B29を撃墜する方法。

ゆみすけ

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回路設計の見直し。

アクリル板に、貼る?

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 「回路がショートしてるし、コンデンサーがパンクか・・」 「散々だな。」 「やり直しか。」 「また、ショートだぞ。」 「じゃあ、どうすんだ。」 「ここは、こうしたらどうだ。」 議論が炸裂だ。 ああだ、こうだ、の言い合いである。 討論会ではないが、アイデアの出し合いである。 「原因としては、回路が狭すぎるんだ。」 「この配線のスキ間は1ミリもないぞ。」 「絶縁はどうだ。」 「エナメル線だから、エナメル塗料だけだ。 (まだ、ビニールは無い。) 「紙でも巻いてみるか。」 「いや、それなら燃えやすくなるぞ。」 「ゴムの膜は熱に弱いしな。」 「回路の配線が・・・」 「ハンダ付けだからかな。」 普通はハンダ付けだ。 「そうだ、板に部品をはめ込んで、そこに配線を埋め込めば、ショートもしないぞ。」 「板?」 「木材か?」 「絶縁はOKだが。」 「なんか、燃えやすいような。」 「戦闘機の風防のアクリルはどうだ。」 「あの、合成樹脂か。」 アクリルは、すでに開発されていた。 ガラスではない、透明な樹脂である。 「熱を加えれば、溶けて燃えだすが、絶縁できるし、木の板よりは・・」 「まあ、なら作ってみるか。」 何事も、提案がでれば造り試すのが、技師であるのだ。 試行錯誤が、彼らの生きてる証なのだ。 部品をならべて、配線をする。 そして、そこにアクリル樹脂を流し込んだ。 部品と配線が1枚の板になる。 その板を重ねる、「おおっ、これは小型化できるし、配線の事故も防げるぞ。」 「なかなか、いい方法だな。」 「では、これをプリントするみたいだから、プリント回路と命名しようではないか。」 「板だから、基板はどうだ。」 「では、プリント基板で。」 どうでもいいことだが、こだわる技師連中だ。 「これなら、点検も簡単だし、基板をだして修理もできるし、悪ければ基板ごと交換できるぞ。」 なんか、いいことずくめだ。 しかし、欠点もある。 なんせ、回路図をつくるのに、大変なのだ。 三次元の設計思想が必要だ。 いままでは、面の回路だったが、裏側までかんがえなばならない。 頭が破裂しそうなほど、考えねばならんのだ。 (現在はパソコンで作るのだ。) 「まてよ、アクリル板に穴を開けて、そこにハンダで部品をつければ同じじゃないか。」 「なら、あらかじめ板を作って、そこに後から付けれるぞ。」 夢は膨らむのである。 そして、プリント基板により機器の信頼性が増した。 そして、予備回路が不要になったのだ。 回路が安定して、故障がなくなれば、予備回路は不要である。 それは、さらなる小型化に貢献できるのだ。 「さて、では実験だ。」 「あ、あ、そうだった、忘れるところだった。」 そうなのだ、誘導装置の実験の失敗があったんだ。 「では、実験の再開だ。」 遠くで旗だ。 「合図だ。」 「では、行くぞ。」 模型のモーターボートは走り出した。 とうやら、標的のポンポン船に向かっている。 「いえ、いけ、いけ。」 標的は航路を変える。 さあ、どうだ・・・・・
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