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日本の旅客機、海を越える。
翼よ、あれが自由の女神だ。
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陸軍のお偉方は、陸軍のメンツ、(四発爆撃機はパクリではない。)を保つために、なんと四発旅客機の製造を命じたのだ。 モノホンがあれば、パクリではないとメンツが保てるからだ。 まあ、技師らにしてみれば、どうでもいい話なのだが・・・ そして、日本が四発旅客機を輸入したのは、あくまで民間が旅客機製造の参考にするためだ、とのメンツ(言い訳だが・・)のためであった。 「おお、出来たか。」 と四発旅客機を見る陸軍のお偉方である。 「これなら、ニューヨークまで行けそうだな。」 とんでもないことを考える、お偉方である。 「おい、お前ら、これで米国へ飛んで、輸入の成果を見せびらかしてこい。」 と、とんでもない命令がでた! 「どうする?」 「おまえが、行けよ!」 「いや、ここは、主任技師のおまえだ。」 と、墜ちたくはないから他人になするつけるのである。 「操縦は、だれがするんだ。」 「おれは、この機体を操縦しろなんて言えないが・・・」 「双発旅客機がやっと、なんだからな。」 そうなのだ、しかし何にでも最初はあるのだ。 それで、民間の旅客機とはいえ、陸軍が渡米を言い出したんだから・・・とお鉢が陸軍へ廻ってきた。 そこは、真っ黒な陸軍の勤務体制である。 「そうだ、確か、模擬空戦で、最初に墜とされたヤツがおったろう?」 「あ、あ、あの2番機のヤツか。」 「そうだ、ここは名誉挽回の機会を与えてはどうか?」 「操縦は副操縦者が必要だが・・」 「偵察員でなんとかならんか。」 さすが、真っ黒企業の日本陸軍だ。 首にはならんが、勤務は真っ黒である。 偵察員は一応、緊急に操縦することもあるから、基本は操縦は一応できるのだが・・・ そう、なのだ、一応できるだけなのだ。 飛行時間なんて、皆無なのだ。 操縦者にとり飛行時間がすべてなのだが・・・ (陸軍では200時間から300時間以上でないと、操縦士パスは出ない。) 軍人が民間機では、都合が悪いから、身分は仮だがテスト操縦士となる、2番機の木本操縦士だった。 そして、偵察員の元木が副操縦士となる。 「これが、陸軍の造った四発旅客機か。」と、木本操縦士。 「なんと、まあ、これがオレの棺桶か・・」 と元木君。 「部品や構造は四発の米国旅客機と同じですから、なんとか太平洋は越えられると思いますが・・」 と主任技師がいう。 「それで、航法なのですが、太平洋にハワイがあるでしょう。」 「うむ。」 「そこに、米軍の無線基地があるそうです。」 「そこの電波を目標に飛ぶんです。」 「えっ、その後は。」 「サンフランシスコをまで、なんとか・・」 「つまり、ハワイで給油ですね。」 「え、え、増槽がついてますから、なんとか行けそうかと。」 「あの、旅客機に爆弾かと思ったのは増槽ですか。」 見ると、翼に爆弾が4個・・・ 「そうです、爆弾ではありません。」 「それに、機体の胴体にも燃料タンクを増設しました。」 「とても、内部は旅客機ではないですね。」 「まあ、陸軍が造ったんですから、外観は旅客機ですが。」 「そして、自動操縦装置は新式が付いてますから。」 「新式ですか。」 「え、え、ハワイからの電波を受信すればOKですよ。」 まあ、かなり接近しなければ使えない代物だったが・・・・・・
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