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舵を動かす動力は?
ゴム動力かモーターか・・・
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無線機の扱いが混迷をきたしているが・・・
模型飛行機開発会社は仕事が休みということは無い。
飛行爆弾を造り、陸軍へ売らねばならない。
なぜなら、数は少ないが社員へ給料を払わねばならない。
そして、材木屋からも間伐材を買わないと・・・契約があるからだ。
それに、エンジンを造る金属も入ってくるからだ。
それに、満州国へ100機もの飛行爆弾を投入してしまった陸軍からは、不足分の飛行爆弾の生産の催促が。
「無線機も、造らにゃならん、飛行爆弾もでは・・・いくら残業しても足りないぞ。」と、ブラックな雰囲気が漂うのだ。
「電子機器の開発は犬塚君で埋め合わせたが・・・製作人員が足りないぞ。」と、庶務係が五月蠅いのだ。
「社長、無線機は陸軍の言う通りにしたら・・・」と、いう庶務だ。
「陸軍からは、予算がでてますから造らねばなりませんよ。」「どうするんですか。」
「それに、飛行爆弾の生産もあるんですよ。」「う、う、う、五月蠅いわい。」と、混乱する社長である。
もともと、零細企業の鉄工場からのスタートなのだ。
経営手腕は零細企業なのである。
「経理や経営を任さられる人材が欲しい。」と、なるのである。
しかし、飛行爆弾は軍事機密だ。
下手な者を雇えないのだ。
そう、スパイが・・・どこに隠れているか、わからないからだ。
仕方がないので、また陸軍へ紹介してもらうことに・・・
「もう、陸軍なしでは会社が成り立たなくなってきたぞ。」と、軍需工場と化してしまった会社なのである。
飛行爆弾の完成した機体を検証するサイトウ君だ。
「オレは、経理や経営などの話はイヤなんだよ。」「仕組みや飛行機の製作がオレの生きがいなのだ。」
「そうだ、そうだ、オレ電子機器を設計したり開発するのが生きがいなんだ。」と、気勢を上げる犬塚君である。
「いままで、ゴム動力で飛行機の舵やエンジン調整をやっていたが・・・機体が大きくてゴムでは限界があるんだ。」
「まあ、そうだろうな。」「それで。」と、犬塚君。
「それで、乾電池ができただろう。」「あ、あ、あの自転車のライトというヤツだな。」
「そうだ、三角のヤツだ。」「それで、電気で舵を操作すれば。」
「モーターでは、回転が速いから・・・ギアで回転を落とすのか。」
「そうなるかな。」と、サイトウ君が答える。
「ギアで回転を落とせば、回転する力が増すからいいぞ。」
「それは、いい考えだな。」と、設計図を描きだした犬塚君である。
そのときに、サイトウ君が閃いたのだ。
「そうだ、無線機の送信信号でモーターのスイッチを入れたり切ったりすれば・・・」
「おお、そうだな。」「操縦が無線機で・・・できそうだな。」
「そうなれば、あらかじめ飛行コースを考えなくてもいいぞ。」
「敵が動いても、予想して飛ばさなくても・・・」
「飛行爆弾は無線操縦で誘導できそうだな。」
「とりあえず、試作だ。」
「回路はオレがつくるから、モーターで舵を動かすのは君が造れよ。」
「あ、あ、そういうのは得意だからな。」と、自信満々のサイトウ技師である。
「無線信号を切り替えるスイッチが必要だな。」
「それを、悩んでるんだよ。」と、悩むサイトウ技師である。
「無線信号は送信機から出るんだが・・・電波に信号をのせるんだが・・・・」
「電気が来たら切り替える装置が・・・」「あまり大きいとダメだ。」
「電気なら電磁石は、どうだ。」と、「鉄棒を絶縁した電線で巻いてつくるんだ。」
「そんなに、大きくないぞ。」
「つまり、電磁石のスイツチということだな。」
つまり、リレー装置である。
「エンジンのコントロールで上昇と下降だ。」「そして、尾翼の舵の操作で左右へ旋回だ。」
「つまり、2個の装置で飛行爆弾が操作できるぞ。」
「まずは、飛行機の模型からだな。」と、顔が趣味になるサイトウ君だ。
模型飛行機を造るのが、はじまりだったのだ。
「でも、飛行機はエンジンや尾翼の舵以外にも、主翼の舵や尾翼の昇降舵があるじゃないか。」
「つまり、2か所でなくて、4か所ということか。」「そうだ。」
「しかし、無線機で4か所もの操作ができるのか・・・君は無線機を造れるのか。」と、サイトウ君だ。
いきなり話を振られて困る、犬塚君である。
「そうだな、とりあえず2か所動かす無線装置は造れると思うぞ。」と、いう。
「つまり、モールス信号の原理で動かすのだよ。」
「トン、ツーということか。」
「そうだよ、短いトンでエンジンを操作するのだ。」「そして、長いツーで舵を操作すれば。」
「うむ、では、オレが機体を造るから、無線装置は任せたぞ。」と、サイトウ君だ。
「あ、あ、送信機と受信機と造ればいいんだな。」「そうだ。」
「大きさは、この範囲だぞ。」「これは、受信機だな。」
「うむ、飛行機へ載せるほうだ。」
「送信機は大きさは手にモテるくらいなら。」と、話が煮詰まるのだった。
「じゃあ、双発でなくても。」「無線で飛行機が操縦できるかの証明だからな。」
「よし、双発でないなら、エンジンの操作はカンタンだ。」
「双発は左右のバランスが大切なんだよ。」と、サイトウ君だ。
「じゃあ、いままで飛行爆弾は双発なんだが・・・どうやって?」と、疑問の犬塚君である。
「あれは、振り子の原理で機体が傾いたら復元できるんですよ。」「なるほど。」
「じゃあ、電波を受信したら動くスイッチを造りますよ。」と、犬塚君が回路を考えて・・・
模型飛行機開発会社は仕事が休みということは無い。
飛行爆弾を造り、陸軍へ売らねばならない。
なぜなら、数は少ないが社員へ給料を払わねばならない。
そして、材木屋からも間伐材を買わないと・・・契約があるからだ。
それに、エンジンを造る金属も入ってくるからだ。
それに、満州国へ100機もの飛行爆弾を投入してしまった陸軍からは、不足分の飛行爆弾の生産の催促が。
「無線機も、造らにゃならん、飛行爆弾もでは・・・いくら残業しても足りないぞ。」と、ブラックな雰囲気が漂うのだ。
「電子機器の開発は犬塚君で埋め合わせたが・・・製作人員が足りないぞ。」と、庶務係が五月蠅いのだ。
「社長、無線機は陸軍の言う通りにしたら・・・」と、いう庶務だ。
「陸軍からは、予算がでてますから造らねばなりませんよ。」「どうするんですか。」
「それに、飛行爆弾の生産もあるんですよ。」「う、う、う、五月蠅いわい。」と、混乱する社長である。
もともと、零細企業の鉄工場からのスタートなのだ。
経営手腕は零細企業なのである。
「経理や経営を任さられる人材が欲しい。」と、なるのである。
しかし、飛行爆弾は軍事機密だ。
下手な者を雇えないのだ。
そう、スパイが・・・どこに隠れているか、わからないからだ。
仕方がないので、また陸軍へ紹介してもらうことに・・・
「もう、陸軍なしでは会社が成り立たなくなってきたぞ。」と、軍需工場と化してしまった会社なのである。
飛行爆弾の完成した機体を検証するサイトウ君だ。
「オレは、経理や経営などの話はイヤなんだよ。」「仕組みや飛行機の製作がオレの生きがいなのだ。」
「そうだ、そうだ、オレ電子機器を設計したり開発するのが生きがいなんだ。」と、気勢を上げる犬塚君である。
「いままで、ゴム動力で飛行機の舵やエンジン調整をやっていたが・・・機体が大きくてゴムでは限界があるんだ。」
「まあ、そうだろうな。」「それで。」と、犬塚君。
「それで、乾電池ができただろう。」「あ、あ、あの自転車のライトというヤツだな。」
「そうだ、三角のヤツだ。」「それで、電気で舵を操作すれば。」
「モーターでは、回転が速いから・・・ギアで回転を落とすのか。」
「そうなるかな。」と、サイトウ君が答える。
「ギアで回転を落とせば、回転する力が増すからいいぞ。」
「それは、いい考えだな。」と、設計図を描きだした犬塚君である。
そのときに、サイトウ君が閃いたのだ。
「そうだ、無線機の送信信号でモーターのスイッチを入れたり切ったりすれば・・・」
「おお、そうだな。」「操縦が無線機で・・・できそうだな。」
「そうなれば、あらかじめ飛行コースを考えなくてもいいぞ。」
「敵が動いても、予想して飛ばさなくても・・・」
「飛行爆弾は無線操縦で誘導できそうだな。」
「とりあえず、試作だ。」
「回路はオレがつくるから、モーターで舵を動かすのは君が造れよ。」
「あ、あ、そういうのは得意だからな。」と、自信満々のサイトウ技師である。
「無線信号を切り替えるスイッチが必要だな。」
「それを、悩んでるんだよ。」と、悩むサイトウ技師である。
「無線信号は送信機から出るんだが・・・電波に信号をのせるんだが・・・・」
「電気が来たら切り替える装置が・・・」「あまり大きいとダメだ。」
「電気なら電磁石は、どうだ。」と、「鉄棒を絶縁した電線で巻いてつくるんだ。」
「そんなに、大きくないぞ。」
「つまり、電磁石のスイツチということだな。」
つまり、リレー装置である。
「エンジンのコントロールで上昇と下降だ。」「そして、尾翼の舵の操作で左右へ旋回だ。」
「つまり、2個の装置で飛行爆弾が操作できるぞ。」
「まずは、飛行機の模型からだな。」と、顔が趣味になるサイトウ君だ。
模型飛行機を造るのが、はじまりだったのだ。
「でも、飛行機はエンジンや尾翼の舵以外にも、主翼の舵や尾翼の昇降舵があるじゃないか。」
「つまり、2か所でなくて、4か所ということか。」「そうだ。」
「しかし、無線機で4か所もの操作ができるのか・・・君は無線機を造れるのか。」と、サイトウ君だ。
いきなり話を振られて困る、犬塚君である。
「そうだな、とりあえず2か所動かす無線装置は造れると思うぞ。」と、いう。
「つまり、モールス信号の原理で動かすのだよ。」
「トン、ツーということか。」
「そうだよ、短いトンでエンジンを操作するのだ。」「そして、長いツーで舵を操作すれば。」
「うむ、では、オレが機体を造るから、無線装置は任せたぞ。」と、サイトウ君だ。
「あ、あ、送信機と受信機と造ればいいんだな。」「そうだ。」
「大きさは、この範囲だぞ。」「これは、受信機だな。」
「うむ、飛行機へ載せるほうだ。」
「送信機は大きさは手にモテるくらいなら。」と、話が煮詰まるのだった。
「じゃあ、双発でなくても。」「無線で飛行機が操縦できるかの証明だからな。」
「よし、双発でないなら、エンジンの操作はカンタンだ。」
「双発は左右のバランスが大切なんだよ。」と、サイトウ君だ。
「じゃあ、いままで飛行爆弾は双発なんだが・・・どうやって?」と、疑問の犬塚君である。
「あれは、振り子の原理で機体が傾いたら復元できるんですよ。」「なるほど。」
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