B29を撃墜する方法。

ゆみすけ

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迫る、100式。

させるか、マスタング。

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 「いくぞ、ここは勝負をかけるぞ。」と、スロットを上げる、佐々少佐だ。 「くそっ、ロケットなんぞ、撃たせてたまるか。」と、アームストロングもスロットを上げる。 なんせ、ロケットはロケットエンジンで飛ぶのだ。 速さもハンパ無いのだ。 だた、飛ぶ距離が短いのである。 理由は戦闘機の載せるのだ。 大きさも限られるのだ。 ロケットの固形燃料も軽くは無い。 それで、100式は迫ってくるのだ。 させるか、と逃げるマスタングだ。 これは、最初の戦闘と同じではないか。 「時間制限のブーストを駆けるぞ。」と、アームストロング隊長が指示する。 排気タービンの高回転は時間制限があるのだ。 5分も無い。 3分がギリだ。 「ここは、モンキー野郎の戦闘機か、我がマスタングか勝負だ。」と、危険ゾーンへスロットを入れる。 つまり、3分で逃げ切るつもりのアームストロングだ。 ロケットを撃たれたら、逃げ切れないのだ。 もちろん、命中するとは限らないが、命中したら積みである。 米軍の敗残だ。 海軍の空母戦闘機乗りとして、それは避けたいアームストロング隊長である。 その3分の間を作り、反撃の機会を狙うのだ。 マスタングの6連装13ミリ、ブローニング機銃は伊達ではない。 100式は同軸機銃だが、1丁なのである。 翼は、ガランドウの100式である。 ロケットは胴体の下から1発が撃てるのだ。 1発だ、切り札なのである。 もちろん、自己誘導のロケットである。 自己誘導だから、撃ちっぱなしでOKだ。 「また、また、両軍は追っかけっこを始めました。」と、司会者が拡声器で駄弁る。 「1回戦の反対ですね。」と、解説者だ。 日本軍が米軍を追っかけてるのだ。 ところが、だいたい最高速度もトントンな両軍だ。 なかなか、距離が縮まらない。 「くそっ、これではエンジンが火を噴いて・・・」と、イヤな予感しかしないアームストロングだ。 そのときだ、日本軍が急回転で反転したのだ。 このままでは、日本軍もエンジンが・・・赤ランプ点灯で終わりだ。 それで、反転したのである。 つまり、先回りである。 模擬空戦は会場の上という、ルールがあるのだ。 少しは、はみ出してもいいが。 とんでもなくはみ出すと、失格なのだ。 理由は見物ができないからである。 見せるための模擬空戦なのである。 見せなければ、売り上げが・・・ ドイツ帝国も国家の威信をかけた大会だ。 予算も膨大である。 少しは回収したいのだ。 欲を言えば、儲けたいのも山々なのだ。 このルールは欧州で大会が開催されて、できたルールである。 (欧州は金には汚いのである。) 「あっ、日本軍が反転しましたよ。」と、司会者が叫ぶ。  「これは、勝負が決まりますかね。」と、解説者だ。 マスタングと100式が、向かい合う形となった。 「いいか、みんな、6連装の威力を見せてやれ。」と、叫ぶアームストロングだ。 「距離、400で、ロケットを撃つぞ。」と、佐々少佐が叫んだ。 
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