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奉天陸軍工廠の完成。
兵器生産工場の完成。
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日本陸軍は大戦中に三八式歩兵銃を多数、生産した。
各地の工場で製造したのだが・・・一番に生産数が多かったのが奉天陸軍工廠の工場だ。
戦車の整備から始まった工場だったが・・・大連に製鉄所も完成して・・・なかなか質がイイ銑鉄が生産されるようになったのである。
その鉄を合金へ鋳造して兵器を造るのだ。
いまだに、世界でアリサカライフルの名前はブランドなのだ。
スポーツライフルでは、命中率が最高なアリサカ・ライフルは高額で取引されている。
約、8000発の耐久性があるそうだ。
銃身が8000発の射撃に耐えるそうだ。
つまり、狙撃銃として文句ないのだ。
狙撃は1発で決めるのがセオリーだ。
それで、単発ライフルが重宝される。
満州の荒野で30年式小銃の欠点が露呈して、改良したのが三八式だ。
部品点数を少ないし、ニッケルメッキで頑丈なのだ。
木材は日本産のクルミ材を2枚あわせにしてある。
重さは4キロくらいはあるから・・・結構重いんだが・・・他国も、重さはトントンだからね。
その、奉天兵器工場をながめる今野少尉と凛子である。
大連港へ到着して・・・兵器工場の完成を聞いて、寄り道したのである。
もちろん、斎藤技官が連絡をくれたからだ。
大連港へ到着したら、隊への帰りによってくれと・・・
彼女を紹介してくれた斎藤技官だ当然、凛子も同伴でだそうだ。
まあ、斎藤主任として内地での報告も聞きたかったんだろう・・・
「おや、仲がよろしいようで。」と、からかう斎藤主任だ。
あんたの紹介だろが・・・と、言いたいが、凛子の前では言えない・・・
「で、内地は?」
「そうですね、陸軍四年学校で生徒らに喝は入れてきましたが。」
「まあ、内地は平和ですからな。」と、満州国を想う主任だ。
ソ連軍の覇権は当分続くだろう・・・
「他には・・・」と、主任がいう。
「まあ、そんなもんですか。」「いや、そこではなくて・・・ですね。」
「親は了解してくれましたよ。」「それは、よかったですね。」と、ニャケた主任だ。
親といったところが、わかったのだろうか・・・
「妹さんは?」と・・・知ってるんかいだ!
「いえ、なんとも、はや・・・」
「まあ、時間が解決してくれますよ。」「凛子も承知だろう。」
「え、え、わかってますわ。」と、凛子が答える。
「婚約の確約は取りましたので・・・」
「そうか、おめでとうさん。」「ありがとうございます。」と、凛子が答える。
「では、新工場を案内しょう。」と、主任が歩き出した。
「ここが、小銃の最終工程だよ。」と、職人技の工程を見せる主任技師だ。
そこには、日本人の退職した職人が、数人いて・・・工作台に小銃をセットして照星と銃身のセンター合わせをしていた。
「ここは、コンマ単位の精度が求めれるからな。」と、解説する主任だ。
「精度は、どのくらいなんですか。」と、今野君が聞く。
「そうだな、200メートルで1ミリ以下だな。」と、普通に答える主任だ。
「えっ、照準器が精度がよくないと・・・」と、少尉がいうが・・・
「今野君、東京光学製だよ。」と、主任が太鼓判だ。
東京光学(現トプコン)の照準器は戦車砲にも採用されていたから・・・
「そうなんですか、それなら文句無しですな。」と、少尉がいう。
一度、ドイツ製を使っていたことがあったもだが・・・振動で狂いが生じたのだ。
数回の砲撃で、数メートルも狂ってきたので、使えんと砲手から文句が出たのだ。
日本軍の砲手は1メートルでも狙いが狂うと・・・照準器の交換を・・・自分の腕に絶対の自信があるからだ。
2キロさきの、1メートル四方の的に命中しなかったら砲手のライセンスが盗れないからだ。
それには、正確なスコープ式照準器が必要なのである。
ドイツ製も、まあまあだが振動に弱いのだ。
日本製は床に落としても狂わないのだ。
まさに、職人技を見て、感嘆する今野君だ。
「まだ、まだ、ソ連軍には負けないぞ。」と、確信するのだ。
「では、お茶でもどうですか。」と、少尉を誘う主任技師だ。
工場に喫茶部があるらしい。
従業員の福利厚生のためなのだが・・・来客用の兼ねるのである。
もちろん、喫茶部は屋外である。
少し歩くと、庭園が広がっていて・・・そこに喫茶店があるのだ。
どうみても、欧風の建物である。
ベルサイユも負けそうな、優雅な建物だ。
「どうぞ。」と、主任が案内してくれた。
「いらっしゃいませ。」と、英国風メイドが迎える。
顔は、16歳くらいの学生風だが・・・服装は英国調メイド服である。
白いカチューシャが可愛いのだ。
凛子が少尉の脇腹を抓る。
「・・・」痛さをこらえる少尉殿だ。
ネコ耳とシッポを付けたらニャンニャン祭りのネコメイドだからだ。
ネコメイドで少尉を垂らし込んだ凛子としては、メイドは競争相手だからである。
「なににいたしましょうニャン。」と、ネコメイドだ。
思わず、クラ~ッとする今野君だ。
「もう、しっかりしてよ。」と、少尉を抓るが・・・ニャン、ニャン言葉には、まるで弱い少尉殿なのである。
「あんた、何回生?」と、凛子が宣戦布告だ。
「え、え、っと・・・」と、困惑するネコメイドだ。
ここが、奉天高等女学校の生徒の出先機関なことは・・・知ってる凛子だ。
半月前まで、ここでネコメイドだった凛子なのだ。
「先輩、許ちて・・・」と、シュンとするメイド生徒だ。
泣きそうなので、凛子が・・・すばやく、席を立って・・・奥の厨房へ連れて行く・・・
「いいこと、少尉はあたいんだから、手はださないでよ。」と、念押しだ。
「・・・・」と、泣きべその新人メイドであった。
各地の工場で製造したのだが・・・一番に生産数が多かったのが奉天陸軍工廠の工場だ。
戦車の整備から始まった工場だったが・・・大連に製鉄所も完成して・・・なかなか質がイイ銑鉄が生産されるようになったのである。
その鉄を合金へ鋳造して兵器を造るのだ。
いまだに、世界でアリサカライフルの名前はブランドなのだ。
スポーツライフルでは、命中率が最高なアリサカ・ライフルは高額で取引されている。
約、8000発の耐久性があるそうだ。
銃身が8000発の射撃に耐えるそうだ。
つまり、狙撃銃として文句ないのだ。
狙撃は1発で決めるのがセオリーだ。
それで、単発ライフルが重宝される。
満州の荒野で30年式小銃の欠点が露呈して、改良したのが三八式だ。
部品点数を少ないし、ニッケルメッキで頑丈なのだ。
木材は日本産のクルミ材を2枚あわせにしてある。
重さは4キロくらいはあるから・・・結構重いんだが・・・他国も、重さはトントンだからね。
その、奉天兵器工場をながめる今野少尉と凛子である。
大連港へ到着して・・・兵器工場の完成を聞いて、寄り道したのである。
もちろん、斎藤技官が連絡をくれたからだ。
大連港へ到着したら、隊への帰りによってくれと・・・
彼女を紹介してくれた斎藤技官だ当然、凛子も同伴でだそうだ。
まあ、斎藤主任として内地での報告も聞きたかったんだろう・・・
「おや、仲がよろしいようで。」と、からかう斎藤主任だ。
あんたの紹介だろが・・・と、言いたいが、凛子の前では言えない・・・
「で、内地は?」
「そうですね、陸軍四年学校で生徒らに喝は入れてきましたが。」
「まあ、内地は平和ですからな。」と、満州国を想う主任だ。
ソ連軍の覇権は当分続くだろう・・・
「他には・・・」と、主任がいう。
「まあ、そんなもんですか。」「いや、そこではなくて・・・ですね。」
「親は了解してくれましたよ。」「それは、よかったですね。」と、ニャケた主任だ。
親といったところが、わかったのだろうか・・・
「妹さんは?」と・・・知ってるんかいだ!
「いえ、なんとも、はや・・・」
「まあ、時間が解決してくれますよ。」「凛子も承知だろう。」
「え、え、わかってますわ。」と、凛子が答える。
「婚約の確約は取りましたので・・・」
「そうか、おめでとうさん。」「ありがとうございます。」と、凛子が答える。
「では、新工場を案内しょう。」と、主任が歩き出した。
「ここが、小銃の最終工程だよ。」と、職人技の工程を見せる主任技師だ。
そこには、日本人の退職した職人が、数人いて・・・工作台に小銃をセットして照星と銃身のセンター合わせをしていた。
「ここは、コンマ単位の精度が求めれるからな。」と、解説する主任だ。
「精度は、どのくらいなんですか。」と、今野君が聞く。
「そうだな、200メートルで1ミリ以下だな。」と、普通に答える主任だ。
「えっ、照準器が精度がよくないと・・・」と、少尉がいうが・・・
「今野君、東京光学製だよ。」と、主任が太鼓判だ。
東京光学(現トプコン)の照準器は戦車砲にも採用されていたから・・・
「そうなんですか、それなら文句無しですな。」と、少尉がいう。
一度、ドイツ製を使っていたことがあったもだが・・・振動で狂いが生じたのだ。
数回の砲撃で、数メートルも狂ってきたので、使えんと砲手から文句が出たのだ。
日本軍の砲手は1メートルでも狙いが狂うと・・・照準器の交換を・・・自分の腕に絶対の自信があるからだ。
2キロさきの、1メートル四方の的に命中しなかったら砲手のライセンスが盗れないからだ。
それには、正確なスコープ式照準器が必要なのである。
ドイツ製も、まあまあだが振動に弱いのだ。
日本製は床に落としても狂わないのだ。
まさに、職人技を見て、感嘆する今野君だ。
「まだ、まだ、ソ連軍には負けないぞ。」と、確信するのだ。
「では、お茶でもどうですか。」と、少尉を誘う主任技師だ。
工場に喫茶部があるらしい。
従業員の福利厚生のためなのだが・・・来客用の兼ねるのである。
もちろん、喫茶部は屋外である。
少し歩くと、庭園が広がっていて・・・そこに喫茶店があるのだ。
どうみても、欧風の建物である。
ベルサイユも負けそうな、優雅な建物だ。
「どうぞ。」と、主任が案内してくれた。
「いらっしゃいませ。」と、英国風メイドが迎える。
顔は、16歳くらいの学生風だが・・・服装は英国調メイド服である。
白いカチューシャが可愛いのだ。
凛子が少尉の脇腹を抓る。
「・・・」痛さをこらえる少尉殿だ。
ネコ耳とシッポを付けたらニャンニャン祭りのネコメイドだからだ。
ネコメイドで少尉を垂らし込んだ凛子としては、メイドは競争相手だからである。
「なににいたしましょうニャン。」と、ネコメイドだ。
思わず、クラ~ッとする今野君だ。
「もう、しっかりしてよ。」と、少尉を抓るが・・・ニャン、ニャン言葉には、まるで弱い少尉殿なのである。
「あんた、何回生?」と、凛子が宣戦布告だ。
「え、え、っと・・・」と、困惑するネコメイドだ。
ここが、奉天高等女学校の生徒の出先機関なことは・・・知ってる凛子だ。
半月前まで、ここでネコメイドだった凛子なのだ。
「先輩、許ちて・・・」と、シュンとするメイド生徒だ。
泣きそうなので、凛子が・・・すばやく、席を立って・・・奥の厨房へ連れて行く・・・
「いいこと、少尉はあたいんだから、手はださないでよ。」と、念押しだ。
「・・・・」と、泣きべその新人メイドであった。
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