戦車がすべての世の中。

ゆみすけ

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兵にもできるエンジン整備。

エンジンの整備の訓練だ。

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 M4シャーマンのエンジンは色々使われている。 航空機用星型エンジン、トラック用のサイドバルブエンジン、バス用の大型エンジンなど・・・    エンジン室に余裕があったので応用が利いたのである。 そして、故障が少ないことだ。 円熟した自動車産業が後押しして稼働率が高い兵器であったのだ。 紙面での性能は素晴らしいが、故障率が高くて稼働率が少なくては兵器としては使えないのだ。 ガソリンとエンジンオイルを入れれば動く戦車はありがたいのだ。 戦後に復員してきた兵隊さんから聞いた話だが。 シナ大陸で、故障してエンコした日本軍の戦車を観たことがあるだけだったとか。 つまり、動いている戦車は見たこと無いらしい。 そういえば、昔は路上でエンコしたクルマをよく見たものだ。 わが国の機動兵器は故障が当たり前だったのだ。 出撃したが、戦場まで飛べずに故障で墜落した戦闘機の話をよく聞いたものだ。 手工業的な日本軍の兵器では、それが限界だったのかもしれない。 米国の兵器は部品が統一されていて、部品交換が普通にできる。 しかし、日本の兵器は部品ごとに現物あわせで、ヤスリなぞで部品を合わせなければつかえなかったらしい。 すでに、米国は大量生産の部品の精度から違っていたのだ。 これでは、戦いにもならない。 よく、あそこまで戦ったものだ。 さて、エンジンの整備だが、「大切なことはエンジンオイルだ。」 「それが、外気温により使う種類が違う。」 「量も決まっている、多すぎても少なすぎてもイカン。」 「まあ、誤差はあるがね。」 「空気清浄器は定期的な交換が必要だ。」 「見た目で判断するなよ。」 「走行距離だ。」 「運用日誌は必ずつけるように。」 「時間と距離と気温ですね。」 「あ、あ、そうだ。」 「電気スターターの蓄電池は熱で電解液が揮発するから、運行前に点検だ。」 「蓄電池は寒さのも弱いが、暑さにも弱いんだ。」 「それで、蓄電池がダメなとき、エンジンを人力で掛けるクランクが、この後ろにつけてある。」 戦車の後ろの物入れを折りたたんだ。 整備技官が説明する。 「ひとりでは、無理だ、二人で廻す訓練をしておくのだ。」 「そうして、弾み車を、勢いをつけて廻すのだ。」 訓練は夜おそくまで続いた。    
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