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ロケットの切り札。
予備の誘導装置。
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すこし、前のことだ。 英国大会への参加が決まり、ロケットの説明会でのことだ。 「で、誘導装置なんですが・・・」と、電波妨害装置と電波探信儀との相互作用の説明である。 参加していた隊員らは、頭が痛くなる。 彼らは技師ではない。 「そして、これは予備の誘導装置です。」 と、主任が。 「これは、敵が同じ妨害装置を作動させた場合の予備装置ですが・・」と、話が続く。 難しいはなしだが、要約すると、偵察員からの無線誘導が妨害されて使えなった場合の苦肉の策らしい。 ロケットの内部に誘導装置が組み込んであるのだ。 それは、現在なら赤外線ホーミングミサイルだが・・ まだ、赤外線検知装置は開発されていなかった。 それで、音声誘導装置である。 つまり、爆撃機のエンジン音を捕らえて、それに向かって飛行するロケットである。 なら、初めからソレにすれば、となるが欠点があるのだ。 無線誘導はど正確ではないのだ。 つまり、命中率が悪かったのだ。 まあ、半分当たればいいほうだったのだ。 勝率5割ということだ。 無線誘導が命中率が10割なのだ。 割が悪かったのである。 しかし、相手は、アノ米軍だ。 備えあれば、憂いなしである。 「ここは、予備の誘導装置しかない。」 そう判断した隊長である。 「ここは、予備誘導装置を使うぞ。」 「隊長、どうすれば?」 「確か、黄色いボタンだったかな・・・」 自信がない隊長だ。 あのとき、よく話を聞いておくんだった・・・ 今更、である。 しかし、ウカウカしたいていると米軍の機銃でヤラれてしまうのだ。 なんせ、1機あたりのグレートイーグルに6丁の20ミリがあるのだ。 5機だから、30本の20ミリ機銃の弾幕である。 そこに突っ込むなぞ、自殺行為である。 だから、ロケット攻撃なんだが・・・ 「用意はいいか?」 偵察員が黄色いボタンを押す。 「予備装置が働きました。」と報告だ。 「よし、距離400でいくぞ。」 「おう。」 追撃戦闘機、月光が迫る。 「くるぞーっ、電波妨害の出力をあげろ。」と、米軍の機長が・・ 「ロケット、てーっ。」と月光の隊長機から・・ 5機の追撃戦闘機から噴煙をあげてロケットが飛びだした。 「ヤツら、撃ちやがったぞ。」と、尾部機銃員だ。 「うむ。」と、電波探信儀を観ていた偵察員が、警戒する。 「妨害電波だ。」と、機長が叫ぶ。 「効きません。」と、偵察員だ。 「何かにつかまれーっ。」と、偵察員が叫んだ。 「ん、ん、なんだ?」 「いかん、エンジンが1基やられた。」と、機長が叫んだ。 しかし、そこはグレートイーグルだ、1基のエンジンくらいでは微動だにしないのである。 「しかし、1基だけでよかったな。」 「そうですね、2基なら、さすがに・・」 ・・・「隊長、1基のエンジンに命中しました。」 「5発で1基のエンジンか。」 「まだ、4発あるぞ。」と僚機からだ。 「うむ、よし、なんとか1機の撃墜判定を盗るぞ。」と、隊長機はスロットを上げる・・・
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