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撃墜判定。
オレはヤラれたのか・・・
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「おい機長、速度が・・」 とコパイが叫ぶ。
「わかっとるわい。」 とオレも叫ぶ。
「カン、カン、カン、カン。」 と胴体にゴム弾が当たる。
「くそっ。」 「負けてたまるか。」
「機銃手、ちゃんと・・・」
いかん、機銃手はゴム弾を撃ち尽くしてゲンナリしたいる。
彼の足元には、ゴム弾のカラ薬きょうがテンコ盛りだ。
模擬空戦での携行弾数は決められているのだ。
ルールに従うのは米国も日本も同じだ。
これは、競技であり、戦いであるからルールはあるのだ。
日本の追撃戦闘機は一度の射撃の弾数を、ちゃんと制限していた。 無駄がないのだ。
こちらは、連続に撃ち尽くして、もはや機銃はゴム弾が空だ。
「第四エンジンは?」 「スロットを絞って煙は止めました。」
「うむ、よくやったぞ。」 「もう、オーバーブーストはダメですからね。」
「わかっとるわい。」 うるさいコパイだ。
「それより、操縦は爆撃手にまわしたんですか。」
「えっ、しまった。」 あわてて切り替える。
「だから、言ったんだよ。」 爆撃手がボヤク。
「まあ、ギリで。」
まだ、間に合うのだ。 爆撃コースに乗った。
もう、後戻りはできない。
海上のブイに爆撃コースを取る。
まだ、日本の追撃戦闘機は、執拗に食い下がる。
「爆弾庫開けろ。」 爆撃手が叫んだ。
「おう。」 パカリと扉が開いた。
下に海が見える。
「カン、カン、カン。」 まだ、銃弾があるのかよ・・・
これは、模擬空戦である。
だから、爆弾廃棄はないのだ。
目標に命中させるのも模擬空戦の競技であるのだ。
外れれば、米国が恥なだけだ。
ここは、編隊の先頭の爆撃手の腕如何にかかわるのである。
「先頭が爆弾を・・」
「こちらも落とすぞ。」
ドラム缶で造った模擬爆弾は次々と投下された。
海上のブイに当たったかは、数が多くてわからなかった。
やがて、「模擬空戦終了。」 の無線が入る。
「ふう、終わったか。」
「どうですかね、撃墜判定がなければいいんですが。」
「さあ、降りて査定すればわかるさ。」
機銃手は、「それなりに、当てたつもりですが・・」
「まあ、ゴム弾の溶液の当たりぐあいでわかるさ。」
「さて、羽田に着陸だ。」
操縦装置を切りかえて、江戸湾から羽田に戻る。
「すいぶん、沖まで来てしまったな。」
「それは、空戦で時間を忘れていたからな。」
風防に日本の追撃戦闘機が並走しているのが見える。
なんだか、編隊を組んでるみたいだ。
別に、試合は終わったからだが。
ジョーンズは、いつのまにかヤツらを黄色い猿とは言わなくなった。 自身でも気が付いていないが・・・
「わかっとるわい。」 とオレも叫ぶ。
「カン、カン、カン、カン。」 と胴体にゴム弾が当たる。
「くそっ。」 「負けてたまるか。」
「機銃手、ちゃんと・・・」
いかん、機銃手はゴム弾を撃ち尽くしてゲンナリしたいる。
彼の足元には、ゴム弾のカラ薬きょうがテンコ盛りだ。
模擬空戦での携行弾数は決められているのだ。
ルールに従うのは米国も日本も同じだ。
これは、競技であり、戦いであるからルールはあるのだ。
日本の追撃戦闘機は一度の射撃の弾数を、ちゃんと制限していた。 無駄がないのだ。
こちらは、連続に撃ち尽くして、もはや機銃はゴム弾が空だ。
「第四エンジンは?」 「スロットを絞って煙は止めました。」
「うむ、よくやったぞ。」 「もう、オーバーブーストはダメですからね。」
「わかっとるわい。」 うるさいコパイだ。
「それより、操縦は爆撃手にまわしたんですか。」
「えっ、しまった。」 あわてて切り替える。
「だから、言ったんだよ。」 爆撃手がボヤク。
「まあ、ギリで。」
まだ、間に合うのだ。 爆撃コースに乗った。
もう、後戻りはできない。
海上のブイに爆撃コースを取る。
まだ、日本の追撃戦闘機は、執拗に食い下がる。
「爆弾庫開けろ。」 爆撃手が叫んだ。
「おう。」 パカリと扉が開いた。
下に海が見える。
「カン、カン、カン。」 まだ、銃弾があるのかよ・・・
これは、模擬空戦である。
だから、爆弾廃棄はないのだ。
目標に命中させるのも模擬空戦の競技であるのだ。
外れれば、米国が恥なだけだ。
ここは、編隊の先頭の爆撃手の腕如何にかかわるのである。
「先頭が爆弾を・・」
「こちらも落とすぞ。」
ドラム缶で造った模擬爆弾は次々と投下された。
海上のブイに当たったかは、数が多くてわからなかった。
やがて、「模擬空戦終了。」 の無線が入る。
「ふう、終わったか。」
「どうですかね、撃墜判定がなければいいんですが。」
「さあ、降りて査定すればわかるさ。」
機銃手は、「それなりに、当てたつもりですが・・」
「まあ、ゴム弾の溶液の当たりぐあいでわかるさ。」
「さて、羽田に着陸だ。」
操縦装置を切りかえて、江戸湾から羽田に戻る。
「すいぶん、沖まで来てしまったな。」
「それは、空戦で時間を忘れていたからな。」
風防に日本の追撃戦闘機が並走しているのが見える。
なんだか、編隊を組んでるみたいだ。
別に、試合は終わったからだが。
ジョーンズは、いつのまにかヤツらを黄色い猿とは言わなくなった。 自身でも気が付いていないが・・・
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