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陸軍空母、あきつ丸。

これが、陸軍の空母だ!

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 陸軍には空母がある。 1隻しかないが・・・(現在、2隻目を隠れて建造中だ。)
長さが260メートル、幅が56メートル、排水量が3万トンの巨大空母だ。
 どうして、こんな空母があるのか・・・
それには理由があるのだ。
 原因は96艦戦から始まったのである。((96艦戦は海軍の空母用戦闘機。)
江戸時代までは、軍隊と言えば、陸軍だった。
 海軍は、まあ海賊の成れの果てみたいなモノだったのだ。
江戸時代だ鉄製の軍艦がなかった・・・軍船はあるのだが(千石船の改造版)・・・所詮は木製の乗り物だ。
 和船では、せいぜい長さが30メートルが限界なのである。
竜骨で船体を造らないからだ。
 日本近海を輸送するだけなら小型のフネで十分だからである。
ところが、浦賀へ米軍のペリーの砲艦外交で、潮目が変ったのだ。
 日本は不平等な条約を知識不足から諸外国と締結する結果になったのだ。
外国人は外国の法律でという、治外法権が認められていた。
 白人のヤルことは、いつの時代もエグイのである。
日本人を黄色い猿としか見ていないからだ。
 諸外国に負けないためには、砲艦外交に強くならねばならない。
そう、日本も軍艦を建造できるようにならねばならない。
 富国強兵というヤツだ。
現在は軍事費は少ないが・・・大日本帝国当時は、かなりの国費をつぎ込んだのだ。
 軍艦建造にである。(大和、武蔵は最たるモノだ。)
つまり、海軍が予算ではるかに陸軍より・・・
 それで、諸外国以上に日本は海軍と陸軍は犬猿の仲なのだ。

 陸軍は満州国への援軍を輸送するに・・・困ったことがあったのだ。
「海軍の野郎へ頭を下げたくないのだ。」と、陸軍大臣がいう。
 海軍大臣と陸軍大臣は当然、仲が悪いのだ。
部下が仲が悪ければ、自然と上層部も仲が悪くなるものなのである。
 そして、日本人には島国根性という、どうしようもない本性が隠れているのだ。
「なんとか、満州までの輸送を頼めないものか。」と、民間の輸送船を頼むのだが・・・
 満州国の大連港までの輸送に護衛の船が無いのだ。
海軍には軍艦がある、しかし海軍に頼むには・・・そんなことするくらいなら・・・死んだ方がマシな陸軍なのだ。
 日本海海戦の時の陸軍は苦杯をなめたことがある。
輸送船に護衛の軍艦が追随していなかったので・・・ロシアの軍艦にヤラれてしまったのである。
 陸軍の歩兵の三八式歩兵銃では・・・軍艦には対抗できるわけが無いのだ。
「どうしても、陸軍だけで運用できる軍船が・・・」
 これが、陸軍の悲願となったのである。
それで、陸軍では徴用船が数隻・・・これで、兵隊の輸送はOKなのだが・・・
 飛行機や戦車が輸送できない。
分解して運べば・・・現地で組み立てなぞ、暇なんて無いのだ。
 「空母があれば、戦闘機は運べるし、戦車も甲板に何十両も置くことができるぞ。」と、希望の光が見えてきたのだ。
 そう、陸軍にも空母が必要なのである。
「予算を、どう政府から獲るんだ。」と、大臣が憂う・・・
 「ここは、作戦をたてねばなりません。」
「満州国を利用するのです。」
 「ロシアは滅んだが・・・代わりにソ連という、やっかいな敵ができましたからね。」
「共産主義者は天皇陛下を抹殺すると広言してはばからないのですぞ。」と、大臣が国会でぶちかます。
 「日本は神武天皇が建国した国だ。」
「共産主義者同盟(コミンテルン)から日本を守らねばならない。」
 「そのためには、陸軍に予算を!」
「そうだ、満州国がヤラれたら、次は日本本土だぞ。」
 「独裁国家の共産党に日本は、どうするんだ。」
こうして、陸軍の空母予算が国会で承認されたのである。
 なぜなら、陸軍の戦闘機と海軍の戦闘機とは・・・使ってる部品から修理するネジまで規格が違うからである。
陸軍式と海軍式では、操縦士の呼び方から違うのだ。
 搭乗員は海軍式だ。
陸軍で搭乗員というと、最低でもビンタである。
 海軍で空中勤務員と呼び方を間違えると・・・精神入魂棒でお尻を殴られるのだ。
猿の尻のように真っ赤になるまでだ・・・・
 陸軍と海軍で同じなのは・・・双方とも日本語で会話していることくらいである。
 
 こうして、やっと予算がついて建造が認められた陸軍空母だ。
しかし、空母の建造を海軍へ協力を求めることは、死んでもできない陸軍だ。
 それで、日本陸軍は・・・どうしたのか・・・
(ここから、ウソ八百のラノベだ。)
 空母の建造技術は軍事機密である。
どこの国も教えてはくれないのだ。
 まして、日本海軍もである。
なら、どうするのか・・・
 潜水艦を陸軍が造ったことがある。
そのときの、ボイラーが潜水艦の胴体に似てるから・・・ボイラーを造っている会社へ外注にだしたのだ。
 それで、ボイラーの製造会社は潜水艦を造ってしまったのである。
ボイラーは圧力がかかる構造である。 そして、潜水艦の船体を水圧がかかる・・・つまり、原理は同じなのである。
 それと、同じだ。
外観が似ているモノができれば、なんとかなるのではないか・・・という考えが陸軍にはあるのだ。
 「まずは、空母というものが、どういうものか理解しなければならない。」
「それには、まず模型でやってみることだ。」
 ここで、空母の模型を造ってみることになる・・・
海軍に似てるのはダメである。
 それで、外国の空母の写真を・・・
それで、英国と米国の空母の写真を軍事雑誌から・・・
 「どこへ、空母模型を造らせるのだ。」
「模型なら、模型飛行機開発会社だぞ。」
 「あ、あ、飛行爆弾の会社だな。」
「あそこは、携帯無線機も・・・」
 「あそこなら、なんとかなりそうだな。」
こうして、陸軍の空母建造の話が・・・サイトウ技師と犬塚技師へ・・・
 まさかの空母だ。
しかし、空母はサイトウ技師の夢だったのだ。
 そこへ・・・帝大出の秀才で、電子技術に長けた犬塚技師が加われば・・・鬼に金棒なのである。
できないことは無い、という名言が・・・

 
 
 

 
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