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米軍、焦る。
米軍の戦闘機は一人乗りだ。
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「米軍の戦闘機は、複座はありませんが・・」 そうなのだ、戦闘機は基本、ひとり乗りなのだった。 急降下爆撃機などは、複座で後部機銃があるが・・ とても、戦闘機には使えない。 運動性能が違うからである。 双発戦闘機はあるが・・ 複座の戦闘機がない米軍だった。 「いまさら、間に合わないぞ、戦闘機は空母でいいんじゃないか。」 「そうだ、そのための空母だ。」 「まあ、英国までの洋行はグレートイーグルで、できそうだしな。」 なんか、イイくるめられた実感しかないが・・ 「機内にドラム缶を詰め込めば、なんとか英国までは飛べますよ。」 と技師が言う。 「まあ、日本の爆撃機がやっていたので、我らにもできるんじゃあ・・」 「当たり前だ。」 米国だから、クラッカーはでないのだ。 (前田のクラッカーは日本だけなのだ。) 燃費が最悪に悪いグレートイーグルだが、増槽かわりのドラム缶を7個も積んで、ニューヨーク飛行場を飛び立った。 もちろん、軍事基地ではないが、米国民に見せるためだ。 日本が洋行飛行をやってのけたのだ。 いまさら、フネで爆撃機を分解して運べない米国なのだ。 国民に見せなければならない。(選挙のためであるのだ。) 国民の理解を得られなければ、軍備も配備できないのである。 5機のグレートイーグルは1機あたり7個のドラム缶を飲み込んで、やっとのことで離陸したのであった。 そして、戦闘機は空母で運んでいったのである。 まだ、この時代はGPSもロランの無い。 そこで、米国は大西洋の真ん中にフネを浮かべて、電波を出して、目標としたのであった。 これは、高高度を飛行するグレートイーグルで初めて出来たことであった。 地球は丸いのである。 丸いから、海上や地上では水平線までし目標電波は届かないが、高度があれば遠方までOKなのである。 そして、グレートイーグルの機内では、機銃手が重労働であった。 そう、ドラム缶からの燃料給油である。 手回しの給油ポンプを廻すのだが、大食いのエンジンだ。 「もう、腕が限界だ~。」 模擬弾で敵機を狙っている方が、どんだけ楽なことか・・・ 「えっ、もうドラム缶がカラと・・・」 「でも、計算では7缶あれば十分だと。」 しかし、排気タービンのエンジンは思いの他、ガソリンが・・・ 「どうすんだ。」 「ここは、海の上だぞ。」 「仕方がない、模擬爆弾を投下しろ。」 「カラのドラム缶も廃棄するんだ。」 「できるだけ、軽くするんだ。」 「おい、それは、その電子機器も廃棄するんか。」 「堕ちるより、いいはずだ。」 返答できない航空士だった。 電波探信儀や誘導電波装置も海の藻屑であった・・・ まあ、それで、なんとかロンドンのヒースロー飛行場まで飛べたのだが。 「模擬爆弾は英国から調達できるが、電波探信儀は、どうすんだ?」 「まあ、オレに考えがあるからさ。」 と言い含められる機長だった・・・・・・・
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