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これが、我が国のエンジン技術だ!

V型2気筒は振動が多いのだ。

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 ここは、陸軍のエンジン研究所である。
テストベンチにV型2気筒の単車用エンジンが取り付けてあった。
 「では、耐久テスト開始。」「うむ。」
「パン、パン、パン。」と、2気筒エンジンが動き出した。
 消音器なんて、テスト段階ではつけてないから・・・すごい爆音だ。
係員は耳栓が欠かせないのだ。
 「回転をあげろ。」「うむ。」
吸気口の弁が開く。
 すると、エンジンの回転があがる。
「パパパパパパ~ン。」と、すごい爆音が更に大きくなる。
 エンジンの振動が・・・・
エンジン自体に共鳴して・・・振動が爆発的に・・・
 「いかん、止めろ。」と、主任が怒鳴るが・・・エンジンの爆音で聞えない・・・
やがて、「バカ~ン。」と、エンジンが爆発して停止した。
 主任が、「くそっ、やはりV型の振動はバカにできないな・・・」
「やはり、水平対向が・・・」
 「しかし、機械精度が追い付かないぞ。」
水平対向エンジンは機械精度が肝心なのだ。
 コンマ、数ミリでも誤差があると・・・
V型2気筒エンジンは、機械精度がそれほど求められなくても動くのだ。
 史実での原型は、米国の単車のエンジンを参考にしたものだった。
そう、ハーレーやインデアンのV型だ。
 水平対向はV型と違い、振動が相殺されて少ないのである。
実車だと、トヨタのパブリカの空冷4気筒エンジンだ。
 「パララン、パララン。」と、特徴あるエンジン音だった。
空冷4気筒だから、軽くて変速機込みで手で持てるのだ。
 著者は、実際にやったことがあるのだ。
プロペラシャフトなんて、小指より細いのだ。

 我が陸軍は英国からの、ナイチンゲール式の野戦病院のノウハツで衛生管理を厳格にやったのである。
そこへ、自走式消毒車両を投入して、さらに劇的に戦死者が減ったのであった。
 戦死する確率が減ったことは、兵隊の戦意高揚へ繋がるのだ。
バンザイ突撃という、おバカな考えを持ったヤカラがなくなったのである。
 そして、自走式消毒車両を見本として自走式戦闘車が試作されたのである。
ところで、どうして日本軍はシナで戦闘をしてるのか?
 それは、シナで清王朝が滅んで・・・軍閥(ヤクザの組みたいな)が蔓延り・・・
そして、シナで商売などの邦人が殺される事態になったからである。
 史実では、通州事件だ。
我が陸軍に覇権主義は無い、軍人は政治には関わらないからなのである。
 それで、陸軍大臣や海軍大臣は予算を請求する権限しか認められているだけである。
そして、戦闘で敗北したら・・・更迭だ。(首である。)
 まして、前線の兵士が多数戦死でもしたら・・・責任問題で最悪、銃殺かも・・・
なんせ、兵隊は今上陛下の軍兵だからである。
 兵、1人の命は地球より重いのだ。

 史実では、捕虜になるより死を選べと言われた旧日本軍だが・・・
それは、シナの捕虜への扱いが酷かったからだ。
 逆さ釣りして、血が頭に溜まり・・・
そして、牛に手足を縛って・・・
 もう、ここにはとても描けない処遇なのである。
だが、自走式戦闘車なら敵の捕虜になる危険が減るのだ。
 その戦闘車両には後部に扉があり、歩兵が出入りできるようになっている。
自走式戦闘車両は6名の歩兵を搭乗させることができる。(6名で最低の小隊である。)
 操縦士1名、機銃手1名、歩兵6名の計8名である。
その自走式戦闘車両が6両で戦闘車両の1小隊単位だ。
 歩兵は三八式歩兵銃の銃身を半分に切り、18連発の弾倉を仕込んだ突撃ライフル装備である。
こうして、我が陸軍は清朝政府の要望で満州国の創立に関わったのである。
 場所は万里の長城の北である。
そこは、シナの本来の領土では無い。
 女真族の土地である。
国際社会も認めざるを得ないのであった。

 
 
 
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