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追撃ロケットの実験。
実験を、どうやって?
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「とりあえず、追撃用のロケットはできたが。」 「実験か?」 「しかし、実験の費用がバカにならんぞ。」 「なんせ、月光1機分と変らないからな。」 そうなのだ、お高いのだ。 お金がロケットの誘導装置が高額なのだ。 いくら、国家の威信がかかるとはいえ、無い袖は振れない。 どうすれば、価格を抑えられるのか。 それには、大量生産しかない。 しかし、大量には売れない。 軍事機密部品だからだ。 「なら、民間のも売れるようにすればいいんじゃないか。」 「電波探信儀をか?」 「違うよ、電光菅は画像が写せるんだろ。」 「うむ。」 「なら、四角にして、電子銃を密にして、画像を送れないか。」 「できないことはないが・・・」 「画像をどう、撮るんだ。」 カメラが無い。 つまり、テレビカメラのことだ。 写真器とは違うのだ。 「マイクはスピーカーにもなるよな。」 そうなのだ。 スピーカーは紙が振動した音を出す。 その振動はコイルで電気信号を振動に替えているのだ。 マイクは反対のこをやってるんだ。 音声を紙にあてて振動させるのだ。 実際は紙ではないが・・・ 「つまり、電光菅を使えば(もちろん、加工は必要だ。)画像が撮れるのだ。」 まだ、ビデオの装置も保存する磁気テープも無いころの話だ。 「それなら、お芝居や歌などを電光菅で撮り、電波で遠くまで飛ばせられる。」 「つまり、機械が民間に売れるのだ。」 「つまり、金になると。」 「輸出すれば、日本も潤うぞ。」 ロケット開発から夢は広がるのだ。 それには、予算が・・・ 「その予算獲得には追撃ロケットの誘導装置の成功しかないな。」 「つまり、失敗は許されないな。」 「一発勝負か・・・」 「そうなるな。」 予算的に誘導装置付きのロケットは1発しか作れなかったのだ。 「まあ、爆発火薬は積めないから、回収して使えるかもしれんが・・・」 「それは、やってみなければ、なんせ電子部品は振動やショックには弱いからな。」 金属真空管は内部が繊細な部品だからだ。 「それで、どれだけ飛行というか、飛ぶんだ。」 「そうだな、数キロかな。」 「それで、月光のどこに装備するんだ。」 「あっ、そうだった・・・」 「おまえ・・・」 考えていなかった。 どうしよう? まあ、翼に懸架装置を付ければいいんだが、すぐには無理だ。 ロケットは目の前に1発ある。 予算が欲しい。 もう、底をついてるんだ。 「なら、地上からヤルしかないな。」 「それで、爆撃機は?」 「まさか、有人では無理だな。」 「どうするんだ。」 「模型飛行機を使うか?」 「そんなモノあるのか。」 「風洞実験に使った模型にエンジンをつけて飛ばそう。」 「そう、簡単にいくかな?」 いくわけが、無い。 しかし、やってみなければ、わからないものだ。 それで、風洞実験につかった木型模型に使い古しのエンジンとペラをつけた。 そして、とりあえず飛ぶように翼や重心、燃料を乗せる。 ラジコン装置が無い、飛行機ができたのだ。 おおきさは,自家用車くらいだ。 予算的には金はかからなかった。 人件費だけだ。
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