B２９を撃墜する方法。

戦闘機同士の戦いだーーーーーっ。

爆撃機なんて、イラネー。

　まずは、マスタングが５機、きれいな編隊を組んで離陸したのだ。　マスタングは英国製の液冷エンジン１２気筒である。　そして、排気タービンが３段である。　ガソリンをバカ喰いなのだ。　しかし、層流翼の太いところにタンクがあり、それなりの飛行時間である。　「先手は米軍からですか。」と、司会者だ。　「まあ、そこはマスタングですからね。」と、訳の分からない解説の軍事有識者である。　（マジで、胡散臭いんだが、この有識者というのが。）　やがて、欲張り型（１００式戦闘機だ。）がエプロンからタキシングして、滑走路へでる。　「キーーーーーン。」と、エンジン音が高鳴る。　「おや、日本軍も排気タービン機ですな。」と、司会者だ。　「そのようですな、最近はターボでないと、戦闘機ではないようになりましたな。」と、時代を述べる有識者である。　「まもなく、日本軍の欲張り戦闘機が上がれば、模擬戦の開始です。」「あと、少々ですので、みなさん・・・」と、定番の放送である。　「ところで、戦闘機同士の模擬空戦では、ルールは？」と、司会者だ。　「それは、模擬弾は変りませんが、どうしても空中衝突の危険はあります。」と、解説者だ。　「そういえば、そうですね。」「なにか、予防に方策はあるんですか。」と、司会者である。　「さあ～、そこまでは・・・」と両者で勝手な言い分である。　まあ、時間潰しであるのだ。　なかなか、日本軍が離陸しないからだ。　「ここで、ニュースです。」と、出されたメモを読む司会者である。　「欲張り型にトラブルのようです。」「あまり、詳細は軍事機密ですので述べられませんが。」と続ける。　「あっ、エンズトしたようです。」「どうやら、牽引車がでてきましたから、これは・・」「やはり、中止です。」「黄色い旗が振られています。」と、司会者が駄弁る。　「ここまで来て、中止ですか残念ですね。」と、ギャラが出なくなると心配な解説者だ。　牽引車をつないで、格納庫へ戻る日本軍である。　「日の丸の鉢巻までして、残念ですな。」と、解説だ。　「やはり、新型ですから運用上のトラブルじゃないですかね。」「なんせ、欲張り型ですから欲張り過ぎたとか・・・」と、勝手な言い分をする解説者である。　「あっ、大会役員から延期の連絡が入りました、え、え、とですね。」「今回は日延べだそうです、チケットは使えるそうです。」「開催は追ってラジオ放送で告げるそうです。」と、残念な報告となった。　「ここで、米軍が観客の皆さんへ、アクロバット飛行を・・・」と、サービス精神旺盛な米軍だ。　文句がでそうだった大観衆も、すこしは収まったようである。　なんせ、５機のマスタングの華麗なアクロバット飛行である。　５機編隊で華麗な演技である。　今期大会で、非常に残念な日本軍であり、いいところが全くない日本軍であったのだ。