B２９を撃墜する方法。

英国と米軍。

仲がいいのか、よくないのか？

　英国の技師が米軍の爆撃機に機材を運び込んだ。　ハッチがパカリと開いて（まるで、M字開脚だな。）でかい、マン〇の御開帳・・　いや、スンマセンでした。　腰をかがめすに機内へ入ることができた。　それも、カートごとである。　「日本の倍、いや3倍はあるな。」　技師が、内心で燃費が悪そうだと思ったのである。　（この大きさなら、英国なら６発のエンジンだな。）　「そこに、取り付けてくれ。」　と米軍の技師がいう。　見ると、机が置いてある。　もちろん、床にネジ止めされているが、機材を置く台があるなんて・・・　それも、余裕がある机である。　メモなんか置けそうなほどだ。　英国と米軍は軍事機器の規格が同じである。　それで、机にネジで機材を固定して、同じコネクターのメスをオスのコネクターにハメルだけである。　奥まで、しっかり差し込んだ。　「バッテリーはOKですか。」　と米軍に聞いたら、「あ、あ、いま入れるよ。」　電気がきた。　パイロットランプが点いたからだ。　テストをする。　「あ、あ、ヒースロー管制塔どうぞ。」　「こちら、管制塔、よく聞こえるぞ。」　「ただいまマイクのテスト、テスト。」　といって米軍にOKを出した。　「うむ、では電波探信儀を設営してくれ。」　と米軍だ。　なかなか、注文が多いのである。　ここらでお茶でも、といきたい英国の技師である。　「コーヒーでも、どうだ。」　と米軍だ。　そうだった、米国はコーヒーなのだ。　優雅に紅茶ではないのだ。　　「いえ、今度で。」　と断る英国人気質の英国技師であった・・・　そういえば、日本軍を視察したとき、日本の接待係が「お茶ですか、お紅茶ですか？」　と聞いてきたんだった。　さすが、おもてなしの日本軍と感心したんだった。　まあ、とにかく電波探信儀を取り付けなばならない。　「周波数は、同じでいいですか？」　と聞いたら、「周波数は、水晶発振子があるから、問題ない。」　と米軍がいう。　「これに合うか、見せてください。」　「あ、あ、そこに置いてあるぞ。」　見ると、四角い、将棋のコマくらいの水晶発振子が数個置いてある。　それの1個を取り、機器に取り付けた。　電源はOKである。　スイッチを入れた。　光電管の丸い画面に飛行場の配置が出る。　「いいようですね。」　と言いながら水晶発振子の値をアタマに記憶した。　そして、さりげなく爆撃機を後にしたのだ。　そして、忘れないうちにメモである。　日本軍の電波妨害装置と、この情報とトレードするつもりの英国の技師である。　軍事同盟は英国と米国はある。　そして、英国と日本も軍事同盟はある。　しかし、米国と日本は軍事同盟はないのだ。　そこに付け入る英国である。　なかなかのタヌキである、英国技師なのだ。　もともと、米国は英国の植民地だったのだ。　独立戦争で、独立を勝ち取った米国なのだ。　仲がいいときもあるが、仲が良くないときもあるのである。　互いに、弱点の探り合いは、いつものことなのである・・・・・・