
「まあ、今回は音速は無しだな。」「速度は200から600で、試そう。」
 無線電波は良好に送信できてるようだ。
機体の舵が送信機のレバーと同じように傾くからだ。
 「なるほど、このサーボ装置は抜群だぞ。」と、感心する犬塚君だ。
「おい、そろそろ200キロの風速だぞ。」
 「よし、まずは離陸だ。」
風洞実験室の機体が離陸していく。
 「よし、この分なら、うまくいきそうだな。」と、サイトウ技師が舵のレバーを・・・
 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

大東亜戦争を回避する方法

ゆみすけ
歴史・時代
 大東亜戦争よ有利にの2期創作のつもりです。 時代は昭和20年ころです。 開戦を回避してからのラノベです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

大東亜戦争を有利に

ゆみすけ
歴史・時代
 日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を

大江戸美人揃

沢藤南湘
歴史・時代
江戸三大美人の半生です。

【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部

山本 双六
歴史・時代
たくさんの人が亡くなった太平洋戦争。では、もし日本が勝てば原爆が落とされず、何万人の人が助かったかもしれないそう思い執筆しました。(一部史実と異なることがあるためご了承ください)初投稿ということで俊也さんの『re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ』を参考にさせて頂きました。 これからどうかよろしくお願い致します! ちなみに、作品の表紙は、AIで生成しております。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

天明奇聞 ~たとえば意知が死ななかったら~

ご隠居
歴史・時代
タイトル通りです。意知が暗殺されなかったら(助かったら)という架空小説です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...