B29を撃墜する方法。

ゆみすけ

文字の大きさ
上 下
172 / 344
まあ、これは無理だな・・・

できることと、できないこと。

しおりを挟む
 もの事には、できることと、できないことがある。 為せば成るといっても、できないことが多いのである。 「もう、300で音波誘導なんて、できないよ。」 とこぼす技官である。 なんどもトライしたが、距離が短いのである。 もちろん、他の方法も考えたが、ロケットは、初速が銃弾ほどではないが、誘導までには、それなりの時間がかかるのだ。 電子機器の反応時間がコンマ少しかかるのだ。 まあ、電子機器がトランジスターや半導体が主な時代ではないからだが。 そう、金属の極小とはいえ、真空管なのだ。 「真空管のヒーターを自前に温めておけば。」 まあ、、ヤラないよりはマシだ。 「まあ、とりあえず、実験だな。」 と、試作ロケットを造り、実験を重ねた。 規格を統一して、数を注文したので、開発費は、まあまあ安価であった。 距離は300くらいだから、開発会社の裏庭だ。 もちろん、模擬空戦用だから、爆薬は入っていない。 代わりに規格の重さの錘がのせてあるだけだ。 (これは、模擬空戦での試合規定に決まっていることである。) 「うむ、この翼を胴体に取り付けたヤツが使えそうだな。」 と、現在の米軍のトマホークミサイルと同じような翼を持ったヤツが候補にあがった。 「あ、あ、この翼を左右に開いて、発射するヤツだな。」 「そうだ、これなら、目標への誘導ができそうだぞ。」 「速度も、亜音速までもいかないからな。」 音速では、誘導する前に300を過ぎてしまうのだ。 「いいか、ここは、誘導ロケットという見せ場を造れねばならない。」 という、陸軍のメンツに、イヤイヤ従った技師らが苦肉の策で作り出した誘導ロケットだったのである。 モノは出来た、なら、陸軍幹部を呼んで、実験の実演となる。 金が絡んでいるから、利権に群がる役人やら議員が多数参加したのだ。 もう、陸軍の幹部はヒヤヒヤだ。 技師を呼んで、「間違っても、失敗はしないだろうな。」 「ハア、まあ、たぶん。」 「なんだ、それは、失敗したら。」 「一応、実験したら、うまく行きましたので。」 「ふむ、では成功を頼んだぞ。」 ・・・ 呼ばれた技師に他の技師が、「どうしたんですか?」 「あ、あ、成功しないと首チョンだと・・」 「いいんですか、オレはトンズラできますが。」 と逐電する場所があるようだ。 「まあ、いざとなったら腹をくくるさ。」と、開発の主任技師が発射盤に座った。 さあ、勝利の女神は、ほほ笑むのか。 それとも、地獄の魔王が笑うのか。 「では、実験を開始します。」 と、的が動き出した。 的は、レールに沿って動く模型である。 まあ、米軍のグレートイーグルモドキであるが。 そして、地上に置いてある追撃戦闘機の翼の下にぶら下がっているロケットに火が入る。 まあ、推進薬に点火したのである。 そして、ロケットの翼が開いた。 そして、スルスルと翼にレールからロケットが飛び出した。 「いけ~っ。」 と、技師らが叫ぶ。 音波誘導のロケットは推進薬の爆発音も少なく空に飛び出した・・・・・ 
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

大東亜戦争を有利に

ゆみすけ
歴史・時代
 日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を

【おんJ】 彡(゚)(゚)ファッ!?ワイが天下分け目の関ヶ原の戦いに!?

俊也
SF
これまた、かつて私がおーぷん2ちゃんねるに載せ、ご好評頂きました戦国架空戦記SSです。 この他、 「新訳 零戦戦記」 「総統戦記」もよろしくお願いします。

大東亜戦争を回避する方法

ゆみすけ
歴史・時代
 大東亜戦争よ有利にの2期創作のつもりです。 時代は昭和20年ころです。 開戦を回避してからのラノベです。

土方歳三ら、西南戦争に参戦す

山家
歴史・時代
 榎本艦隊北上せず。  それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。  生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。  また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。  そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。  土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。  そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。 (「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です) 

旧式戦艦はつせ

古井論理
歴史・時代
真珠湾攻撃を行う前に機動艦隊が発見されてしまい、結果的に太平洋戦争を回避した日本であったが軍備は軍縮条約によって制限され、日本国に国名を変更し民主政治を取り入れたあとも締め付けが厳しい日々が続いている世界。東南アジアの元列強植民地が独立した大国・マカスネシア連邦と同盟を結んだ日本だが、果たして復権の日は来るのであろうか。ロマンと知略のIF戦記。

織田信長IF… 天下統一再び!!

華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。 この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。 主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。 ※この物語はフィクションです。

日は沈まず

ミリタリー好きの人
歴史・時代
1929年世界恐慌により大日本帝國も含め世界は大恐慌に陥る。これに対し大日本帝國は満州事変で満州を勢力圏に置き、積極的に工場や造船所などを建造し、経済再建と大幅な軍備拡張に成功する。そして1937年大日本帝國は志那事変をきっかけに戦争の道に走っていくことになる。当初、帝國軍は順調に進撃していたが、英米の援蔣ルートによる援助と和平の断念により戦争は泥沼化していくことになった。さらに1941年には英米とも戦争は避けられなくなっていた・・・あくまでも趣味の範囲での制作です。なので文章がおかしい場合もあります。 また参考資料も乏しいので設定がおかしい場合がありますがご了承ください。また、おかしな部分を次々に直していくので最初見た時から内容がかなり変わっている場合がありますので何か前の話と一致していないところがあった場合前の話を見直して見てください。おかしなところがあったら感想でお伝えしてもらえると幸いです。表紙は自作です。

新・大東亜戦争改

みたろ
歴史・時代
前作の「新・大東亜戦争」の内容をさらに深く彫り込んだ話となっています。第二次世界大戦のifの話となっております。

処理中です...