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問題が出た、中止か!
耐圧試験。
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追撃戦闘機の試験飛行の当日の朝だ。 突然、「中止、試験飛行は延期する。」 との連絡だ。 「どうして?」 「模擬空戦まで、90日しかないぞ。」 「いや、それは言ったんだが・・」 技官らは途方にくれる。 そして、新たな連絡だ。 技官らは会議室に集まる。 「しかし、これで何度目だ。」 「もう、会議はうんざりだ。」 日本の欠点だ。 会議が多すぎるのだ。 それも、勤務時間外が当然のようにあるのだ。 そして、その手当なんて、論外である。 そういう、風潮は誰も疑問にも思わない日本人である。 「今日、試験飛行が中止になったのは、ハヤブサの金属疲労問題が現場の部隊から出たためだ。」 「報告は昨夜届いた。」 プリントが配られた。 とうぜん、見る。 金属疲労の報告とある。 なになに、機体を整備中のことらしい。 機体の主桁の金属の粉と思われる破片が格納庫の床から見つかった。 初めは、ゴミと思ったらしいが、掃除しても、また落ちている。 それで、ある整備士が、誰かのイタズラかと思い、張り込んだらしい。 しかし、誰かの仕業ではなかった。 つまり、自然と機体から落ちたと判明したのだ。 それで、普段は分解しないのだが、胴体のカバーを無理やり剥がした。 すると、機体の主桁の付け根が亀裂だ。 これは、亀裂発見用の塗料で見つかったらしい。 ・・・こう、プリントに書いてある。 「強度試験はやってるんですが。」 「おそらく、ハヤブサでは長い時間の金属疲労が重なったのだ。」 「主桁では、機体の交換しかないぞ。」 「その機体は運用時間は?」 「300時間だ。」 「そして、馬力が倍以上の試験機体では、耐久性の試験が必要となるからだ。」 「どう、試験するんだ。」 「飛ばすのは危険だ。」 「それで、水圧試験を考えた。」 「潜水艦と同じか。」 「そうだ、機体を密封して海水の深いところまで、沈めるんだ。」 「そして、機体の耐久性の試験だ。」 「なら、潜水艦用の耐圧試験機では?」 「大きさは50メートルのプールと同じだ。」 「なら、機体の胴体は入るな。」 「塩水より、真水がいいだろう。」 「では、胴体を耐圧試験して、試験飛行することとする。」 エンジンと翼を外して、電装部品外して、ガランドウになった機体は呉の軍港にある、潜水艦用の耐圧試験水槽に3日間、水圧をかけて放置された。 そして、水圧水槽から・・・ さっそく、内部の点検である。 骨組みに亀裂発見用の塗料を塗る。 現在は超音波で調べるが、この時代は、まだ無い。 塗料を塗り、その部分の光の反射の具合で判断するのである。 光の反射だと微妙な力で変形したことが判断できるからだ。 そして、補強すべきところか判明するのだ。 飛行機は運行日誌が大切だ。 飛行時間は特にだ。 それで、点検や部品交換をするからだ。 見た目には、なんともないように見える部品も、容赦なく交換であるのだ。 それで、未然に事故を防いでいるのである・・・・・
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