日本戦車を改造する。

ゆみすけ

文字の大きさ
上 下
377 / 393
とうとう、最終決戦だ。

今野少尉だけでは・・・とても、対処ができない・・・

しおりを挟む
 ソ連軍上陸用舟艇が国境の黒龍江を戦車を載せて渡っている。
季節は春であり、雪解けで、河川は増水してるんだが・・・舟艇があるから河を渡れるソ連軍だ。
 1隻の舟艇へ2両の新型T34が載せられる・・・そして、舟艇は10隻あるから・・・
丸1日かければ・・・500両近い戦車を対岸へ運べるのだ。
 「おい、スコチビッチ。」「ハイ、司令官殿。」
「うむ、対岸へ橋頭堡を造っておけ。」「給油をせねばならんからな。」
 「了解であります。」と、イワン司令へ答える。
「いいか、一気に500両で日本軍を蹂躙するんだ。」「遅れをとるなよ。」
 「ハイ、了解です。」「うむ。」
満州側の対岸に、ドラム缶が山と積まれて・・・給油の体制をつくるソ連軍だ。
 そして、そのドラム缶の山は馬賊が知ることとなる・・・
「イルムチよ、あの積まれた山は、何んなのだ。」と、部族長のスルベが問うた・・・
 「あ、あ、あれは、もしかして油の缶じゃなかろうか。」と、疑うイルムチだ。
「なんだと、油というと、あの戦車を動かす油かっ。」と、スルベだ。
 「あ、あ、おいらは以前、日本軍の基地で働いていただろう。」と、イルムチだ。
「あ、あ、もう年でやめたんだったな。」「そうだ、後輩へ譲れねばならないからな。」
 「そこで、燃料というヤツを入れていたんだ。」
「なるほど、さすれば、これはヤバイぞ。」「そうだな。」
 「おまえ、馬で知らせてこい。」「そうするよ。」
と、遊牧民へ戻ったイルムチは、ひさびさに日本軍の駐屯地まで遠路を駆ける。
 黒龍江のテントから、三日かかって奉天の駐屯地へ・・・

 「おや、イルムチじゃないか。」と、軍曹が懐かしむ。
「おう、軍曹てえへんだ。」と、お国言葉が出るイルムチだ。
 「どうした、なにがあったんだ。」と、軍曹が・・・
そこへ、今野少尉だ。
 「おう、元気か。」と、仲間言葉だ。
「隊長さん、河の向こうがヤバイあるよ。」と、やってきた理由を告げる。
 「なんだって、ドラム缶の山だと・・・」
「おい、偵察隊へ無線だ。」「はい。」
 軍曹が無線室へ走る。
「おい、イルムチもこい、場所をいうんだ。」「わかったアルヨ。」
 
 「こちら、巡回偵察隊だ、了解した場所は、どこだ。」と、無線機の会話ボタンを離す。
すると、「ピー。」と、音がして、相手に会話が終わって受信へ切り替えたことをしらせるのだ。
 スタンバイピーというやつだ。
いちいち、どうぞって答えるのが時間の無駄なので、改良をしたのである。
 日本軍の兵器は、日々進歩してるのである。
「こちら、奉天基地だ、場所は三本松の塚があるところの北だそうだ、ピー。」
 「偵察隊了解ピー。」
無線連絡が終わったようだ。
 「なあ、イルムチ、君は役に立つから、戻ってこないか。」と、少尉がいう。
「いやぁ、オレの弟を雇ってもらってるアルヨ。」「それだけで、十分アルヨ。」
 「そうか、いつでも待ってるからな。」「ありがとアルヨ。」
馬賊で日本軍への雇用の数は決まってるらしいのだ。
 なんせ、軍での雇用は馬賊にとり、高給でありがたいからだ。
それで、1部族で何人と制限があるとか・・・
 まあ、世の中は色々あらぁなだ。

 「それで、君はどう思うんだ。」と、本郷司令官が参謀へ問う。
「そうですね、侵攻するための、燃料でしょう。」「だろうな。」
 「どうしますか?」と、参謀が・・・
「まずは、会議だ。」と、司令だ。
 やはりかっ、という顔の参謀だ。
「幹部を集めろ。」と、書記へ・・・
 駐屯地の拡声器が吠える。
もちろん、無線で出払ってるヤツも招集だ。
 奉天市内で、満州娘とニャンニャンやってた連中も・・・あわてて、ズボンを上げてだな・・・
支払いを済ませて・・・自転車やバイク、トラックなどで・・・
 門の守衛は底辺だ・・・
スパイが紛れ込むかもしれないからだ。
 チェックは厳重である。
例え上官でも、チェツクは入るのだ。
 上官がニセモノの可能性もあるからだ。
顔が鮮人やシナ人と、似てるからである。
 駐屯地は兵隊以外にも雇われてる満州人も多いからだ。
そして、幹部連中が会議室へ・・・
 日本の悪いクセが・・・会議、会議で先へ進まない・・・
イヤなことは、先送り・・・
 とりあえず、遺憾砲でも・・・撃って置くか・・・だ。

 今野少尉から軍曹、そして伍長の車長クラスまでが・・・会議室へ集合した。
やがて、本郷司令官が現れる。
 敬礼と答礼が終わる。
「諸君、集まってもらったのは他でもない。」と、定番の挨拶だ。
 「黒龍江の三本松付近で多量のドラム缶を馬賊が見つけてきた。」
「たぶん、戦車の予備燃料だろう。」
 会議室がざわつくが、すぐに納まる。
「ソ連軍の侵攻が近い。」
 「ドラム缶が山らしいから、戦車の数が多いと思われる。」
「おそらく、1000から少なくとも500両は、あるだろう。」と、司令が・・・
 会議室がシ~~~~ンと静まる。
いままでが、25両程度だったのだ。
 それが、40倍から20倍の量だ。
内心、皆思うのだ・・・勝てるわけないじゃないか・・・だ。
 いままでは、数の差が10両程度だったのだ。
それで奇襲や欺瞞作戦でしのいできたのだ。
 それが、通用しないのだ。
どうする、日本陸軍。
 どうする、本郷司令。
どうする、今野隊長。
 唯一の救いは・・・事前準備ができるかもしれない と、言うことしかないのだ。

 「諸君、我が軍は勝つ。」「言うことは、それだけだ。」と、厳しい顔の本郷司令だ。
参謀が、「内地への応援要請は、すでに承諾を取ってあります。」と、うれしい言葉がでる。
 「加藤中尉から、数日で出発する旨、返答がありました。」
「諸君、黒龍江の偵察は馬賊軍からの連絡待ちだ。」と、参謀が加える。
 「1000両だろうと、怯むなかれだ。」と、激を飛ばす参謀だ。
「馬賊が蒙古族から聞いた話だ。」「シベリア鉄道が開通したらしいのだ。」と、通信部が参考意見だ。
 「その、鉄道で戦車と人員を輸送していると思われる。」
「7日間の余裕があると、踏んでいる。」
 「すいません。」と、手が挙がる。
見ると、斎藤技官だ。
 満州戦車開発会社の主任技官だ。
「完成した九八式ですが、50両は、なんとか揃えました。」「おお、50あるぞ。」と、ざわつく。
 「隊員は、どうすんだ。」と、「そうだ、乗るヤツが肝心だぞ。」
今野少尉が、「学校の生徒をつかいましょう。」と、進言する。
 「奉天戦車学校の生徒です。」
「八九式なら、なかなかやりますよ。」と、有意義な言葉が出る。
 「すると、我が軍は100両は集まるな。」と、参謀が合計する。
「100両かっ。」と、司令官が確信した!
 「いけるぞ、オレにはわかるんだ。」「この、いくさ行けそうだぞ。」と、本郷司令官が・・・
 




 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

B29を撃墜する方法。

ゆみすけ
歴史・時代
 いかに、空の要塞を撃ち落とすか、これは、帝都防空隊の血と汗の物語である。

処理中です...