B２９を撃墜する方法。

これが、真の威力なのか・・・

穴が、穴が・・・

　煙が立ち込める。　風の関係からか、観客が多いほうに・・・　まあ、爆発の煙だが、毒ではない。　あまり、お勧めはしないが。　事前に拡声器で煙は広報してあり、文句をいうヤツは少なかったんだが・・　「まだ、煙は晴れないのか。」　と興味深々の大観衆である。　グレートイーグルの尾翼はデカイから、距離があっても十分に観ることができる。　そして、自然に煙幕は晴れたのである。　「お、お、これは、なんとも、はや・・」　と絶句する大観衆である。　尾翼が、尾翼が、無い・・・・　そうなのだ、爆薬が装填されたロケットが命中したら、その爆発で、あのデカイ尾翼が根元から消し飛んでいたのだ。　残ったのは胴体のお尻が、輪切りになって残っている。　つまり、グレートイーグルの後ろの部分である。　「シ～～～～ン。」　と沈黙が流れた。　そして、しばらくして、「ウオーーーーッ。」　と歓声が上がった。　そう、結果は明白なのだ。　日本軍のロケットは1機のグレートイーグルを撃墜したのは間違いないとの結論が出たのである。　そして、集計だ。　前半の日本軍の爆撃機と米軍の戦闘機の戦いは、銃弾の当たった見分により、1機の爆撃機が撃墜となった。　そして、後半の米軍の爆撃機を日本軍は1機、撃墜している。　「なんだ、またドローかよ。」　と予想屋が・・・　はずれの掛札が花びらのように風に舞い上がる。　ドローの札を持った観衆が（数は少ない。）配当金分配所に列をつくった。　しかし、観衆は満足して家路についたのである。　爆発して飛散する米軍の爆撃機の尾翼を観たのだから。　「しかし、戦争とは怖いモノだな。」　「そうだな、オレは兵隊じゃないから、わからなかったんだが。」　「とても、あんなもの観たら戦争にはいけないよ。」　現実の戦争は悲惨なのだ。　映画や演劇の戦争は芝居だが、現実の戦争は・・・　「しかし、模擬戦争でよかったな。」　と感想を述べるヤツがいる。　それに賛同するヤカラの多いことか。　英国大会で、この実弾実験は大いに盛り上がりを見せた。　これ以降、これと同様な実弾での実験が・・・　そして、この実験が戦争抑止力に貢献したのである。　実際の戦争に従軍した兵隊は、戦場の話をしたがらない。　まず、話さない兵士が多いのだ。　それは、話せないほどの現実があるからだ。　なかには妙なトラウマで、精神を患う兵士も多々いるのである。　そして、この実験以後、ロケット兵器が抑止力として各国の軍事研究の対象になっていったのである。　そして、米軍では、もう黄色い猿という言葉は聞かなくなっていたのだ。　なんせ、勝てないからだ。　負けることもないんだが・・・　3回も勝てないとなると、日本軍と米軍に妙な関係が出来っつあったのである。　それは、互いに力量を認め合うことである。　つまり、お前もなかなかやるな！であるのだ。　米国はガンマンの国である。　背中から撃つヤツはダメな国である。　相手が同等の力量があると、どうなるか・・・　そう、互いに認め合うしかないのである・・・・・・