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この、チャンスを逃すな!
英軍のスキを突くのだ。
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「おい、ミンナこれは、チャンスだぞ。」 とドイツ軍の隊長が叫んだ。 「英軍が右往左往しているスキを突くんだ。」 「おう。」と僚機が答える。 「で、ロケットは、どれほど残っている。」 と隊長が聞く。 「え、え、と~っ。」 答えが返ってこない。 「どうしたんだ?」 と隊長だ。 「不発で飛ばなかったヤツが1発ありますが・・・」 「なんだと、あれほど・・」 「まあいい、その1発は誰だ。」 「3番機のウルフマンです。」 「おお、あまえか。」 と隊長だ。 「で、その1発は調子はどうだ。」 「いま、偵察員が点検してます。」 「期待してるぞ。」 「なあ、早くしろよ、英軍が立ち直ってしまうからな。」 「了解です。」 と答えるウルフマンだ。 「どうだ、シュテルン。」 と偵察員へ聞くウルフマンだ。 「いま、反応を調べています。」 「はやく、しろ。」 とウルフマン。 偵察員のシュテルンは信号を不発したロケットに送り、再起動を試みる。 が、なかなか反応が返ってこないのだ。 これが、地上ならロケットの胴体を調べられるんだが、ここは上だ。 地上から300ほど上なのだ。 5回ほど信号を送った。 もう、電池が残り少ない。 「くそっ、これが最後だ。」 と蓄電池に電気をためて、信号をロケットの回路へ送る。 「ピキ~ン。」と反応が返ってきた。 「OKです、いつでもいけます。」 とウルフマンへ答える。 「でかした、シュテルン。」 「隊長、ロケットが撃てます。」 と3番機のウルフマンが答える。 「おお、でかしたぞ、いいか最後の1発だ、外すなよ。」 とプレッシャーが・・・ しかし、ドイツの栄光がウルフマンに掛かってるんだ。 エンジンスロットを限界まで上げる。 煙を吐いていた英軍の爆撃機は煙がおさまったようである。 「ぐずぐずしてたら修理されるぞ。」 と隊長機がハッパを賭ける。 この1発にドイツ帝国の栄光がかかっている。 そのころ、「おい、火は消えだぞ。」 「装置は、どうだ。」 「ハイッ、いま点検を。」 「そんな暇はないぞ。」 「1機、向かってくるぞ。」 「点検はいいから装置のスイットを入れろ。」 「わかりました。」 英軍の偵察員は、火が消えたばかりの装置のスイッチを入れた。 と、同時にドイツ軍の3番機から残りのロケットが1発、轟音をたてて発射された。 「いけ~ぇい。」 とウルフマンが叫んだ。 果たして、勝利の女神は、英国かドイツ帝国か、どちらにほほ笑むのか・・・・ ここで、話は3ヶ月ほど、戻る。 そして、場所は日本の軍事機器開発会社である。 電波探信儀が専門だが、同時に電波妨害装置も開発している。 そして、陸軍の四発爆撃機へ搭載しての実験である。 戦闘機のゼロヨンが迫る。 「妨害装置入れろ。」 と機長が指示する。 同時に、模擬ロケットがゼロヨンから発射だ。 ギリでロケットをかわせた爆撃機だ。 「いかん、これではギリだ。」 「出力をあげますか。」 電波は出力が大きいほど遠くまで届くのだ。 暗い電灯より、明るい電灯と同じである。 光と電波は、同じようなモノである。 すると、ロケットは、ギリでなく、かわせたのだが・・・ 機器が火を噴いたのだ。 出力真空管に過大な電流が流れたのである。 そして、加熱して火が出たのだ。 しかし、出力真空管を電流に耐えれれるモノにすると巨大になり、機内に入らない。 「そうだ、火を噴いたら交換すればいいんだ。」 と、閃いたのだ。 まあ、予備回路を作るのだ。 そうすれば、過大電流で破壊されても、もう一度使えるのだ。 こうして、日本の機器は予備回路が付けられたのである。 ・・・ そして、英国へ渡された機器にも、当然に予備回路が付いてるのだ。 そして、火を噴いて壊れた電波妨害装置は予備回路が働いて、機能するのである。 恐るべし、日本の機器。 恐るべし、日本の技術陣。 そうなのだ、勝利の女神は日本の技術陣へほほ笑んだのである。
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