B29を撃墜する方法。

ゆみすけ

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パルス信号との違い。

まあ、同じ作用をしますが、省エネなんですよ。

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 「それは、パルス信号ですよ。」と解説を始めた。 妨害電波の装置は大電力が必要です。」 「うむ。」 「ですが、戦闘時にはエンジンがヤラれて片肺飛行もありえます。」 「うむ。」 「片肺(エンジンが片方だけ動く)では、発電量もすくないです。」 「うむ。」 「それで、緊急時の動作を考えました。」 「機械モノは始動には大電流ですが、電子機器はソレはありませんからね。」 エンジン始動には大電流をバッテリーから獲る。 (その弊害からエンジンのアイドルストップをヤメたトヨタ自動車だ。) しかし、エンジンと違い機械のロス(摩擦など)がない電子機器は弊害がないのだ。 「それで、電気を一時コンデンサーへ溜めてパルス信号で。」 「そんな、大電流に耐えれるコンデンサーがあるのか?」と英国技師が驚く。  マジな話だが、日本製コンデンサーは世界一なのは過言ではない。 中華の安物は、耐久性が無く、経年変化にモロいのだ。 数年もたない。 パソコンのマザーボードにはコンデンサーが大量に使かわれている。 値段が高額ほど、日本製コンデンサーが使われているのだ。 コンデンサーは絶縁体と導体を重ねてできている。 安定した工作精度が求められるのだ。 「つまり、エンジン不調をあらかじめ備えていたのか。」 と、驚く英軍技師だ。 「え、え、なにがあるか、わからないのが戦場ですからね。」 「備えは万全ですよ。」と、太鼓判を押す日本の技師である。 「まあ、機器の本体が破壊されない限りはね。」と、親指を立ててポーズを取る。 「では、ツェツペルン相手にも完勝だな。」と大喜びに英軍であったが・・・ 相手が、あのツェツペルンだ。 日本の技師は、あわてて、「油断はしないでください、日本の機器は、あくまで手助けするだけですからね。」と念を押す。 「機器が模擬空戦を戦うわけではないんですよ。」と加える。 「それに、そこまで当てにされると、不安にもなりますから・・・」 当然である。 「でも、戦闘機用の妨害電波発生機器は大きさの関係で、あまり備えはしてないですから、用心してください。」 「ふむ、了解した。」と納得する英軍であった。 そして、妨害装置の隠し技を披露する日本の技師だった。 それは、模擬空戦が始まってから明らかになるであろう・・・ 日本人技師は英軍の偵察員へ、機器の取り扱いについて再度の教示である。 偵察員は飛行機の操縦より、電子機器の扱いに興味があり偵察員を希望した者ばかりだ。 ようは、英国人のオタクだあった。 それで、的を射た会話が弾んだのだ。 「その、妨害電波の跳ね返り効果について、再度の説明を・・」と、なかなかツボを射た質問が・・ さすがに、あまりの軍事機密はしゃべれない日本の技師だから、言葉に詰まる。 「いいですか、電波妨害は敵にも効果がありますが、自軍も妨害されるということです、それを忘れてはいけません。」と、当然の事を説明する。 これが、いざとなると忘れがちになるのだ。 敵への妨害が、自身への妨害になってしまうのだ。 「ですから、このパルス同期装置があるんです。」 「この同期装置で妨害電波の信号の合間をぬって誘導電波を送るんです。」 なんと、日本軍は、アンチ妨害装置まで開発していたのか! 著者も唖然であるのだ・・・とても、著者の電子工学の知識では理解不能なのだ。   
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