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分離ロケットの開発経緯。
多段式ロケット弾。
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「もぅすこし、飛距離が伸びないかな。」と、陸軍工廠で、開発主任が悩んでいた。
ここは、陸軍の兵器開発工廠である。 陸軍とあるが、軍隊ではないのだ。 兵器の開発研究所である。
だから、入り口には歩哨はいない。 陸軍を退役した警備員がいるのだ。 もちろん、退役である。 それで、爺さんだ。 そこへ、学生服を着たメガネで出っ歯の(もろ、日本人だ。)30歳くらいの浪人生らしき野郎が、「呼ばれて着ました。」と、手紙を見せる。 「なになに、開発主任の佐藤技師の・・・」「ふむ、聞いてみる。」・・・やがて、佐藤技師が門まで浪人生らしき人物を迎えに来る。
「わざ、わざ、恐縮です。」と、佐藤技師だ。 「いえ、いえ、役に立つかはわかりませんので。」と、謙遜する浪人野郎だ。 門番の退役老人には、冴えない野郎にしか見えなかったのだが・・・
ヒトは外観では判断するなかれである。 もちろん、ある程度は判断ができるであろうが。
その浪人野郎は、もちろん浪人生ではない。 兵器としてではなく、あくまでロケットを研究している帝都大学の研究室の助手である。 助手という肩書であるが、年齢が若いからであり、本来なら教授相当なのだが・・・
「それで、私の多段式ロケットについてですが。」と、浪人君だ。
「戦闘機のロケット弾への応用ができるかとのことですね。」「え、え、そうです。」
「できないことは、ないんですが大きさがある程度必要なんです。」「そうなんですか。」
「第1段目は直径が6メートルで、2段目が4メートルで・・・」
「待ってください、それでは、戦闘機より太いですよ。」「直径が20センチなんですが。」
「なんと、20センチですか・・・」と浪人君は絶句だ。
「ふむ、20センチですか、いいでしょう乗りかかった舟です。」「なんとか、しましょう。」と、浪人君は佐藤技師へ約束したのである。 全く、自信はなかったんだが、日本の国益のためであると聞いているからだ。
日本の国益のために仕事ができる、少しは国のためになるのだ。 冴えない浪人君にとり、初めての国のための仕事である。 詳細にロケット弾の装備された戦闘機を見て、そして、ロケット弾の現物(模擬火薬が詰まった本物だ、信管は抜いてあるが。)を持って研究室へ帰っていったのである。
さて、浪人君は名前を五十川(イトカワ)研究員という。 帝都大学のロケット研究室の学生兼研究員である。
学費は免除である。 なんせ、ロケットは兵器として将来的に有望であるからだ。 しかし、ここは大学であり、軍隊ではない。 それで、表立っての兵器研究ではないだけである。 それに、五十川研究員は軍人ではないからだ。
しかし、自身の研究が兵器に使われても、それに反論はないのだ。 抑止力を、五十川研究員は理解しているのである。 お花畑の九条信者ではないのだ。 ちなみに、このラノベでは、日本国憲法なんて、米軍が作った憲法は無い。 明治以来の大日本国帝国憲法である。 なんなら、聖徳太子の十七条の憲法でも、十分に通用するのだ。 一度、読んでみると通用すると理解ができるだろう。
さて、五十川君は直径20センチのロケット弾の前で思案にくれるのだ。 そう、閃きを待っているのである。
考えて、考え抜くと閃くのだ。 ビビビ、ッとくるのだ。
「うう、うう、ううん。」と、唸る五十川君である。 (あまり、唸るとウンチが・・・)
どうしたら、20センチのロケット弾が多段式になるのだ・・・・・
ここは、陸軍の兵器開発工廠である。 陸軍とあるが、軍隊ではないのだ。 兵器の開発研究所である。
だから、入り口には歩哨はいない。 陸軍を退役した警備員がいるのだ。 もちろん、退役である。 それで、爺さんだ。 そこへ、学生服を着たメガネで出っ歯の(もろ、日本人だ。)30歳くらいの浪人生らしき野郎が、「呼ばれて着ました。」と、手紙を見せる。 「なになに、開発主任の佐藤技師の・・・」「ふむ、聞いてみる。」・・・やがて、佐藤技師が門まで浪人生らしき人物を迎えに来る。
「わざ、わざ、恐縮です。」と、佐藤技師だ。 「いえ、いえ、役に立つかはわかりませんので。」と、謙遜する浪人野郎だ。 門番の退役老人には、冴えない野郎にしか見えなかったのだが・・・
ヒトは外観では判断するなかれである。 もちろん、ある程度は判断ができるであろうが。
その浪人野郎は、もちろん浪人生ではない。 兵器としてではなく、あくまでロケットを研究している帝都大学の研究室の助手である。 助手という肩書であるが、年齢が若いからであり、本来なら教授相当なのだが・・・
「それで、私の多段式ロケットについてですが。」と、浪人君だ。
「戦闘機のロケット弾への応用ができるかとのことですね。」「え、え、そうです。」
「できないことは、ないんですが大きさがある程度必要なんです。」「そうなんですか。」
「第1段目は直径が6メートルで、2段目が4メートルで・・・」
「待ってください、それでは、戦闘機より太いですよ。」「直径が20センチなんですが。」
「なんと、20センチですか・・・」と浪人君は絶句だ。
「ふむ、20センチですか、いいでしょう乗りかかった舟です。」「なんとか、しましょう。」と、浪人君は佐藤技師へ約束したのである。 全く、自信はなかったんだが、日本の国益のためであると聞いているからだ。
日本の国益のために仕事ができる、少しは国のためになるのだ。 冴えない浪人君にとり、初めての国のための仕事である。 詳細にロケット弾の装備された戦闘機を見て、そして、ロケット弾の現物(模擬火薬が詰まった本物だ、信管は抜いてあるが。)を持って研究室へ帰っていったのである。
さて、浪人君は名前を五十川(イトカワ)研究員という。 帝都大学のロケット研究室の学生兼研究員である。
学費は免除である。 なんせ、ロケットは兵器として将来的に有望であるからだ。 しかし、ここは大学であり、軍隊ではない。 それで、表立っての兵器研究ではないだけである。 それに、五十川研究員は軍人ではないからだ。
しかし、自身の研究が兵器に使われても、それに反論はないのだ。 抑止力を、五十川研究員は理解しているのである。 お花畑の九条信者ではないのだ。 ちなみに、このラノベでは、日本国憲法なんて、米軍が作った憲法は無い。 明治以来の大日本国帝国憲法である。 なんなら、聖徳太子の十七条の憲法でも、十分に通用するのだ。 一度、読んでみると通用すると理解ができるだろう。
さて、五十川君は直径20センチのロケット弾の前で思案にくれるのだ。 そう、閃きを待っているのである。
考えて、考え抜くと閃くのだ。 ビビビ、ッとくるのだ。
「うう、うう、ううん。」と、唸る五十川君である。 (あまり、唸るとウンチが・・・)
どうしたら、20センチのロケット弾が多段式になるのだ・・・・・
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