戦車がすべての世の中。

ゆみすけ

文字の大きさ
上 下
9 / 61
これが、タイガーだ。

オレはこちらが、好きだ。

しおりを挟む
 米軍の偵察隊の動きなど、知らないロンメル独立隊だ。 キングを眺めて、思わず。 「ティーガーは、港にあるんだろう。」 とハインケル曹長に聞いた。 「うん、陸揚げしたとは思うが、どうしてだい。」 「理由はカンタンだ。」 「日本人は、おそらく全員がキングより、ティーガー派だからだ。」 「オレならキングとティーガーがあれば、ティーガーに乗る。」 ハインケル曹長は、「性能はキングがピカイチだが。」 「性能じゃないんだ、なんか こうロマンみたいなものさ。」 ハインケル曹長は笑って、「それでは、戦争なんて出来ないさ。」 「オレにとり戦車は戦争の道具ではないんさ。」 「では、なんなのさ。」 「ロマンだ、夢だ、冒険心だ。」 「ドイツ人には、わからないな。」 「日本人は、とても変態なヤロウが多いんだ。」 「オレの中で戦車といえばティーガーさ。」 「まあ、ドイツの戦車を、それほどまでにかよ。」 「そうさ、マウスやパンターよりさ。」 「マウスを知ってるのか。」 「オレでも最近、あるスジから聞いたばかりなのに。」 ハインケル曹長は、少しスネた。 「戦車は、ソ連のT34だ、なんてヤカラはパヨクだ。」 「戦車はティーガーを置いて他にはない。」 ハインケルは、オレを変態と認識したようだ。 「ハ、ハ、ハ。」と軽く笑った。 「まあ、押さえて、押さえて。」 とオレを警戒している。 「そうだ、ティーガーがいつ着くかきいてこよう。」 とハインケルは席をはずした。 そのころ、ティーガーは、砂漠の荒地をアフリカ軍団めざして進んでいた。 コマンダーが無線及び機銃手に、「あと、30分くらいと伝えてくれ。」 「こちら、ティーガー1、アフリカ軍団どうぞ。」 「こちら、アフリカ軍団野戦司令部、どうぞ。」 「あと、30分くらいで、到着できそうだ。」 「そうか、了解した。」 コマンダーは燃料が持つか心配だったが、なんとかなりそうだ。 ここは、アフリカの北部だ。 石油の宝庫だ。 ドイツ帝国は石油不足なのだ。 なんとしても、確保しなければ。 コマンダーはティーガーの砲塔で、はるか遠くを見渡した。 「ん、なんか、黒い点が。」 「おい、双眼鏡を。」 「ハイ。」と砲手が差し出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...