B29を撃墜する方法。

ゆみすけ

文字の大きさ
上 下
93 / 344
やはり、模型では・・・

模型で成功したが・・・

しおりを挟む
 「おお、ちゃんと標的船に向かっていくぞ。」 「そう、作ったからな。」 そして、ポンポン船に当たる、というか、命中した。 爆薬なぞ積んでないから爆発はしない。 湖での実験は、うまくいったのだ。 なら、魚雷へ回路を組み込んで、マジな実験だ。 ところが、魚雷は電池のモーターではない。 短時間(せいぜい数分だ。)動けばいいのだ。 それも、騒音がすごかった。 「これでは、音波誘導は無理だ。」 「じゃあ、どうすんんだ。」 「電気モーター推進の魚雷を造るしかないな。」 「今からか!」 「模型船の装置を使えばいいじゃん。」 カンタンに言いやがる。 駆逐艦のソナーは船首の下とか、艦尾から離れている。 なぜか。 それは、駆逐艦の機関やスクリューから遠ざけるためだ。 まあ、それが五月蠅いから、他の音を探知できないからだ。 「うまく、敵の艦船の音を聞き分ければいいんだが。」 「しかし、敵の艦船の音はフネによって違いがあるぞ。」 「デーゼルの小型船から石炭ボイラーの大型船まであるぞ。」 「なら、電気モーターの魚雷がいいんじゃないか。」 そうなのだ、電気のモーターの機関のフネなぞ、まず無いからね。 それで、潜水艦用の魚雷に探知装置と誘導ジャイロと電池と・・・ 頭が痛くなる~ ~ ~ それでも、なんとか試作が完成した。 爆薬を錘にして、試験だ。 しかし・・・ 「おい、おい、これでは速度が・・」 「おそいぞ。」 「せめて、30ノット(時速54キロくらい。)は欲しいぞ。」 「これでは、避けられてしまう。」 「誘導するから、逃げられないが・・」 「それでも、駆逐艦より遅い魚雷では話にならん。」 「なら、電池の電圧をあげるしか。」 「モーターに負担が・・」 「魚雷だ、数分もてばいいんだ。」 「では、耐久時間を5分で、電池やモーターを造り直しだな。」 耐久性がないなら、それなりに無理ができるのだ。 モーターは過電流をかけると、熱くなり、回路が焼ける。 しかし、5分もてばいいんなら話は別なのだ。 電池も5分なら無理ができるのだ。 こうして、潜水艦用の誘導魚雷は完成したのだ。 駆逐艦や飛行機用と、全く別ものである。 色も変えた。 でないと、間違えるからだ。 それで、海軍からの予算を、なんとか確保できた、ロケット開発会社だった。 そして、それはロケット開発の大きな貢献をしたのだ。 追撃ロケットの誘導装置が2種類になった。 つまり、電波と音だ。 あとは、敵の爆撃機のエンジン排気熱に感応するだけだ。 熱感知、それは想像の装置だった。 熱とは赤外線だ。 赤外線を感知する装置があれば、追撃ロケットは完成するのだ。 音は、マイクで。 電波は反射電波探査で。  「まてよ・・・」 「赤外線は電磁波の種類だな。」 「そうだな。」 「しかし、どうやって検知するんだ。」 「目に見えない赤外線だぞ。」 「最近、存在が明らかになったばかりなのだ。」 「オレ達は技師だ、機械開発は専門だが・・・・」 そうなのだ、学問は苦手な技師連中であった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

永き夜の遠の睡りの皆目醒め

七瀬京
歴史・時代
近藤勇の『首』が消えた……。 新撰組の局長として名を馳せた近藤勇は板橋で罪人として処刑されてから、その首を晒された。 しかし、その首が、ある日忽然と消えたのだった……。 近藤の『首』を巡り、過去と栄光と男たちの愛憎が交錯する。 首はどこにあるのか。 そして激動の時代、男たちはどこへ向かうのか……。 ※男性同士の恋愛表現がありますので苦手な方はご注意下さい

織田信長IF… 天下統一再び!!

華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。 この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。 主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。 ※この物語はフィクションです。

猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~

橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。 記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。 これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語 ※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります

滝川家の人びと

卯花月影
歴史・時代
故郷、甲賀で騒動を起こし、国を追われるようにして出奔した 若き日の滝川一益と滝川義太夫、 尾張に流れ着いた二人は織田信長に会い、織田家の一員として 天下布武の一役を担う。二人をとりまく織田家の人々のそれぞれの思惑が からみ、紆余曲折しながらも一益がたどり着く先はどこなのか。

満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ
歴史・時代
 満州国は、日本が作った対ソ連の干渉となる国であった。 未開の不毛の地であった。 無法の馬賊どもが闊歩する草原が広がる地だ。 そこに、農業開発開墾団が入植してくる。 とうぜん、馬賊と激しい勢力争いとなる。 馬賊は機動性を武器に、なかなか殲滅できなかった。 それで、入植者保護のため満州政府が宗主国である日本国へ馬賊討伐を要請したのである。 それに答えたのが馬賊専門の討伐飛行隊である。 

夢の雫~保元・平治異聞~

橘 ゆず
歴史・時代
平安時代末期。 源氏の御曹司、源義朝の乳母子、鎌田正清のもとに13才で嫁ぐことになった佳穂(かほ)。 一回りも年上の夫の、結婚後次々とあらわになった女性関係にヤキモチをやいたり、源氏の家の絶えることのない親子、兄弟の争いに巻き込まれたり……。 悩みは尽きないものの大好きな夫の側で暮らす幸せな日々。 しかし、時代は動乱の時代。 「保元」「平治」──時代を大きく動かす二つの乱に佳穂の日常も否応なく巻き込まれていく。

本能のままに

揚羽
歴史・時代
1582年本能寺にて織田信長は明智光秀の謀反により亡くなる…はずだった もし信長が生きていたらどうなっていたのだろうか…というifストーリーです!もしよかったら見ていってください! ※更新は不定期になると思います。

零式輸送機、満州の空を飛ぶ。

ゆみすけ
歴史・時代
 ダクラスDC-3輸送機を米国からライセンスを買って製造した大日本帝国。 ソ連の侵攻を防ぐ防壁として建国した満州国。 しかし、南はシナの軍閥が・・・ソ連の脅威は深まるばかりだ。 開拓村も馬賊に襲われて・・・東北出身の開拓団は風前の灯だった・・・

処理中です...