B29を撃墜する方法。

ゆみすけ

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高度1万だ。

いたぞ、いくぞ、撃墜だ。

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 ぐんぐん、高度計の針が廻る。 
7000、7500、7800、8000、8300、8600、エンジンはどうか? 
 音だけは聞こえるから、大丈夫と思う。 
9000だ。
 まだ、あがれるぞ。 
さすが、機械式とはいえ、タービンで、空気を圧縮するエンジンはすごいぞ。 
 普通、息切れしてもいい頃合いなのだ。 
それでも、普通にエンジンは廻っている。 
 つい少し以前は、不可能なことだ。 
 「おい、見えたか。」 無線がイャフォンに入る。 
「まだだ、どこにいるんだ。」 
「富士山だ、そこからなら、右方向だ。」 
 「了解だ。」 
「いたぞ、あそこだ、8機いるぞ。」 
 耳が痛い、音量を絞る。 
外気温は氷点下何度かな。 
 翼が凍る。 電熱を掛ける。 
ニクロム線に電流を流して、凍った翼を温めるのだ。 
 発電機の調子もよくなった。 タービン様様である。 
「もうすこし、あがるぞ。」 隊長機が連絡だ。
 斜め上からの、逆さ急降下で、一気に銃撃するつもりだ。 
この高度では、一撃離脱戦法しか無理だ。 
 最初に1機が仕掛けて、爆撃機の爆弾を投棄させるのだ。 
そして、軽くなり、トンズラする爆撃機に一撃必殺の銃弾をあびせるのだ。 
 高度1万での空戦は空気が薄いから、機体の動作が大きくなるのだ。 
舵が効きにくいからだ。 
 高高度用の戦闘機は、まだ白紙の状態である。 
「現在、高度1万2千です。」 
 「よし、では、まず敵の爆弾を投棄させるぞ。」 
「では、行きます。」 「おう。」 
 1機のハヤブサ改が、急降下コースだ。 
爆撃機8機編隊の真ん中を銃撃で、突き抜けた。 
 爆撃機から、爆弾が投棄される。 
シナから、わざわざ、日本までごくろうなこった。 
・・・「トミイから各機、敵がきた、爆弾は投棄しろ。」 
「編隊を密にしろ。」 
 「機銃手、まかせたぞ。」 「おう。」 
「各、銃座、射撃はじめ。」 
・・・「来るぞ、上だ。12時方向だぞ。」 
「えっ、オレらより、上かよ。」 
 「くそっ、やりやがる。」 
「黄色い猿もさるもんだ。」 
 「ダジャレかよ。」 
「やられた、血が止まらん。」 
 「衛生兵、衛生兵・・・」 
「隊長、4番機がエンジンから火です。」 
 「なんだと、4番機、もちそうか。」 
「なんとか、日本海までは・・・」 
 「海上まで、でろ、潜水艦に救援を求めるからな。」 
「了解です、なんとかもたせます。」 
4番機を見ると、片方のエンジンから発火してエンストだ。 
 燃料が燃えるまえに、翼から燃料を放出している。 
 「隊長、無理です、脱出します。」 
「わかった、無事を祈る。」 
 4番機は徐々に高度をさげて、乗員がパラシユートで、次々と降下する。 
そして、すこし飛んで、大爆発だ。 
 燃料に引火したのだ。 脱出は正解だった。 
まだ、日本本土の上だ。 
 捕虜となる可能性は大だ。 機体はバラバラに落下した。 
そして、7人のパラシュートは、日本の本土に降下したのだ。 
 とうぜん、下には憲兵が待っていた。 捕虜の待遇は、悪くなかった。 
それは、情報を聞き出すために、待遇を良くしたのである。 
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