17 / 60
無線機と飛行爆弾。
これは、行けるぞ~っ。
しおりを挟む
鎌田隊長は携帯無線機を見る。
「これは、なんですか。」と、興味深々だ。
なぜなら、電話の受話器のような装置がついてるからだ。
「無線電話機ですよ。」と、犬塚技師がドヤ顔だ。
「えっ、こんなに小さな無線機ですか。」「使えるんですか。」
と、失礼な質問が出るが、もっともである。
いままでの無線機は、発電機や送信機、受信機、そしてアンテナとあるからだ。
それが、背嚢の大きさなのだからだ。
「では、使って見せましょう。」と、サイトウ君と無線機をそれぞれ持って離れて・・・
「あー、あー、こちら犬塚だ。」「聞こえるか。」と、サイトウ君の無線機から音声が出る。
「えっ、本当に無線機なんだな。」と、驚く鎌田隊長だ。
「まだ、試作段階ですが、実戦で使えるかと・・・」と、いうサイトウ技師だ。
「いやあ、使えますよ、これは。」「斥候へ持たせるんですよ。」
「いちいち、帰ってきて報告しなくていいんですから、最高ですよ。」
「ソ連軍には盗られるないように。」と、釘を刺す犬塚君だ。
「陸王隊なら、たとえ相手が馬賊でも逃げられますから。」
「隊長の首を賭けても、だいじょぶですよ。」
陸王隊とは、バイク偵察隊のことだ。
2台の凹凸路面用の陸王のバイクだ。
効率の悪いサイド・バルブエンジンだが・・・そこが、イイんだそうだ。
バイク隊の隊員は、どんな故障でも治せるそうだ。(だから、旧式のサイド・バルブのエンジンだ。)
「いいか、絶対に盗られるなよ。」と、偵察隊の伍長へ無線機を背負わせる隊長だ。
まずは、試験運用しないと・・・
そして、陸王隊は・・・離れていく。
「ド、ド、ド。」と、低音の響きだ。
鎌田隊長がマイクから、「陸王隊、聞こえるか。」と・・・
「隊長、よく聞こえますよ。」と、即返信だ。
満州平原は遮る建物や山が無いから・・・無線には都合がいいのだ。
「距離は?」と、隊長が聞く。
「そうですね、40キロで10分くらいですから、7キロですか。」
「わかった、では戻れ。」「ハイ。」
「おい、7キロ離れて使えるぞ。」
「そうですね、これだけはっきり聞こえるのですから。」「おそらく、20キロ離れても行けますね。」
「よし、飛行爆弾の投下地点の観測隊として陸王隊を使えるぞ。」と、鎌田隊長だ。
「敵の位置を、どうやって判断するべきか・・・迷っていたんだが。」
「これが、あればソ連軍の頭上へ堕とせるぞ。」と、太鼓判だ。
「注意点はありますか。」と、鎌田隊長が聞く。
「蓄電池が希硫酸を使ってますから、そこですね。」
「そして、送信は短く端的にやれば電池は4時間は使えます。」
「うむ、わかった。」
鎌田隊長の顔が、あきらかに不安が消えたのだ。
それは、隊内にも広がったのだ。
飛行爆弾がソ連軍へ通用するのか・・・不安だった部隊の空気だ。
それが、不安な顔がなくなったのだ。
これは、大きいのだ。
そう、勝利の女神の天秤は日本軍へ傾きつつあったのだ。
ハルピンで馬賊の案内人と会い、挨拶だ。
「ありがたいアルヨ。」と、感謝する馬賊だ。
まあ、援軍だからだが・・・何か、新兵器らしいことは、馬賊でも見ればわかるからだ。
草原は馬賊が移動速度は抜群だ。
トラックより、小回りがきくし速度も速いのだ。
しかし、長くは持たない。 休憩しないと馬がバテるからだ。
そこは、機械と生物の差である。
「ソ連軍は黒龍江の河からくるアルヨ。」と、案内する馬賊だ。
周りは地平線が見える、大満州平原だ。
遥か、彼方まで身とおせる。
あまり、近づくとトラック隊がソ連軍に発見されてしまう。
ギリ、40キロから50キロ離れて停止させる隊長だ。
つまり、飛行爆弾を使うギリの距離である。
そして、バイク隊と馬賊の案内人の斥候へ事細かに指示を出す、鎌田隊長だ。
つまり、飛行爆弾の投下目標を無線電話で送るように指示をだしているのだ。
馬やバイクは、トラックよりは発見されにくいからだ。
「いいか、敵の位置をできるだけ正確な位置を無線で送るんだ。」
「位置がわかれば、その位置へ爆弾を投下できるように飛行爆弾を調整できるからな。」
「爆弾は100発あるが、敵の勢力がわからないから無駄な発進はできないからな。」
「了解です。」と、偵察のバイク隊だ。
2名のバイク隊員は伍長と上等兵だ。
そして、バイクが好きで入ってきた軍隊だ。
陸王というバイクは高額だ。(ハーレーよりは安価だが。)
満州平原のサンドカラーに迷彩された陸王はカッコイイのだ。
「では、いってまいります。」と、敬礼でバイクが斥候へ・・・
10分くらいして、「こちらバイク隊、ソ連軍を発見しました。」と、即無線だ。
これが、いままでだと復路の10分が無駄なのだ。
「敵の位置は北北東へ45キロです。」
「よし、飛行爆弾の調整を45キロだ。」
エンジンの燃料を45分と、急降下する時間をタイマーで・・・
「準備できました。」「うむ。」
「よし、1号機発進だ。」
「いけ~ぃ。」と、エンジンがフルに廻り・・・飛行爆弾がスルスルと発進する。
はじめて、実戦へ投入された飛行爆弾が北北東へ・・・高度40メートルほどを時速200キロあまりで・・・
「よし、だいたい13分くらいだな。」「偵察隊へ12分後に見えるからと報告だ。」「了解です。」
さあ、飛行爆弾は実戦に使えるか・・・回答が出る!
「これは、なんですか。」と、興味深々だ。
なぜなら、電話の受話器のような装置がついてるからだ。
「無線電話機ですよ。」と、犬塚技師がドヤ顔だ。
「えっ、こんなに小さな無線機ですか。」「使えるんですか。」
と、失礼な質問が出るが、もっともである。
いままでの無線機は、発電機や送信機、受信機、そしてアンテナとあるからだ。
それが、背嚢の大きさなのだからだ。
「では、使って見せましょう。」と、サイトウ君と無線機をそれぞれ持って離れて・・・
「あー、あー、こちら犬塚だ。」「聞こえるか。」と、サイトウ君の無線機から音声が出る。
「えっ、本当に無線機なんだな。」と、驚く鎌田隊長だ。
「まだ、試作段階ですが、実戦で使えるかと・・・」と、いうサイトウ技師だ。
「いやあ、使えますよ、これは。」「斥候へ持たせるんですよ。」
「いちいち、帰ってきて報告しなくていいんですから、最高ですよ。」
「ソ連軍には盗られるないように。」と、釘を刺す犬塚君だ。
「陸王隊なら、たとえ相手が馬賊でも逃げられますから。」
「隊長の首を賭けても、だいじょぶですよ。」
陸王隊とは、バイク偵察隊のことだ。
2台の凹凸路面用の陸王のバイクだ。
効率の悪いサイド・バルブエンジンだが・・・そこが、イイんだそうだ。
バイク隊の隊員は、どんな故障でも治せるそうだ。(だから、旧式のサイド・バルブのエンジンだ。)
「いいか、絶対に盗られるなよ。」と、偵察隊の伍長へ無線機を背負わせる隊長だ。
まずは、試験運用しないと・・・
そして、陸王隊は・・・離れていく。
「ド、ド、ド。」と、低音の響きだ。
鎌田隊長がマイクから、「陸王隊、聞こえるか。」と・・・
「隊長、よく聞こえますよ。」と、即返信だ。
満州平原は遮る建物や山が無いから・・・無線には都合がいいのだ。
「距離は?」と、隊長が聞く。
「そうですね、40キロで10分くらいですから、7キロですか。」
「わかった、では戻れ。」「ハイ。」
「おい、7キロ離れて使えるぞ。」
「そうですね、これだけはっきり聞こえるのですから。」「おそらく、20キロ離れても行けますね。」
「よし、飛行爆弾の投下地点の観測隊として陸王隊を使えるぞ。」と、鎌田隊長だ。
「敵の位置を、どうやって判断するべきか・・・迷っていたんだが。」
「これが、あればソ連軍の頭上へ堕とせるぞ。」と、太鼓判だ。
「注意点はありますか。」と、鎌田隊長が聞く。
「蓄電池が希硫酸を使ってますから、そこですね。」
「そして、送信は短く端的にやれば電池は4時間は使えます。」
「うむ、わかった。」
鎌田隊長の顔が、あきらかに不安が消えたのだ。
それは、隊内にも広がったのだ。
飛行爆弾がソ連軍へ通用するのか・・・不安だった部隊の空気だ。
それが、不安な顔がなくなったのだ。
これは、大きいのだ。
そう、勝利の女神の天秤は日本軍へ傾きつつあったのだ。
ハルピンで馬賊の案内人と会い、挨拶だ。
「ありがたいアルヨ。」と、感謝する馬賊だ。
まあ、援軍だからだが・・・何か、新兵器らしいことは、馬賊でも見ればわかるからだ。
草原は馬賊が移動速度は抜群だ。
トラックより、小回りがきくし速度も速いのだ。
しかし、長くは持たない。 休憩しないと馬がバテるからだ。
そこは、機械と生物の差である。
「ソ連軍は黒龍江の河からくるアルヨ。」と、案内する馬賊だ。
周りは地平線が見える、大満州平原だ。
遥か、彼方まで身とおせる。
あまり、近づくとトラック隊がソ連軍に発見されてしまう。
ギリ、40キロから50キロ離れて停止させる隊長だ。
つまり、飛行爆弾を使うギリの距離である。
そして、バイク隊と馬賊の案内人の斥候へ事細かに指示を出す、鎌田隊長だ。
つまり、飛行爆弾の投下目標を無線電話で送るように指示をだしているのだ。
馬やバイクは、トラックよりは発見されにくいからだ。
「いいか、敵の位置をできるだけ正確な位置を無線で送るんだ。」
「位置がわかれば、その位置へ爆弾を投下できるように飛行爆弾を調整できるからな。」
「爆弾は100発あるが、敵の勢力がわからないから無駄な発進はできないからな。」
「了解です。」と、偵察のバイク隊だ。
2名のバイク隊員は伍長と上等兵だ。
そして、バイクが好きで入ってきた軍隊だ。
陸王というバイクは高額だ。(ハーレーよりは安価だが。)
満州平原のサンドカラーに迷彩された陸王はカッコイイのだ。
「では、いってまいります。」と、敬礼でバイクが斥候へ・・・
10分くらいして、「こちらバイク隊、ソ連軍を発見しました。」と、即無線だ。
これが、いままでだと復路の10分が無駄なのだ。
「敵の位置は北北東へ45キロです。」
「よし、飛行爆弾の調整を45キロだ。」
エンジンの燃料を45分と、急降下する時間をタイマーで・・・
「準備できました。」「うむ。」
「よし、1号機発進だ。」
「いけ~ぃ。」と、エンジンがフルに廻り・・・飛行爆弾がスルスルと発進する。
はじめて、実戦へ投入された飛行爆弾が北北東へ・・・高度40メートルほどを時速200キロあまりで・・・
「よし、だいたい13分くらいだな。」「偵察隊へ12分後に見えるからと報告だ。」「了解です。」
さあ、飛行爆弾は実戦に使えるか・・・回答が出る!
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
零式輸送機、満州の空を飛ぶ。
ゆみすけ
歴史・時代
ダクラスDC-3輸送機を米国からライセンスを買って製造した大日本帝国。 ソ連の侵攻を防ぐ防壁として建国した満州国。 しかし、南はシナの軍閥が・・・ソ連の脅威は深まるばかりだ。 開拓村も馬賊に襲われて・・・東北出身の開拓団は風前の灯だった・・・
満州国馬賊討伐飛行隊
ゆみすけ
歴史・時代
満州国は、日本が作った対ソ連の干渉となる国であった。 未開の不毛の地であった。 無法の馬賊どもが闊歩する草原が広がる地だ。 そこに、農業開発開墾団が入植してくる。 とうぜん、馬賊と激しい勢力争いとなる。 馬賊は機動性を武器に、なかなか殲滅できなかった。 それで、入植者保護のため満州政府が宗主国である日本国へ馬賊討伐を要請したのである。 それに答えたのが馬賊専門の討伐飛行隊である。
我らの輝かしきとき ~拝啓、坂の上から~
城闕崇華研究所(呼称は「えねこ」でヨロ
歴史・時代
講和内容の骨子は、以下の通りである。
一、日本の朝鮮半島に於ける優越権を認める。
二、日露両国の軍隊は、鉄道警備隊を除いて満州から撤退する。
三、ロシアは樺太を永久に日本へ譲渡する。
四、ロシアは東清鉄道の内、旅順-長春間の南満洲支線と、付属地の炭鉱の租借権を日本へ譲渡する。
五、ロシアは関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を日本へ譲渡する。
六、ロシアは沿海州沿岸の漁業権を日本人に与える。
そして、1907年7月30日のことである。
幕府海軍戦艦大和
みらいつりびと
歴史・時代
IF歴史SF短編です。全3話。
ときに西暦1853年、江戸湾にぽんぽんぽんと蒸気機関を響かせて黒船が来航したが、徳川幕府はそんなものへっちゃらだった。征夷大将軍徳川家定は余裕綽々としていた。
「大和に迎撃させよ!」と命令した。
戦艦大和が横須賀基地から出撃し、46センチ三連装砲を黒船に向けた……。
明日の海
山本五十六の孫
歴史・時代
4月7日、天一号作戦の下、大和は坊ノ岬沖海戦を行う。多数の爆撃や魚雷が大和を襲う。そして、一発の爆弾が弾薬庫に被弾し、大和は乗組員と共に轟沈する、はずだった。しかし大和は2015年、戦後70年の世へとタイムスリップしてしまう。大和は現代の艦艇、航空機、そして日本国に翻弄される。そしてそんな中、中国が尖閣諸島への攻撃を行い、その動乱に艦長の江熊たちと共に大和も巻き込まれていく。
世界最大の戦艦と呼ばれた戦艦と、艦長江熊をはじめとした乗組員が現代と戦う、逆ジパング的なストーリー←これを言って良かったのか
主な登場人物
艦長 江熊 副長兼砲雷長 尾崎 船務長 須田 航海長 嶋田 機関長 池田
蒼雷の艦隊
和蘭芹わこ
歴史・時代
第五回歴史時代小説大賞に応募しています。
よろしければ、お気に入り登録と投票是非宜しくお願いします。
一九四二年、三月二日。
スラバヤ沖海戦中に、英国の軍兵四二二人が、駆逐艦『雷』によって救助され、その命を助けられた。
雷艦長、その名は「工藤俊作」。
身長一八八センチの大柄な身体……ではなく、その姿は一三○センチにも満たない身体であった。
これ程までに小さな身体で、一体どういう風に指示を送ったのか。
これは、史実とは少し違う、そんな小さな艦長の物語。
【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部
山本 双六
歴史・時代
たくさんの人が亡くなった太平洋戦争。では、もし日本が勝てば原爆が落とされず、何万人の人が助かったかもしれないそう思い執筆しました。(一部史実と異なることがあるためご了承ください)初投稿ということで俊也さんの『re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ』を参考にさせて頂きました。
これからどうかよろしくお願い致します!
ちなみに、作品の表紙は、AIで生成しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる