B29を撃墜する方法。

ゆみすけ

文字の大きさ
上 下
167 / 344
偏西風に乗る。

西から東へ飛ぶのだ。

しおりを挟む
 「地球には偏西風が吹いている。」 「あ、あ、西から東にだな。」 「そうだ、だから東へ飛ぶのだ。」 「太平洋と大西洋を渡るのか。」 「うむ、米国本土で給油できるからな。」 「では、英国大会に向けて、練習も兼ねて渡航するか。」 「爆撃機でか。」 「そうだよ。」 「四発旅客機は、日本が開発できることが証明できたんだから。」 「まあ、そうだが。」 「偏西風に乗れば、かなりガソリンが節約できるぞ。」 「距離的には、大陸沿いがいいんだが。」 「それは、わかるが太平洋と大西洋横断がインパクトがあるからだ。」 「長距離爆撃のノウハウが得られるからな。」 「空母は戦闘機は運べるが、爆撃機は無理だからな。」 四発爆撃機は空母は無理だ。 飛行甲板が足りない。 それに、四発は重い、飛行甲板が耐圧装甲で、重心が上になり、空母として運用は無理である。 長くても260メートル程度では、四発は上がれない。 蒸気カタパルトでも力不足だ。 米軍の、トンデモ作戦のB25を使ったドーリトル攻撃は苦肉の策であったのだ。 発艦はできたが、着艦は無理で、シナ大陸へ降りている。 「では、英国大会に向けて準備を始めよう。」 「あと、半年だな。」 ・・・ そして、こちらは追撃戦闘機の開発部である。 「前回のフランス大会の反省だが・・・」 空気が重い。 まあ、負けたからだが・・ 「どうして、負けたんだ。」 「それは、十字砲火をあびて、最初に1機が・・」 「待て、それは言うな。」 「でも・・」 「それは、言い訳だ。」 「オレ達は技師だ、十字砲火に耐えれる戦闘機なら。」 「それは、いくらなんでも無理かと・・」 「いいか、日本人技師の辞書には不可能は無いのだ。」 「誰の言葉だ。」 「オレさ、文句あっか!」 紛糾する反省会だ。 (これなら、カラオケルームの方がよかった・・・) 「しかし、あと半年で、なにができるんだ。」 「電波妨害装置は、イマイチだったんだ。」 「電波妨害装置は相手との距離が無いと効果がイマイチなのだ。」 「まあ、眼で見えるからな。」 「やはり、ドイツのドラ焼き型は、電波探信儀に反応しなかったらしいが・・」 「それだ。」 「いまから、間に合わないぞ。」 「いや、そのドイツの戦闘機の、どこが電波探信儀を防いだのか、研究をはじめるだけでも、価値はありそうだぞ。」 「では、その部門は立ちあげるとして、だな・・・」 会議は延々と続くのだ。 もう、深夜・・ なんとブラックな企業である。 もちろん、残業なんて考えもない時代である。 福利厚生、なにソレという時代なのだ。 せいぜい、食堂があれば、いい方だったらしい。 もちろん、社員は自転車通勤か電車通勤で、自家用車は無い。 あっても社員の給料では買えない時代である。 それも、最先端の技師らがである。 日本は、ある意味では平等なのである。 なんせ、社長も自家用車は無い。 あるのは、社用の運搬トラックだけだった。 もちろん、エンジンや部品を運ぶためなのだ。 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ
歴史・時代
 満州国は、日本が作った対ソ連の干渉となる国であった。 未開の不毛の地であった。 無法の馬賊どもが闊歩する草原が広がる地だ。 そこに、農業開発開墾団が入植してくる。 とうぜん、馬賊と激しい勢力争いとなる。 馬賊は機動性を武器に、なかなか殲滅できなかった。 それで、入植者保護のため満州政府が宗主国である日本国へ馬賊討伐を要請したのである。 それに答えたのが馬賊専門の討伐飛行隊である。 

大東亜戦争を回避する方法

ゆみすけ
歴史・時代
 大東亜戦争よ有利にの2期創作のつもりです。 時代は昭和20年ころです。 開戦を回避してからのラノベです。

織田信長 -尾州払暁-

藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。 守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。 織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。 そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。 毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。 スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。 (2022.04.04) ※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。 ※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。

大東亜架空戦記

ソータ
歴史・時代
太平洋戦争中、日本に妻を残し、愛する人のために戦う1人の日本軍パイロットとその仲間たちの物語 ⚠️あくまで自己満です⚠️

独裁者・武田信玄

いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます! 平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。 『事実は小説よりも奇なり』 この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに…… 歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。 過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。 【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い 【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形 【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人 【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある 【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。 (前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)

東洲斎写楽の懊悩

橋本洋一
歴史・時代
時は寛政五年。長崎奉行に呼ばれ出島までやってきた江戸の版元、蔦屋重三郎は囚われの身の異国人、シャーロック・カーライルと出会う。奉行からシャーロックを江戸で世話をするように脅されて、渋々従う重三郎。その道中、シャーロックは非凡な絵の才能を明らかにしていく。そして江戸の手前、箱根の関所で詮議を受けることになった彼ら。シャーロックの名を訊ねられ、咄嗟に出たのは『写楽』という名だった――江戸を熱狂した写楽の絵。描かれた理由とは? そして金髪碧眼の写楽が江戸にやってきた目的とは?

よあけまえのキミへ

三咲ゆま
歴史・時代
時は幕末。二月前に父を亡くした少女、天野美湖(あまのみこ)は、ある日川辺で一枚の写真を拾った。 落とし主を探すべく奔走するうちに、拾い物が次々と縁をつなぎ、彼女の前にはやがて導かれるように六人の志士が集う。 広がる人脈に胸を弾ませていた美湖だったが、そんな日常は、やがてゆるやかに崩れ始めるのだった。 京の町を揺るがす不穏な連続放火事件を軸に、幕末に生きる人々の日常と非日常を描いた物語。

零式輸送機、満州の空を飛ぶ。

ゆみすけ
歴史・時代
 ダクラスDC-3輸送機を米国からライセンスを買って製造した大日本帝国。 ソ連の侵攻を防ぐ防壁として建国した満州国。 しかし、南はシナの軍閥が・・・ソ連の脅威は深まるばかりだ。 開拓村も馬賊に襲われて・・・東北出身の開拓団は風前の灯だった・・・

処理中です...