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イタリー軍の戦闘機。
戦闘機は悪くないんだが・・・
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イタリーは地中海に面している。 そして、長靴の形の半島である。 かつては、古代ローマ帝国の首都があったところである。 なら、イタリー軍は、あのローマ軍の流れを汲むのか! となるが・・・ あまりに、年月が経ちすぎたのだ。 もう、イタリーに古代ローマ軍の欠片も残っていないのだ。 まあ、遺跡は残っているが・・ 半島なら、海洋国家なのか? いや、海軍は・・・古代ローマ軍も海軍はショボかった。 やはり、陸軍のローマ軍団なのだ。 では、イタリーの今は? 戦闘機は、悪くないのだ。 エンジンは水冷12気筒だ。 戦闘機のプロペラスピナーからのモーターカノン機関砲は、命中すれば敵の翼がもげるほどだ。 そう、命中すればなのだ・・・ まあ、イタリー軍が弱いのはヒトラーも手を焼いたことだろう。 なんせ、ロンメルがアフリカ遠征の元凶は英軍に戦争を吹っかけて敗残したイタリー軍のせいなのだ。 とにかく、イタリー軍はナンパなのである。 まずは、ナンパに始まり、ナンパで終わるのだ。 なには無くても、ナンパはあるイタリーである。 しかし、さすがのイタリー軍も、鉄壁のゲルマン民族、ドイツ娘には勝てなかったようだ。(ナンパとは、あのナンパである、つまりオナゴを誘うアレなのだ。)ティアーモ(愛してる)を連発する、イタリー軍のナンパだが、古代ローマ軍がゲルマン人に手を焼いたように、ゲルマンのドイツ娘には歯が立たなかったようである。 それで、無事に今日の模擬空戦となったわけであるのだ。 「おい、ソ連軍が飛び立つぞ。」と、見物人だ。 武骨な双発爆撃機が、武骨に飛び立つ。 爆撃機の諸元や性能は情報が流れていないのだ。 それで、全く不明だが、双発だから・・・ 脅威はないようだ。 そこは、陽気なナンパのイタリー軍だ。 イスパノ戦闘機は、なかなかもモノなのだが・・ チャラ男よろしく、軽快に飛び立つイタリー軍である。 まあ、双方とも模擬弾は大会役員が確認ずみだ。 間違っても、戦死はないのだ。 事故死は別であるが。 「こちら、ジョバンニだ。」と、イタリー軍の隊長が指示をだす。 「1番機から、1番機は正攻法で様子を見る、そして、2番機が、その対策を試みる、いいな。」と、指示だ。 「1番機了解。」「2番了解。」と、なかなかの指示である。 ちなみに、イスパノ戦闘機は単座だ。 つまり1人乗りである。 ロケットは装備していないようだ。 なぜなら、機体にぶらさがってないからだ。 「1番、ジェラトーニ行きます。」1番機がソ連のカモ番機(5番機)へ、後ろ後方から攻撃である。 「ダ、ダ、ダ、ダ。」と、モーターカノンが炸裂する。 模擬弾といえども、20ミリカノン砲だ。 それなりに威力はある。 しかし、しかしだ。 なかなか命中しないのだ。 「なにやってる、ジェラトーニ。」と、激を飛ばすジョバンニだ。 「いや、狙ってるんですが・・」と、ジェラトーニである。 「では、2番機、上からだ。」「了解です。」 と、2番機が斜め上から攻撃だ。 しかし、しかしだ。 模擬弾が・・・ まてよ、抜けるんだ。 ジョバンニはソ連軍の作戦を見切った。 そう、見切ったのだ。 なぜ、模擬弾が命中しないかをである。 「まて、ジェラトーニ、やつらの作戦がわかったぞ。」と、ジョバンニだ。 「なんですか、隊長。」と、ジョバンニだ。 「ヤツらの機体は武骨に見えるが、それがヤツらの作戦だ。」 「よく、わかりませんが。」 と、ジェラトーニだ。 「いいか、よく機体を見るんだ。」と、ジョバンニだ。 「あっ・・・」と絶句するジェラトーニだ。
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