B29を撃墜する方法。

ゆみすけ

文字の大きさ
上 下
58 / 344
米軍基地での開催。

初日だ。

しおりを挟む
 エドワーズ軍飛行場だ。 場所は軍事機密だ。 ではない。 そこで、模擬空戦が開催されるのだ。 ゲートが開けられた。 いちおう、民間人の持ち物チェックはあるようだ。 カメラはOKである。 でないと、ブン屋が(マスゴミ。)が新聞の売り上げがと五月蠅いからだ。 日本の技師らは、初めて英国の爆撃機を観た。 そして、戦闘機もだ。 爆撃機はリバティといい、戦闘機はランドマスターという名前であった。 そして、「なんか、似てないか。」 「うむ、そうだな。」 そうなのだ、日本の機に似ていた。 「英国が、我が国のパクなんて考えられんが・・」 英国に言わせると、日本がパクったと言われかねない。 英国の技師や操縦者も、日本機を観てなんか言ってるようだ。 米国のブンヤが、空気も読まずに、「なんか、似てますね。」 と英国側でやらかした。 とたんに、英国は米国に抗議した。 我らの機が先で、日本は後からだ、と。 まあ、日本の技師らは、なんも言い訳をいわなかったので、まあ収まったが・・ しかし、戦闘機は英国は、日本が研究中の反転6枚ペラだった。 あとは、月光型追撃戦闘機に似ていた。 肝心のペラは日本はペラにカバーを被せて秘匿したいたのだ。 切り札が、見え見えだが。 「このカバーは何ですか?」 ブンヤが日本の技師に聞く。 「あ、あ、その、なんですよ。」 とごまかしてるのが・・・ 「少し、見せてくださいよ。」 「イヤ、いかん、いえ、そのなんだ、また今度だ。」 焦る技師らだ。 操縦士らは笑っている。 「飛ぶときは、外しますから。」 といわれて、ブンヤは引っ込んだ。 まあ、飛ぶときは外すのは当然だが。 「おい、9時から英国と米国が始まるらしいぞ。」 「そうか、機の見張りを除いて見学だ。」 英国の爆撃機と米国の戦闘機とが1回目で、2回目は反対である。 米国の戦闘機、はて初めて見るが。 そうなのだ。 戦闘機は航続距離が短いので、日本へは飛来しなかったのだ。 シナの紛争でも登場はなかった。 英国といい、米国といい、模擬空戦は航空見本市を呈してきた。 ここに、ドイツやフランスが加われば、一大イベントだ。 なんえ、いままで国際見本市なぞ皆無だ。 大きな金が動く。 英国の資本が黙ってはいないのだ。 ウタでは、来年はドイツやフランスの参加までウワサがでていたのだ。 互いに戦力を誇示すれば、互いの抑止力である。 戦争をしないために、戦争の模擬空戦は有益である。 勝てない相手に、戦いを挑まないからだ。 牙を磨くのは戦争のためではなく、戦争を防ぐためである。 戦力を無くせばいいではないか、とは町内会の倫理だ。 国際社会は町内会では無い。 人種も考え方も違うのだ。 そこは、互いの牙を知れば、無駄な争いはなくなるのである。 米軍の戦闘機が並んでエンジンの慣らしをしている。 液冷エンジンで排気タービン付きのようだ。  「あれでは、ウチは勝てないかも。」 日本の技師がざわつく。 日本は空冷だからだ。 液冷エンジンは前面の面積が小さく、空力的に有利であるからだ。 「いや、ドイツの12気筒の液冷には勝てんさ。」 とドイツ留学の技師がささやく。  なんでも、工作精度が違うらしい。 日本は現物をスリ合わせている、とても精度云々の段階ではなかった。 「まあ、これで戦争を仕掛けることは、我が国からは無いだろうな。」 実感がこもった言葉だ・・・・・
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

永き夜の遠の睡りの皆目醒め

七瀬京
歴史・時代
近藤勇の『首』が消えた……。 新撰組の局長として名を馳せた近藤勇は板橋で罪人として処刑されてから、その首を晒された。 しかし、その首が、ある日忽然と消えたのだった……。 近藤の『首』を巡り、過去と栄光と男たちの愛憎が交錯する。 首はどこにあるのか。 そして激動の時代、男たちはどこへ向かうのか……。 ※男性同士の恋愛表現がありますので苦手な方はご注意下さい

織田信長IF… 天下統一再び!!

華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。 この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。 主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。 ※この物語はフィクションです。

猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~

橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。 記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。 これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語 ※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります

滝川家の人びと

卯花月影
歴史・時代
故郷、甲賀で騒動を起こし、国を追われるようにして出奔した 若き日の滝川一益と滝川義太夫、 尾張に流れ着いた二人は織田信長に会い、織田家の一員として 天下布武の一役を担う。二人をとりまく織田家の人々のそれぞれの思惑が からみ、紆余曲折しながらも一益がたどり着く先はどこなのか。

満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ
歴史・時代
 満州国は、日本が作った対ソ連の干渉となる国であった。 未開の不毛の地であった。 無法の馬賊どもが闊歩する草原が広がる地だ。 そこに、農業開発開墾団が入植してくる。 とうぜん、馬賊と激しい勢力争いとなる。 馬賊は機動性を武器に、なかなか殲滅できなかった。 それで、入植者保護のため満州政府が宗主国である日本国へ馬賊討伐を要請したのである。 それに答えたのが馬賊専門の討伐飛行隊である。 

夢の雫~保元・平治異聞~

橘 ゆず
歴史・時代
平安時代末期。 源氏の御曹司、源義朝の乳母子、鎌田正清のもとに13才で嫁ぐことになった佳穂(かほ)。 一回りも年上の夫の、結婚後次々とあらわになった女性関係にヤキモチをやいたり、源氏の家の絶えることのない親子、兄弟の争いに巻き込まれたり……。 悩みは尽きないものの大好きな夫の側で暮らす幸せな日々。 しかし、時代は動乱の時代。 「保元」「平治」──時代を大きく動かす二つの乱に佳穂の日常も否応なく巻き込まれていく。

本能のままに

揚羽
歴史・時代
1582年本能寺にて織田信長は明智光秀の謀反により亡くなる…はずだった もし信長が生きていたらどうなっていたのだろうか…というifストーリーです!もしよかったら見ていってください! ※更新は不定期になると思います。

零式輸送機、満州の空を飛ぶ。

ゆみすけ
歴史・時代
 ダクラスDC-3輸送機を米国からライセンスを買って製造した大日本帝国。 ソ連の侵攻を防ぐ防壁として建国した満州国。 しかし、南はシナの軍閥が・・・ソ連の脅威は深まるばかりだ。 開拓村も馬賊に襲われて・・・東北出身の開拓団は風前の灯だった・・・

処理中です...