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質問ですが・・・
いいか、自身で盗み取り学ぶのだ。
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黒板を叩く技師だ・・・ すると、索敵員のひとりが、手を挙げた。 「質問ですが。」 キター、来やがった、一番心配していたことが・・・ オレは技師だ、原理は理解してないんだ。 修理や改造はできるが、解説は・・・ 「どうして、距離と高度の割合が・・・」 くそっ、イヤなことを聞きやがる。 そんなこと、知るか。 オレは教師でも解説者でもないんだ。 「ん、なかなかいい、質問だ。」 まあ、空気を読んで答える。 「距離と高度を入力する装置がイマイチなんだね。」 「そこが、理解できません。」 ・・・オレも理解できんわ・・・ そこに、助け舟だ。 見捨てる神もいれば、拾う神もいるのだ。 スピーカーからチャイムだ。 「ふむ、時間だ、こんど答えよう。」 索敵員の代表が、「キリッ、レイ。」 助かった、ふう、二度とごめんだ。 待機室へ戻る。 係官に、「もう、イヤだ、オレは教師じゃない。」 係官は、「そう、いうなよ、他に適任がいないんだ。」 なにが、適任だ、調べてもいないくせに。 しかし、技師も文句はいうが、責任感は、少しはあるのだ。「今回だけだぞ。」 「あ、あ、了解だ。」 くそっ、仕方がない博士に聞かねば。 ・・・ 「博士はご在宅ですか。」 「え、え、実は、お聞きしたいことが。」・・「博士、わたしです、装置の説明を・・」 「そうです、高度と索敵範囲の関係ですが・・」 「そうなんですね、あ、あ、わかりました。」 「え、え、なかなか難しくて。」 「どうも、ありがとうございました、えっ、また機会があったら。」 博士は技師の質問に興味を持ったらしい。 博士から好印象を得た技師であった。 「さて、時間だ。」 技師は講義室へ足を運ぶ。 「きりっ、れい。」 器機の操作の説明が始まった。 「さて、先ほどの質問の答えだが。」 技師は高度と距離と地球の地形を黒板に描く。 まあ、素人の絵だが、観れる範囲だ。 「で、地球は水平ではない。」 「その曲線は、この座標であらわされる。」 「それで、座標の数値は固定だから、距離を入力すれば、高度計の数値が自動で入力されて値がでるのだ。」 「その数値が画面に表示されるのだ。」 「わかったか。」 半分は不安な表情だ。 「では、もう一度解説するが・・・」 「地球は、丸いのだ、その曲線の数値は決まっているんだ。」 「飛行機の高度で、索敵範囲が変わるんだ。」 延々と続く話だったが、回数を重ねれば索敵員も、それなりに理解できるのだ。 月光の性能は素晴らしいが、それに乗る操縦者や索敵員の能力がモノをいうことが多いのだ。 いい武器も、使い方で鈍な武器にも、鋭利な武器にもなるのだ。 「午後からは、操作シュミレーターでの実技だ。」 「以上、だ。」 ふう、あとは、飯を食って、実技で終わりだ・・・ 肩の荷が降りた技師であった。 知らないことを聞くことは大切だ。 知ったふりで、その場は逃れることはできるが、実戦では使えない兵となる。 技師の講義で、索敵員の能力は平均値が上がったのである。 どの、月光も索敵能力は替わらない。 このことは、ずごいことなのだ。 ひとりの、すごいヤツの軍隊より、全員の平均値が高い軍隊が強いのだ。 ひとりでは、戦争は勝てないからである・・・・・
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