B２９を撃墜する方法。

二度とごめんだ・・・

今回は、助かったが・・

　主任技師が、「ふう、助かった・・・」　と爆撃機から降りた。　やはり、固い地面が、イイらしい。　これ以上堕ちることはないからだ。　英国のロンドン、ヒースロー飛行場のエプロンに駐機することができたのだ。　マジで、焦った主任技師だった。　今回は、燃費型の排気タービンに助けられたのだが・・・　その事実を知ってか、知らずか、何も言わずに宿舎へ向かったのである。　（余程、精神が病んだのだろう。）　英国側がカンタンな歓迎会を催してくれたが、主任技師は姿を現さなかったのだ。　・・・　ところで、米国は大切な機材を海に投棄してしまったが、どうするつもりか？　英国の電波探信儀の製造会社、ロイヤル・カンパニーへ米国の技師が顔を出した。　「先日の電話の件だが。」　「あ、あ、聞いております。」　「それで、電波探信儀は・・」　「現在、組み立て中ですが、規格が違いますので、いいんですか？」　「そんなに、違うのか。」　と米国の技師が聞く。　「わが国は貴国とは、軍事同盟がありますので、提供することは、やぶさかではありませんが。」　「なら、いいだろう。」　と米軍側。　「機体の形状から、大きさが合いませんが。」　「まあ、なんとか、するさ。」　と米軍側だ。　「で、アンテナはいいんですね。」　と英国の会社側だ。　まあ、アンテナは機外についているから投棄できなかったんだが。　「アンテナは、いらない。」　「たしか、周波数は同じだったな。」　「え、え、合わせてあります。」　「それで、いつ提供してもらえるかな？」　「１０日は、かかりますが。」　「うむ、いいだろう。」　米軍は一応、電波探信儀のメドはたったようだ。　米軍の技師は、周波数の発振する水晶を機材を投棄するとき、外しておいたのである。　発振用の水晶は小さいから問題ないのだ。　それで、英国側にも周波数は厳密にはバレないのである。　万が一、英国から日本へ情報が漏れないとも限らないからである。　米軍にとり、日本軍は脅威なのだ。　まさか、１年も待たずに、四発爆撃機を開発するなんて。　「オレ達がグレートイーグルを、どれだけ苦労して開発したか、わかるまい。」　と米軍の技師は誇るのである。　「まさか、黄色い猿が、１年で・・・」　目の前に日本軍の四発爆撃機だ。　思わず、殴り込みをかけようかと・・・　まあ、思い止まる米軍の技師であった。　「しかし、まるで英国の爆撃機だな。」　「外観が、そっくりだ。」　「まさか、中身まで瓜二つじゃないだろうな。」　「英国側は、どうするんだろう・・」　気になった技師は英国軍のエプロンへ顔を出す。　そこには、英国のリバプール爆撃機だ。　もろ、日本機と同じ形だ。　その辺にいた英軍の技師に、「なんか、日本のヤツと似てるな。」　と１発かました。　「あ、あ、米軍の技師か・・」　「そう思うのは当然だな。」　「軍事同盟があるから、初期の設計図は渡しているからな。」　「やはり、そうだったんだ。」　と米軍関係者が残念がるのだった・・・・・