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電波探信儀の周波数を・・・
縦と横の違い。
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日本軍は電波探信儀の開発で電波妨害装置を考案した。 電波妨害装置は電波逆探知装置の開発からのアイデアだった。 「相手が電波を出して、こちらを探るんだ、その電波を受信すれば、相手の存在がわかるじゃないか。」 との発想であった。 「指向性アンテナを2本で、相手の方向はわかるぞ。」 指向性アンテナとはテレビ用の串形アンテナ、そう八木アンテナのことだ。 これには、欠点がある。 敵の方向はわかるが、距離が判明しないのだ。 まあ、おおよその反応から船か飛行機かは判断できるが・・・ まあ、実用にはならなかった。 それでも、潜水艦に搭載して、逆探で検知したら潜航して逃げることができる程度だった。 「なら、他にいいアイデアはないものか?」 と技師らは考えた。 ある技師が、「電波を高出力で発射したら妨害できないか?」 と、とまり強い電波で、敵の電波探信儀の電波を押さえれないか? という論理だ。 普通はキレイな電波を出して、他の装置に妨害波がでないようにするのだが・・・ これは、反対の考え方だった。 「逆探で敵の電波をとらえて、それを倍返しだ。」 「でも、相手が電波の周波数を変えれば。」 「だから、逆探を使うんだよ。」 なぜか納得した技師らであった。 「しかし、これには欠点があるぞ。」 「ん、なんだ?」 「こちらの電波探信儀が使えないじゃないか。」 「つまり、双方が使えないと。」 「そこは、敵がまだ開発できない周波数を使えばいいんだ。」 「電波は、高周波になればアンテナや装置の減退が大きくて、まだ使えない国が多いのだ。」 「まあ、我が国は、そこは得意だからな。」 日本の女子は手先が器用なのだ。 電波の高周波の、さらに極高周波はアンテナや出力真空管が作るのが大変なのだ。 その微細な工作を、簡単にやってのける大和撫子なのである。 そして、周波数により形状が変化するホーン型アンテナは、まさに究極の工作精度が求められるのだ。 始めは、大きさを変えてアンテナがあったんだが、それでは追撃戦闘機には搭載できないからである。 追撃戦闘機の翼には翼の端にロケット型のアンテナ収納部があるのだ。 外観ではわからないが・・・ そこに、ラッパ型に形態変化のアンテナが仕込んであるのだ。 そして、片法で電波を発信して、片方で受信するのである。 もとより、アンテナは軽いモノであるから、機体の運動性能には影響を及ぼさないのである。 しかし、この複雑な電子機器により偵察員は偵察より機器の操作が優先されるようになったのだ。 もとろん、それには電子工学の基礎が必要である。 偵察員には、下手な大学の研究室なぞ及ばないほどの学力が求められたのだ。 それで、新たな学士の階級までつくられた。 操縦士は免許が必要でが、偵察員は電波免状が必要になったのである。 それは、細かく分類されて、著者には理解不能だが・・・ 電波探信儀免許は10種あり、電波妨害免許も10種あった。 追撃戦闘機に装備された、機器により必要な免状があるのである。 なんとも、ガラパゴスな免許なのだ。
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