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ドイツ大会が決まる。
とうとう、ドイツでの決戦だ。
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国際通信部の通信員が、「ドイツ大会が正式に決まったと連絡です。」と、通信文を軍部へ・・「そうか、やっと決定か。」「やけに、もたついていたが。」「それは、なんせドイツだから。」「ゲルマンだから。」 と、色々あるようである。 「ところで、空母の着艦はうまくいったのか?」 「いや、確か今日が。。」 そうなのだ、今日がメインギアー(主脚)への牽引フックを取り付けての実験なのだ。 「いいか、間違っても脚を入れるなよ。」「わかってますよ。」と、操縦士との打ち合わせである。 もちろん、地上に線を引いての地上実験は成功してるのだ。 「エンジン回転、安定しました。」「うむ。」「ブレーキ外します。」「うむ。」「エンジン上げ~。」「エンジン回転上げます。」 陸軍四発爆撃機は、スルスルと滑り出した。 離陸と着陸は機長が操縦である。 「フルスロットだ。」「フルスロット了解。」 轟音を蹴立てて機体は空へ上がる。 そして、洋上の空母艦隊を目指すのだ。 「いたぞ。」 眼下に4隻の空母がつながっている。 「なかなかの眺めだな。」「あれだけ、あれば十分だな。」 「さて、今度は、しっかりといくぞ。」 前回は、お尻が取れてしまったのだ。 「よし、空母の着艦コースに乗ったぞ。」 「角度よろし~。」「やや、右。」「もどせ~」 まるで、操船だな。 空母からの指向性電波を受信してコース修正しているのだ。 「牽引フック降ろせ。」「確認よろし。」 機体は失速寸前を空母の飛行甲板に、「ドウウウウンン。」と、降ろしたのだ。 「落下傘だせーっ。」「落下傘出しました。」 これは、停止するための抵抗として使う落下傘だ。 「ブレーキを懸ける。」と、機長だ。 もちろん、ポンピングブレーキだ。 まだ、アンチロック装置は開発されていない。 ABSは、航空機の着陸ブレーキからはじまったのだ。 「牽引フックはもちそうか。」と、機長が。「メインギアー破損ありません。」と、コパイだ。 あっという間に、空母の3隻目の甲板だ。 思わず、冷や汗が、もうタッチ・アンド・ゴーは無理だ。 最悪、海にドボンだ。 「なむさん。」と、ブレーキレバーを握る機長だ。 やはり、爆撃機は無理なのか・・・と、心に思った瞬間、ピタリと機が停止した。 「止まった。」 「止まったぞ。」 見ると、4隻目の甲板中ほどである。 機長、コパイとも無言だ。 気疲れしたのだ。 はっきり言って、フラフラなのだ。 帽子とヘッドセットを外した。 「ふ~ぅ。」と溜息だ。 通信員が、「大丈夫かと無線ですが。」「あ、あ、生きてると、伝えてくれ。」 これほど疲れたのは、何年ぶりかな。 「もう、救命胴衣は脱いでも?」と、機銃員が・・ 「あ、あ、皆、ごくろうだった、休んでくれ。」そういうのが、精一杯の機長であった。
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