269 / 344
英軍が日本軍へ・・・
一番の脅威は腐ったオンナだ。
しおりを挟む
明治維新、それは、突然やってきた。 まさに、徳川300年の平穏を揺るがす災難だ。 なぜ、災難といったか。 明治以来、大東亜戦争で負けるまで、わが国は戦争ばかりだ。 日清、日露、シベリア出兵、ノモンハン、シナ事変、そして対米戦だ。 まだ、他にもあるのだが・・・戦争ばかりである。 覇権国家ばかりの当時は、日本が滅ぼされないためなのである。 国体(国民体育大会では無い。)を維持するためである。 2600年以上の歴史が絶えないためである。 それが、世界最古の現存するクニの姿である。 しかし、戦争は、大量殺人へと姿をかえつつあった。 現在も食糧危機が迫っている。 おそらく、食うための戦争が始まる。 大量破壊兵器の発達は防がねばならない。 そして、技術の戦いへと方向性を替えた世界となりつつあった。 戦死がない戦争なのだ。 模擬戦争である。 もう、戦死がある戦争には戻りたくはない、各国である。 まあ、不慮の事故死は、なくならないが。 ヒトはいつかは死ぬのである。 遅いか早いかの差だ。 そして、次の世代へ引き継がれるのだ。 その模擬戦争が、ドイツでの開催だ。 ドイツの仮想敵国は英国である。 ドーバーを挟んでにらみ合って、数十年、いや数百年である。 数千年かな・・・ 「英国から、特使が・・」と、豆粒真空管開発会社へ連絡が入った。 「どうして、わが社へ?」と、不安げな幹部社員だ。 「我が国と英国とは、同盟があるからかな。」「たぶん、そんなことかな。」「しかし、技術的な問題はないはずだが。」「あ、あ、英国人では手を焼くらしいから、輸入に頼ると聞いたんだが。」 「では、なにかな?」 ・・・来訪したのは、英国人の技師で、サイモンというらしい。 博士だそうだ。 「ドクトル・サイモン、お会いできて光栄です。」 「いえ、わたしの方こそ・・」 と、サイモン博士は続ける。 「じつは、この豆粒真空管を造れないかと。」と、設計図を見せる。 まあ、青色コピーである。(青焼きというやつだ。) 「これは、複合設計ですか。」「え、え、裏と表が回路が違い、アクリル樹脂で固めるんですが。」 「これは、なんとも言えんですな。」「少し待ってください。」「おい、杉野君を呼んでくれ。」 そして、しばらくして杉野女子が顔を出す。 「主任、なんですか今、手が離せないので・・・」と、外国人がいたから沈黙だ。 「いいや、博士は英国人だ。」ホッとする杉野だ。 「君、これが造れそうかね。」と、青焼きを見せる。 「ん、そうですね、1個なら三日いただければ。」その回答に博士が・・・ 「ぜひ、おねがいしたい。」「追加の賃金は割り増しでも払うから。」「いえ、金じゃないいんで。」と、遮る杉野だ。 彼女の匠の、腐った部分が・・ そう、杉野は腐女子だったのだ。 もちろん、メガネ女だ。 ペチャで、ブーな腐ったオンナである。 しかし、豆粒真空管は彼女なくしては語れない。 そう、日本の軍事技術は、腐ったオンナが支えているのだ。
1
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
満州国馬賊討伐飛行隊
ゆみすけ
歴史・時代
満州国は、日本が作った対ソ連の干渉となる国であった。 未開の不毛の地であった。 無法の馬賊どもが闊歩する草原が広がる地だ。 そこに、農業開発開墾団が入植してくる。 とうぜん、馬賊と激しい勢力争いとなる。 馬賊は機動性を武器に、なかなか殲滅できなかった。 それで、入植者保護のため満州政府が宗主国である日本国へ馬賊討伐を要請したのである。 それに答えたのが馬賊専門の討伐飛行隊である。
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
零式輸送機、満州の空を飛ぶ。
ゆみすけ
歴史・時代
ダクラスDC-3輸送機を米国からライセンスを買って製造した大日本帝国。 ソ連の侵攻を防ぐ防壁として建国した満州国。 しかし、南はシナの軍閥が・・・ソ連の脅威は深まるばかりだ。 開拓村も馬賊に襲われて・・・東北出身の開拓団は風前の灯だった・・・
織田信長IF… 天下統一再び!!
華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。
この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。
主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。
※この物語はフィクションです。
【架空戦記】蒲生の忠
糸冬
歴史・時代
天正十年六月二日、本能寺にて織田信長、死す――。
明智光秀は、腹心の明智秀満の進言を受けて決起当初の腹案を変更し、ごく少勢による奇襲により信長の命を狙う策を敢行する。
その結果、本能寺の信長、そして妙覚寺の織田信忠は、抵抗の暇もなく首級を挙げられる。
両名の首級を四条河原にさらした光秀は、織田政権の崩壊を満天下に明らかとし、畿内にて急速に地歩を固めていく。
一方、近江国日野の所領にいた蒲生賦秀(のちの氏郷)は、信長の悲報を知るや、亡き信長の家族を伊勢国松ヶ島城の織田信雄の元に送り届けるべく安土城に迎えに走る。
だが、瀬田の唐橋を無傷で確保した明智秀満の軍勢が安土城に急速に迫ったため、女子供を連れての逃避行は不可能となる。
かくなる上は、戦うより他に道はなし。
信長の遺した安土城を舞台に、若き闘将・蒲生賦秀の活躍が始まる。
劉禅が勝つ三国志
みらいつりびと
歴史・時代
中国の三国時代、炎興元年(263年)、蜀の第二代皇帝、劉禅は魏の大軍に首府成都を攻められ、降伏する。
蜀は滅亡し、劉禅は幽州の安楽県で安楽公に封じられる。
私は道を誤ったのだろうか、と後悔しながら、泰始七年(271年)、劉禅は六十五歳で生涯を終える。
ところが、劉禅は前世の記憶を持ったまま、再び劉禅として誕生する。
ときは建安十二年(207年)。
蜀による三国統一をめざし、劉禅のやり直し三国志が始まる。
第1部は劉禅が魏滅の戦略を立てるまでです。全8回。
第2部は劉禅が成都を落とすまでです。全12回。
第3部は劉禅が夏候淵軍に勝つまでです。全11回。
第4部は劉禅が曹操を倒し、新秩序を打ち立てるまで。全8回。第39話が全4部の最終回です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる