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飛行機の無線操縦の成功。
尾翼の舵とエンジンコントロールの2か所での操縦だ。
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「無線送信機ができたそうじゃないか。」と、サイトウ君だ。
「あ、あ、送信機は無線通信機の送信機だけだから、カンタンだよ。」と、犬塚君がいう。
「それで、肝心の受信機は?」「それが、電池が重いから・・・なかなか完成しないんだ。」
と、試作品を見せる。
「なんだ、出来てるじゃないか。」
「それで、周波数は?」「3.5メガサイクルだよ。」
「中波から高周波の間だな。」「まあ、送信機が無線通信機だからね。」
「それだと、アンテナ線が長いぞ。」
「それは、機体から流せばいいんだよ。」
「で、3メートルは必要だぞ。」
「まあ、細い電線だからね。」
「オレの方は、いいんだが。」「そちらの機体は完成したのかよ。」と、犬塚君が聞く。
「うむ、エンジンが出来てないのだ。」
「いままでは、廻ればよかったんだが・・・回転数を変えるキャブレターがイマイチなんだよ。」
「どれだよ。」「あ、あ、これだ。」
サイトウ君が霧吹きの原理のキャブレターを見せる。
「出来てるじゃん。」「それが、うまく行かないんだ。」
「アイドル運転から回転数を上げると、かぶってエンズトするんだ。」
「空気の通り道の加工が難しくて・・・工作機械を専用に造らないと。」と、グダグダのようである。
「燃料は混合ガソリンだろ。」「そうだよ。」
「ガソリンにヒマシ油を1割ほど入れたヤツだ。」
「ニードル調整の先が、なかなかうまく固定できないんだ。」
ニードルとは、針のことだ。
キャブレターの霧吹き装置を調整する針である。
空気量と燃料を混ぜる混合気を調整する針先である。
「まあ、1個1個のエンジンで試運転して調整しなければならないな。」
「無線操縦は手間がかかるよ。」と、サイトウ君だ。
「それで、舵はゴム動力で動かすのだろう。」「そうなるな。」
「飛行爆弾と同じ装置だろ。」「そうなるな。」
「じゃあ、カンタンじゃないのか。」
「それが、うまくいかないんだよ。」
「そうやら、雑音電波で混信するのだ。」
「どこから、出てるんだ。」と、犬塚君がいう。
「うむ、たぶん火花だと思うんだが・・・」
「というと、点火プラグか。」と、犬塚君が聞く。
「あ、あ、焼き玉エンジンのニクロム線だと思うんだが・・・」
「シリンダーで燃焼するときだと思うんだが・・・」
「アースをとればいいぞ。」と、犬塚君がいう。
「飛んでる飛行機のアースをかよ・・・」「そうだ。」
「どこで、取るんだよ。」
「そうだな、受信機を電波防護網でカバーするとか・・・」
「重くなるよ。」と、サイトウ君だ。
「それに、エンジンコントロールと舵の左右コントロールでゴム動力の操作装置を2基のせねばならない。」
「ゴム動力のゴムは胴体へ組み込めるとして、リレーで動作させるのだ。」
「そのリレーに乾電池が必要なんだよ。」
「あ、あリレーの電磁石の電池か。」「そうだ。」
リレーは切り替えスイツチみたいなモノだ。
電磁石でスイッチを切り替えることができるのだ。
その接点も火花が飛ぶから・・・妨害電波の発生源なのだが・・・
はじめての無線操縦飛行機は問題が山積なのである。
「ところで、機体の設計は、できたのか。」と、犬塚君が聞く。
「あ、あ、主翼はクラークY型だ。」「平凡だな。」
「普通に飛べる主翼でないと・・・」と、言い訳するサイトウ君だ。
飛行機は主翼で浮力を得るのだ。
翼の上と下を通過する空気圧に差がでるように・・・主翼が上方向へ膨らんでるのだ。
それで、翼の上と下では空気の流れに差ができるのだ。
そして、上が下より遅くなるのだ。
それで、気圧が翼の上が低くなる・・・それで、その圧力を均等にする働きで、浮力が発生するのである。
(これは、ラノベだ、ウソも多いからね・・・)
「そうだ、思い出したぞ。」と、犬塚君が叫んだ。
「コンデンサーを妨害電波が出るモーターへ並列に接続すれば、いいんだ。」
「雑音電波を中和できるんだ。」と、さすが電気工学専門の犬塚君である。
「どのくらいのコンデンサーなんだ。」「そうだな、0、1から0.2マイクロファラドでいいんじゃないかな。」
「さすが、電子工学の大卒だな。」「いや、それほどでも・・・」
形ばかりの謙遜の犬塚君だ。
こうして、翼幅2メートル全長が1,5メートルの無線操縦試験機が完成したのだ。
エンジンは20ccの焼玉エンジンだ。
馬力は3から4馬力といったところかな・・・
「いいか、送信機のボタンを1回トンと押すと左旋回だ。」「あ、あ。」
「トン、トンで右旋回だ。」「ボタンを離すと舵は真ん中へ戻るからね。」
「そして、トン、トン、トンの3回でエンジンコントロールが動くからな。」
エンジンコントロールは3段階だからな。」と、犬塚君がくどいほどいう。
「あ、あ、わかった。」と、仕方なく返事を返すサイトウ君だ。
「よし、エンジンを廻すぞ。」と、エンジンスターターを持つ。
手で廻してもいいんだが・・・何度もクランクしなくてはならないし・・・なかなかエンジンが手動では、掛からないのだ。
汗水流して、半日クランクしてもエンジンが始動しないなんて、いつものことなのだ。
模型エンジンは、始動するのが大変なのである。
そこで、エンジン始動用のスターターだ。
これさえあれば、1発でエンジン始動なのである。
「キュン、キュン。」「ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ。」と、1発でエンジンが掛かる。
そして、点火プラグの電線を外して・・・
「無線機で操作できるかテストしてよ。」と、犬塚君が叫ぶが・・・聞こえないのだ。
なぜなら、エンジンの騒音が酷いからだ。
仕方なく、耳元で叫ぶ。
手をあげて、了解のサインだ。
送信機のボタンを押した・・・
「トン。」だ。 すると、飛行機の舵が左へきれる。
そして、「トン、トン。」だ。
すると、舵が右へきれる。
「トン、トン、トン。」と、やると・・・エンジンが止まった・・・
いきなり静かになり、耳がボーーーーだ。
「いかん、エンジンコントロールの作動棒が調整しなくては・・・」
なかなか、無線操縦飛行機はカンタンではないようである。
「あ、あ、送信機は無線通信機の送信機だけだから、カンタンだよ。」と、犬塚君がいう。
「それで、肝心の受信機は?」「それが、電池が重いから・・・なかなか完成しないんだ。」
と、試作品を見せる。
「なんだ、出来てるじゃないか。」
「それで、周波数は?」「3.5メガサイクルだよ。」
「中波から高周波の間だな。」「まあ、送信機が無線通信機だからね。」
「それだと、アンテナ線が長いぞ。」
「それは、機体から流せばいいんだよ。」
「で、3メートルは必要だぞ。」
「まあ、細い電線だからね。」
「オレの方は、いいんだが。」「そちらの機体は完成したのかよ。」と、犬塚君が聞く。
「うむ、エンジンが出来てないのだ。」
「いままでは、廻ればよかったんだが・・・回転数を変えるキャブレターがイマイチなんだよ。」
「どれだよ。」「あ、あ、これだ。」
サイトウ君が霧吹きの原理のキャブレターを見せる。
「出来てるじゃん。」「それが、うまく行かないんだ。」
「アイドル運転から回転数を上げると、かぶってエンズトするんだ。」
「空気の通り道の加工が難しくて・・・工作機械を専用に造らないと。」と、グダグダのようである。
「燃料は混合ガソリンだろ。」「そうだよ。」
「ガソリンにヒマシ油を1割ほど入れたヤツだ。」
「ニードル調整の先が、なかなかうまく固定できないんだ。」
ニードルとは、針のことだ。
キャブレターの霧吹き装置を調整する針である。
空気量と燃料を混ぜる混合気を調整する針先である。
「まあ、1個1個のエンジンで試運転して調整しなければならないな。」
「無線操縦は手間がかかるよ。」と、サイトウ君だ。
「それで、舵はゴム動力で動かすのだろう。」「そうなるな。」
「飛行爆弾と同じ装置だろ。」「そうなるな。」
「じゃあ、カンタンじゃないのか。」
「それが、うまくいかないんだよ。」
「そうやら、雑音電波で混信するのだ。」
「どこから、出てるんだ。」と、犬塚君がいう。
「うむ、たぶん火花だと思うんだが・・・」
「というと、点火プラグか。」と、犬塚君が聞く。
「あ、あ、焼き玉エンジンのニクロム線だと思うんだが・・・」
「シリンダーで燃焼するときだと思うんだが・・・」
「アースをとればいいぞ。」と、犬塚君がいう。
「飛んでる飛行機のアースをかよ・・・」「そうだ。」
「どこで、取るんだよ。」
「そうだな、受信機を電波防護網でカバーするとか・・・」
「重くなるよ。」と、サイトウ君だ。
「それに、エンジンコントロールと舵の左右コントロールでゴム動力の操作装置を2基のせねばならない。」
「ゴム動力のゴムは胴体へ組み込めるとして、リレーで動作させるのだ。」
「そのリレーに乾電池が必要なんだよ。」
「あ、あリレーの電磁石の電池か。」「そうだ。」
リレーは切り替えスイツチみたいなモノだ。
電磁石でスイッチを切り替えることができるのだ。
その接点も火花が飛ぶから・・・妨害電波の発生源なのだが・・・
はじめての無線操縦飛行機は問題が山積なのである。
「ところで、機体の設計は、できたのか。」と、犬塚君が聞く。
「あ、あ、主翼はクラークY型だ。」「平凡だな。」
「普通に飛べる主翼でないと・・・」と、言い訳するサイトウ君だ。
飛行機は主翼で浮力を得るのだ。
翼の上と下を通過する空気圧に差がでるように・・・主翼が上方向へ膨らんでるのだ。
それで、翼の上と下では空気の流れに差ができるのだ。
そして、上が下より遅くなるのだ。
それで、気圧が翼の上が低くなる・・・それで、その圧力を均等にする働きで、浮力が発生するのである。
(これは、ラノベだ、ウソも多いからね・・・)
「そうだ、思い出したぞ。」と、犬塚君が叫んだ。
「コンデンサーを妨害電波が出るモーターへ並列に接続すれば、いいんだ。」
「雑音電波を中和できるんだ。」と、さすが電気工学専門の犬塚君である。
「どのくらいのコンデンサーなんだ。」「そうだな、0、1から0.2マイクロファラドでいいんじゃないかな。」
「さすが、電子工学の大卒だな。」「いや、それほどでも・・・」
形ばかりの謙遜の犬塚君だ。
こうして、翼幅2メートル全長が1,5メートルの無線操縦試験機が完成したのだ。
エンジンは20ccの焼玉エンジンだ。
馬力は3から4馬力といったところかな・・・
「いいか、送信機のボタンを1回トンと押すと左旋回だ。」「あ、あ。」
「トン、トンで右旋回だ。」「ボタンを離すと舵は真ん中へ戻るからね。」
「そして、トン、トン、トンの3回でエンジンコントロールが動くからな。」
エンジンコントロールは3段階だからな。」と、犬塚君がくどいほどいう。
「あ、あ、わかった。」と、仕方なく返事を返すサイトウ君だ。
「よし、エンジンを廻すぞ。」と、エンジンスターターを持つ。
手で廻してもいいんだが・・・何度もクランクしなくてはならないし・・・なかなかエンジンが手動では、掛からないのだ。
汗水流して、半日クランクしてもエンジンが始動しないなんて、いつものことなのだ。
模型エンジンは、始動するのが大変なのである。
そこで、エンジン始動用のスターターだ。
これさえあれば、1発でエンジン始動なのである。
「キュン、キュン。」「ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ。」と、1発でエンジンが掛かる。
そして、点火プラグの電線を外して・・・
「無線機で操作できるかテストしてよ。」と、犬塚君が叫ぶが・・・聞こえないのだ。
なぜなら、エンジンの騒音が酷いからだ。
仕方なく、耳元で叫ぶ。
手をあげて、了解のサインだ。
送信機のボタンを押した・・・
「トン。」だ。 すると、飛行機の舵が左へきれる。
そして、「トン、トン。」だ。
すると、舵が右へきれる。
「トン、トン、トン。」と、やると・・・エンジンが止まった・・・
いきなり静かになり、耳がボーーーーだ。
「いかん、エンジンコントロールの作動棒が調整しなくては・・・」
なかなか、無線操縦飛行機はカンタンではないようである。
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