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体で覚えるんだ。
やって見せる、そして・・・
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練習用のシュミレーターは3台あった。 予算の都合か、生産の都合か。 はたまた、お偉いさんの都合か、わからんが・・ 「では、3組にわかれて、並んでくれ。」 と指示だ。 「手元の取説は読んでるね。」 と聞くと、全員が、「ハイ。」 と答えてくれた。 「では、座席についてくれ、次の者が、手伝ってくれよ。」 飛行機の座席はベルトなどが、自身では装着できない。 (できないことはないが、時間がかかるのだ。) 「上のカバーを閉めろ。」 と指示だ。 つまり、風防であるが、これを閉めると、内部は真っ黒だ・・ まあ、計器盤の照明はついてるが。 オレはヘッドセットをつける。 操作盤の前に座った。 マイクで、「いまから始める。」 「ハイ。」 と連続の返事だ。 3台あるから、3人からだが・・ 操作盤から敵爆撃機の電気信号を出す。 その距離は150キロくらい遠方の信号だ。 3個のランプが点く。 1個、遅い。 「おい、3号機遅いぞ。」 「スンマセン。」 「3号機、距離は?」 「え、え、と・・・ 150ですか。」 「うむ、よし、その調子だ。」 ここは、誉めておく。 「爆撃機の速度は?」 「600です。」 と1番シュミレーターからだ。 「うむ、そうだな。」 なかなか、操作が1番はうまい。 「では、次だ。」 というが、信号は送らない。 しばらくして、「2番ですが、いません。」 「ふむ、そうだな、検索して、いないときもあるのだ。」 と誤魔化した。 実際の検索では、電波の状態に左右されるときもある。 一番やっかいなのが、太陽風だ。 太陽の火炎、つまり太陽の核反応の爆発だ。 それで、太陽風(空気がないから、電磁波やら電子粒子の風みたいなものだ。)の影響が電波を乱すのだ。 中には、太陽風で、機器が故障することまであるのだ。 電磁波攻撃である。 まあ、太陽風も地球の磁場で守れれてるんだが・・・ あまり、太陽風が酷いと、電磁波の乱れは停電やらを起こすのだ。 さて、訓練は続くのである。 「では、次に交代だ。」 15分くらいで、交代する。 でないと、次のヤツが怠けるからだ。 15分なぞ、あっという間だが、待ってると長いものだ。 そして、なんとか全員が、ある程度は操作できるようになった。 「ふむ、まあ、こんなもんかな。」 「では、明日、試験だ。」 と宣言する。 「落とす試験ではないから、あるていどの成績なら全員が合格できるはずだ。」 と希望をもたせる。 「では、本日はここまで。」 「きりっ、礼。」 オレは待機室へ戻る。 「どうだった。」 係官が聞いてくる。 「まあ、なんとかなるんじゃないか。」 「そうか、ならいいよ。」 「とこれで、明日は試験にしたよ。」 「紙のテストか?」 「いや、実技試験だ。」 「電波探信儀の操作員だからな。」 「それで、合否の判断は。」 「うむ、まあ、なんだ、その、なんとかするさ。」 いい加減に誤魔化す。 初めての試験だ。 基準なんて無い。 オレが造らねばならんのだ。 気が重いよ・・・・・「あっ、ところで、2人乗りのシュミレーターは、いつ出来るんだ。」 と聞く。 いつの間にか、居ないじゃないか。 逃げたな・・・・・
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