B29を撃墜する方法。

ゆみすけ

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ドイツ側の提案。

やり直し、それともリベンジなのか?

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 「また、ドローかよ。」 と見物人がぼやいた。 そう、賭けが成立しないからだ。 ドイツ対英軍のである。 これでは、胴元、いや英国大会委員が困るのだ。 莫大な金が動くのだが、それがパーである。 しかし、負けたわけではない。 引き分けである。 つまり、軍事力が拮抗しているのだ。 実際に戦争となると、双方が手痛い傷を負うこととなる。 それが、抑止力となり、戦争となる国民の声を防ぐのである。 ところが、これでは、ドローでは不満なドイツ帝国であった。 ロケットは英軍の爆撃機に突き刺さっているのだ。 これで、ドローかよ・・・ である。 「我が国のロケットは間違いなく英軍機を墜としてるんです。」 「そうだ!」 「我が国は、負けてはいない、ドローなんて認めないぞ。」 「そうだ!」 「ここは、再戦しかない。」 「そうだ!」 どうやら、ドイツ帝国国民は乗せられ易いようである。 英国に派遣されているドイツ帝国軍へ本国から密命が下る。 「英軍を1機、必ず撃破せよ。」 とだ。 つまり、1機の撃墜判定を必ず獲れ、というドイツ帝国皇帝の厳命が下ったのだ。 そして、それに答える自信がドイツ技師にはあったのだ。 とかく、英国相手には燃える、ドイツである。 ドイツにとりフランスは数には入ってないのだ。 フランスはパリジェンヌしか見るべきものがないのである。 まあ、ワインなどの飲むべきモノはあるのだが・・ 英国相手にはゲルマンの血がたぎるドイツである。 「緊急動議を入れたい。」 とドイツ役員が申請である。 これには、英国も賛同した。 賭けがドローでは・・・ だからだが。 そう、英国は賭けにはウルサイ国なのだ。 土曜の夜の勝負は、欠かしたことが無い英国紳士は多い。 そして、賭けの勝負がドローでは、配当金が・・・ それで、英国の大会役員の再戦に賛成したのである。 まあ、再戦に反対を唱える国はなかったのだが・・・ それで、再戦の用意期間を3日間設けて、ドイツ対英軍の再戦が開催となったのである。 そして、賭けのキップは、そのままとなったのだ。 いまさら、再販など混乱するからだ。 「三日後にドイツ対英軍の模擬空戦を再開いたします。」と拡声器が広報に余念がない。 ・・・ ドイツ軍の格納庫では、技師らがドラ焼き型戦闘機のロケット誘導装置の調整の最中である。 「いいか、これが英軍の妨害電波だぞ。」 「あ、あ、受信している。」 「まあ、なんともはや、これだけ広い帯域だと解析が難しいな。」 「ところで、例の新しい検波方式はどうだろう。」 「アレか。」 「まだ、実験段階だぞ。」 「うむ、しかし英軍の妨害電波を潜り抜けなければならんのだ。」 「でないと、またロケットが観客に墜ちないように爆破しないと・・」 「それでは、我らの敗北だ。」 「それは、避けねばならない。」 「仕方がない、実験段階だが、アレを使うか・・」 ・・・そして、英軍の格納庫である。 「日本から、新たな機器は手に入ったか。」 「あ、あ、なんとか手に入れたが、説得にかなりの金が・・・」「この際だ、仕方がないな。」「日本の豆粒真空管は、とてもマネできないからな。」 そう言って、主任技師は新しい機器を爆撃機の偵察員席に取り付けた。 「そうだ、偵察員を呼んできてくれ。」 「了解だ。」 「説明書が日本語だから、偵察員では読めないからな。」 と日本語が読める主任技師がいう。 英国の技師は、最初に日本語を勉学するのだ。 なんせ、教本が日本語だからである。 そして、日本の退役した技術将校が教鞭を取るのである。 今日と真逆なのだ。 欧州の白人が日本語を学ばねばならないのである、(技師や軍事兵器開発を目指す者はである。)
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